【獣医師監修】犬・猫の耳掃除は“洗浄液を入れて揉む”が基本。外耳炎を防ぐ正しい耳ケア🐶🐱

犬の耳掃除の正しいやり方

犬猫の耳掃除は「拭く」より、洗浄液で洗うのが基本です。

こんにちは!アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。

当院のブログをご覧いただきありがとうございます。 ワンちゃんやネコちゃんの耳の健康、気にかけていますか?耳掃除は、外耳炎の予防や治療をサポートするためにとても大切なケアですが、実は「やりすぎ」や「間違った方法」は逆効果になってしまうこともあります。今回は、ご家庭で安全に行える正しい耳掃除のステップをご紹介します。


犬猫の耳掃除は綿棒NG?獣医師が教える正しい耳洗浄と外耳炎予防

「耳垢が見えたから綿棒で取る」
これは、実はおすすめできません。

犬や猫の耳はL字型で、人の耳と構造が違います。
表面を拭くだけでは奥の汚れは取れず、むしろ綿棒で押し込むことがあります。(コーネル大学獣医学部)

正しい耳掃除の基本は、耳洗浄液を使って“洗うこと”。

これは外耳炎の予防でも、治療補助でも重要です。


なぜ耳に洗浄液を「入れる」の?

「液を耳に入れて大丈夫?」
と驚かれる飼い主さまは多いですが、理由があります。

理由① 汚れを浮かせるため

耳垢、皮脂、アレルギー由来の分泌物、マラセチア(カビの1種)などは拭くだけでは取れません。

洗浄液で浮かせて排出します。

理由② マッサージで奥の汚れを崩すため

耳の付け根を揉むと

  • 耳垢がほぐれる
  • バイオフィルムが崩れやすくなる
  • 点耳薬が届きやすくなる

外耳炎治療では重要です。

理由③ 犬猫に頭を振ってもらい排出するため

耳掃除後にブルブルするのは正常。

むしろ排出工程です。

ただし、きれいなお部屋でやることはお勧めできません。お風呂場や、屋外などがいいですね。


正しい耳掃除のやり方(獣医師推奨)

耳掃除のタイミングと頻度は?

健康な状態であれば、頻度は月に1〜2回程度が目安です。 ただし、耳の汚れが出やすい体質の子や、現在外耳炎の治療中の場合は、その子に合わせた頻度がありますので、必ず事前に当院へご相談ください。

準備するもの

  • 専用の耳洗浄液(イヤークリーナー): 獣医師が推奨する、ペットの耳に優しいものを選びましょう。
  • コットンやガーゼ: 汚れを優しく拭き取るために使用します。
  • 注意点: 綿棒の使用は厳禁です! 耳道を傷つけてしまう恐れがあるため、ご家庭でのケアでは控えましょう。

正しい耳掃除のステップ1~5

Step1 耳をチェック

こんな場合は掃除より受診

  • 強い臭い
  • 赤い
  • 痛がる
  • ベタベタ耳垢
  • 頭を振る
  • 掻く

もうすでに外耳炎になっているかもしれません。

Step2 洗浄液を耳に入れる

片方の手で耳の外側を軽く持ち上げ、耳の穴の中に洗浄液を耳道を満たすように入れます。数滴ではなく、しっかり届く量が必要です。

※鼓膜が破れている場合には、通常の洗浄液を使うことはできません。

Step3 耳の付け根を30秒ほどマッサージ

耳の付け根を指先で優しく揉むようにマッサージします。これにより、洗浄液が奥まで行き渡り、こびりついた汚れが浮き上がってきます。

「くちゅくちゅ」と音がしたらOK。ここが最重要ポイント。

Step4 汚れを出す

ペットが自然に頭を振るのを待ちます。ブルブルっと振ることで、浮いた汚れが外側へ出てきます。汚れを外へ飛ばします。

耳に息を「フッ」吹きかけると、それをきっかけに、頭を振ってくれることがあります。

Step5 ガーゼやコットンで優しく拭き取る

耳の入り口に浮いて見えてきた汚れだけを、コットンやガーゼで優しく拭き取ってください。この際、無理に耳の奥に指や道具を入れないように注意しましょう。

こんな時は無理をしないで!

耳掃除中にペットが痛がったり、嫌がって暴れたりする場合は、無理に続けずすぐに中断してください。また、以下のような症状が見られる場合は、耳掃除の前に診察が必要です。

  • 耳が赤く腫れている
  • 嫌な臭いがする
  • 常に耳を痒がっている、または首を振っている

無理に汚れを拭き取ろうとすると、かえって炎症を悪化させてしまうことがあります。


耳掃除の頻度は?

健康な子

必要時のみ
(月1回以下でも十分なことも)

外耳炎になりやすい子

週1程度のケアが有用な場合あり

  • 垂れ耳
  • アレルギー体質
  • 水遊びが多い
  • マラセチア反復

※やり過ぎは逆効果なことも。(Vca)


外耳炎予防になる子

特に予防的耳ケアが有効なことがある犬種

  • トイプードル
  • コッカースパニエル
  • 柴犬(アレルギー体質)
  • フレンチブルドッグ
  • ラブラドールレトリーバー
  • ゴールデンレトリーバー

飼い主さまにやってほしくないNG行為

NG① 綿棒を耳の奥に入れる

最も多いNG。

  • 汚れを押し込む
  • 外耳道を傷つける
  • 炎症悪化

NG② 人用のイヤークリーナーを使う

犬猫用を使用してください。

pHや刺激性が違います。

NG③ オキシドールやアルコールで洗う

刺激が強く危険。

NG④ 赤く痛い耳を自宅でゴシゴシ洗う

さらに炎症が悪化することがあります。

NG⑤ 「臭うから毎日洗う」

洗いすぎは皮膚バリア破壊につながることがあります。

NG⑥ 点耳薬だけ入れて洗浄しない

汚れの上に薬をのせても効率低下。


こんな症状はもう外耳炎になっているかもしれません

  • 頭を振る
  • 耳を掻く
  • におう
  • 黒い耳垢、赤茶色の耳垢、黄緑色の耳垢
  • ベタベタする
  • 耳を触ると嫌がる

放置すると中耳炎へ進むことも。


よくある誤解

「綿棒の方がきれいになる」

→いいえ。逆効果になりやすい。

「耳に液を入れるのは怖い」

→最初は怖いですね。でも、適切な専用の洗浄液はそのために開発されました。

「水が入ると外耳炎になる」

→問題は湿気そのものより、炎症や基礎疾患。


獣医師からひとこと

耳掃除は、「取る」ではなく「洗う」と考えると理解しやすいです。

とくに再発性外耳炎では、薬だけでなく適切な定期的な耳洗浄が治療成績を左右します。


よくあるご質問

Q1 毎週耳掃除したほうがいい?

健康な耳なら不要な場合もあります。

Q2 洗浄液はたっぷり入れて大丈夫?

通常は問題ありません。むしろ適量が重要。

Q3 綿棒は絶対ダメ?

耳の奥はNG。基本おすすめしません。

Q4 耳掃除の後に頭を振るけど大丈夫?

正常です。汚れを出しています。

Q5 外耳炎の時も洗った方がいい?

ケースによります。必ず獣医師の指示通りに。

Q6 猫も同じやり方?

基本は似ていますが猫はより慎重に。

Q7 洗浄液は市販でよい?

獣医師推奨品がおすすめ。

Q8 臭いだけでも病院へ行くべき?

はい。初期外耳炎のことがあります。

Q9 水遊び後は洗った方がいい?

外耳炎になりやすい子は有用。

Q10 耳掃除しすぎると悪くなる?

はい。やり過ぎは逆効果です。


まとめ

耳掃除は

  • 綿棒で取るより
  • 洗浄液で洗って
  • 揉んで
  • 振って出す

が基本。

正しいケアで、外耳炎予防につながります。

「うちの子の耳、少し汚れているかも?」「掃除の仕方が合っているか不安……」という方は、ぜひお気軽に当院までご相談ください。その子に合ったケア方法を丁寧にお伝えいたします!


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