皮膚病は原因を見極め、皮膚だけでなく全身と生活環境から治療します。
愛知県豊田市にあるアロハオハナ動物病院は、犬や猫だけでなく、ウサギや爬虫類といったエキゾチックアニマルの皮膚科診療に注力しています。同院は単なる対症療法にとどまらず、詳細な問診や専門的な検査を通じて、生活環境や動物種ごとの特性を考慮した根本的な原因究明を行っています。治療においては、最新のガイドラインに基づいたマルチモーダルな管理を提案し、再発しにくい体作りを飼い主さまと共に目指すのが特徴です。また、多忙な飼い主さまのために完全予約制を導入しており、公式LINEを活用した手厚いアフターフォロー体制も整えています。ペットの小さな変化を早期に発見し、生活の質(QOL)を維持するためのトータルケアを地域に提供する総合病院です。
こんにちは、アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。
愛知県豊田市でも、「最近よく体をかく」「皮膚が赤い」「毛が抜けてきた」「フケが増えた」「耳が臭う」「何度薬を飲んでも皮膚病を繰り返す」といった皮膚のお悩みで来院されるワンちゃんや猫ちゃんが少なくありません。
皮膚病は、見た目だけでは原因を判断できないことがあります。
例えば、犬の「かゆみ」という一つの症状でも、ノミ・ダニなどの寄生虫、細菌やマラセチアなどの感染、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、内分泌疾患、自己免疫性疾患、腫瘍など、原因はさまざまです。
また、犬や猫だけでなく、ウサギ、フェレット、鳥類、爬虫類などのエキゾチックアニマルでは、動物種によって皮膚の構造や正常な状態、発症しやすい病気、検査方法、治療への反応が異なります。
当院は小型犬・猫だけでなく、ウサギ、フェレット、鳥類、爬虫類など幅広い動物の診療に対応しています。そのため皮膚の症状だけを見るのではなく、「その動物にとって、その症状は何を意味しているのか」という視点を大切にしています。(アロハオハナ動物病院 – かもがわ公園小動物クリニック)
さらに、皮膚病の中には一度治療すれば終わる病気だけでなく、アトピー性皮膚炎などのように長期的な管理が必要になるものもあります。
2023年のAAHA(米国動物病院協会)による犬猫のアレルギー性皮膚疾患ガイドラインでも、アレルギー性皮膚疾患では、詳細な問診、皮膚科的身体検査、皮膚細胞診、掻爬検査、寄生虫の確認などを行い、二次感染や寄生虫を評価しながら段階的に診断・治療することが重視されています。(AAHA)
このページでは、豊田市で犬・猫・エキゾチックアニマルの皮膚病について相談したい飼い主さまに向けて、皮膚病の症状、検査、代表的な病気、治療、再発予防、早期発見について、獣医学的な視点から分かりやすく解説します。

当院の皮膚科の特徴
当院の皮膚科では、皮膚の症状だけを一時的に抑えるのではなく、「なぜ皮膚病が起こったのか」を考え、動物種・体質・生活環境・食事まで含めて治療方針を検討します。
皮膚病の診療で大切なのは、「赤いから薬を塗る」「かゆいからかゆみ止めを使う」という単純な対症療法だけではありません。
例えば、犬の皮膚が赤くなっていても、その背景にはアレルギー、ノミ、細菌、マラセチア、皮膚バリア機能の異常、内分泌疾患など、複数の原因が存在する可能性があります。
さらに、実際の臨床では一つの原因だけではなく、「アレルギーによって皮膚のバリア機能が低下する→細菌やマラセチアが増える→さらに炎症とかゆみが強くなる」というように、複数の問題が重なっていることもあります。
そのため当院では、まず飼い主さまから症状の経過を丁寧に伺います。
「いつから始まったのか」「季節によって変化するのか」「どこをかゆがるのか」「以前にも同じ症状があったのか」「食事は何を食べているのか」「ノミ・ダニ予防はしているか」「シャンプーや外用薬を使用しているか」「以前の治療で改善したのか」などは、皮膚病の原因を考えるうえで非常に重要な情報です。皮膚病は飼い主さまにも見つけることのできる身近な病気ですが、実はこの「事情聴取」に大変時間がかかるというのが皮膚科専門診療の特徴ともいえます。これが主治医が固定した完全予約制でないと実現できないと考えています。
2023 AAHAガイドラインでも、年齢、発症時期、季節性、かゆみの程度、寄生虫予防、過去の治療への反応などを含む詳細な病歴聴取が、アレルギー性皮膚疾患の診断に重要とされています。(AAHA)
また当院の大きな特徴の一つが、犬・猫だけに診療対象を限定していないことです。
ウサギ、フェレット、鳥類、爬虫類などのエキゾチックアニマルでは、「犬猫では一般的な皮膚病」をそのまま当てはめることはできません。
例えば、脱毛している動物を見た場合でも、動物種によって寄生虫、真菌、栄養、換毛、外傷、環境、内科疾患などの重要度が変わります。
そのためエキゾチックアニマルでは、「犬猫ならこうする」という考え方ではなく、その種の正常な生理や飼育環境を踏まえて判断することを大切にしています。
そして、皮膚病の診療では飼い主さまとの継続的なコミュニケーションも重要です。
慢性皮膚疾患では、一回の治療だけで完全に解決できない場合があります。症状が改善した後も、再発を防ぐために食事、シャンプー、保湿、寄生虫予防、生活環境などを見直すことがあります。
当院では診療後もLINEを通じたフォローアップを行い、日常生活の中で生じる小さな変化についても相談しやすい診療体制を大切にしています。(アロハオハナ動物病院 – かもがわ公園小動物クリニック)
「皮膚病を治す」だけではなく、「皮膚病を繰り返しにくい状態をつくる」。
それが当院の皮膚科専門診療で大切にしている考え方です。

こんな症状があれば皮膚科へ
「少し赤いだけ」「少しかゆいだけ」と思っても、症状が繰り返す、広がる、悪化する場合は、早めの皮膚科診察をおすすめします。
皮膚病は、初期には非常に小さな変化しか見られないことがあります。
特に犬や猫は、飼い主さまが気づく前から皮膚を舐めたり、掻いたりしていることがあります。
例えば、
・体を頻繁に掻く
・足先をしつこく舐める
・顔を床や家具にこする
・耳をよく掻く
・頭を振る
・皮膚が赤い
・フケが増えた
・毛が薄くなった
・円形に脱毛している
・皮膚が黒くなってきた
・皮膚が厚くなった
・ベタベタする
・体臭が強くなった
・皮膚から独特の臭いがする
・湿疹やかさぶたがある
・ニキビのような発疹がある
・耳垢が増えた
・耳が赤い
・皮膚を噛む、舐め続ける
といった変化は、皮膚科で評価する価値があります。
特に注意したいのが「かゆみ」です。
かゆみは病名ではなく、さまざまな病気に共通する症状です。
例えば、ノミ・ダニなどの外部寄生虫、細菌感染、マラセチア感染、アレルギー性皮膚炎などでかゆみが起こります。
そのため、「かゆい=アレルギー」と決めつけることはできません。
2023 AAHAガイドラインでも、アレルギー性皮膚疾患の診断では、まず寄生虫や感染などを評価し、必要な検査を行ったうえで診断を進めることが推奨されています。(AAHA)
また、「シャンプーをしているのに治らない」という場合も注意が必要です。
皮膚の汚れを落とすことは重要ですが、皮膚炎の原因がアレルギーや感染、寄生虫、内分泌疾患などであれば、シャンプーだけでは原因そのものを解決できません。
当院でも、マラセチア性皮膚炎などでは、皮膚の細胞診によって病原体である酵母様真菌を確認し、皮膚症状だけでなく外耳炎や基礎疾患の有無を含めて治療を検討しています。(アロハオハナ動物病院 – かもがわ公園小動物クリニック)
さらに、皮膚の異常だけでなく、「元気がない」「体重が減ってきた」「水をよく飲む」「尿量が増えた」「食欲が変化した」など全身症状を伴う場合には、皮膚だけの病気とは限りません。
甲状腺、副腎、肝臓、腎臓、栄養状態など、全身性疾患の評価が必要になる場合があります。
また、急速に広がる脱毛、出血する皮膚病変、潰瘍、強い痛み、顔面の腫れ、呼吸症状、発熱や著しい元気消失などがある場合には、単純な慢性皮膚炎ではない可能性があります。
皮膚は体の表面にありますが、皮膚の変化が全身疾患のサインとして現れることもあります。
「もう少し様子を見よう」と思っているうちに慢性化するケースもあるため、気になる変化が続く場合には早めにご相談ください。

当院の皮膚科で実施している検査
皮膚病の検査は、見た目だけで病名を決めるのではなく、皮膚の細胞・寄生虫・感染・耳・全身状態などを必要に応じて組み合わせて評価します。
皮膚科診療では、「皮膚を見ただけで診断できる」と思われることがあります。
しかし実際には、外見がよく似た皮膚病でも原因が異なることがあります。
そこで重要になるのが皮膚科検査です。
当院では症状や動物種、年齢、病歴などを踏まえ、必要な検査を選択します。
1.皮膚細胞診
皮膚表面の細胞や微生物を採取し、染色して顕微鏡で観察します。
細菌やマラセチアなどの二次感染を評価するうえで重要な検査です。
例えば、赤みとかゆみがある犬でマラセチアが多数確認された場合、単純なアレルギーだけではなく、二次的な酵母増殖が症状を悪化させている可能性があります。
当院のマラセチア性皮膚炎の記事でも、テープ法などによる顕微鏡検査を診断の一助として紹介しています。(アロハオハナ動物病院 – かもがわ公園小動物クリニック)
2.皮膚掻爬検査
皮膚表面や角質を採取し、顕微鏡で寄生虫などを確認します。
疥癬など、肉眼だけでは判断できない寄生虫疾患を考える場合に重要です。
ただし、検査が陰性(この場合寄生虫が見つからないこと)だったからといって、すべての寄生虫疾患を完全に否定できるとは限りません。
検査結果は、症状や病変の分布などと合わせて判断します。
3.ノミ・外部寄生虫の評価
ノミなどの寄生虫は、この現代においても未だに皮膚炎やかゆみの重要な原因になっています。
特にアレルギー性皮膚疾患を疑う場合、寄生虫対策が適切に行われているかを確認することが重要です。
4.耳の検査
皮膚病と外耳炎は別々の問題とは限りません。
アレルギー性皮膚疾患に伴って外耳炎を繰り返す犬もいます。アレルギー性皮膚炎が耳にしか症状がないこともあります。
耳垢の細胞診、耳鏡検査などを組み合わせ、耳の状態を評価します。
5.真菌・細菌検査
必要に応じて培養検査などを検討します。
特に治療に反応しない、再発を繰り返す、耐性菌が疑われるなどの場合には、原因微生物の評価が重要になります。
6.食事試験
食物アレルギーが疑われる場合には、獣医師の管理下で食事試験を行うことがあります。
ここで重要なのは、血液による「アレルギー検査」だけで食物アレルギーを確定できるわけではないという点です。
2023 AAHAガイドラインでは、犬猫のアトピー性皮膚炎は除外診断であり、血清や皮内のアレルギー検査はアトピーそのものを診断する検査ではなく、主にアレルゲン特異的免疫療法を検討する際に利用するものとされています。(AAHA)
7.血液検査・画像検査など
皮膚症状が全身疾患と関連している可能性がある場合には、血液検査や画像検査などを検討します。
例えば、左右対称性の脱毛、皮膚の菲薄化(薄くなること)、色素沈着、体重変化などがある場合には、皮膚だけでなく内分泌疾患などの評価が必要になることがあります。
8.皮膚生検・病理組織検査
一般的な治療で改善しない皮膚病、腫瘍が疑われる病変、自己免疫性疾患などを疑う場合には、皮膚の一部を採取して病理組織学的に評価することがあります。
皮膚病は「一つの検査ですべて分かる」というものではありません。
問診、身体検査、皮膚病変の分布、細胞診、寄生虫検査、感染症検査、食事試験、血液検査などを必要に応じて組み合わせ、最も可能性の高い原因を絞り込んでいきます。

犬・猫・エキゾチックアニマルで多い皮膚科の病気
皮膚病は動物種によって大きく異なるため、犬猫の皮膚病をそのままエキゾチックアニマルに当てはめないことが重要です。
犬で多い皮膚疾患
犬では、アレルギー性皮膚疾患、細菌性皮膚感染症、マラセチア性皮膚炎、外部寄生虫による皮膚炎などが重要です。
特に慢性的なかゆみでは、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、ノミアレルギーなどを鑑別します。
アトピー性皮膚炎は「一度薬を飲めば治る病気」というより、症状をコントロールしながら長期的に管理する疾患として考える必要があります。
また、皮膚炎に細菌やマラセチアが二次的に増殖することもあります。
この場合、「アレルギー」と「感染」を別々の病気として考えるのではなく、相互に影響する問題として治療することが重要です。
猫で多い皮膚疾患
猫の皮膚病は犬とは見え方が異なることがあります。
猫では、粟粒性皮膚炎、頭頸部のかゆみ、脱毛、好酸球性肉芽腫群、ノミアレルギー、食物反応、皮膚糸状菌症などを鑑別する必要があります。
また猫は、強いかゆみがあっても「掻く」という行動が目立たず、毛づくろいによって毛を抜いてしまうことがあります。
そのため「毛が薄くなっただけ」と見えても、実際にはかゆみが隠れている場合があります。
猫では皮膚病変の見た目だけで原因を判断するのではなく、生活環境、他の動物との接触、寄生虫予防、食事、行動なども含めて考えることが重要です。
ウサギなどの小型哺乳類
ウサギでは、皮膚の寄生虫、真菌、外傷、脱毛、皮膚炎などが問題になります。
ただし、ウサギの脱毛をすべて「皮膚病」と考えるのは適切ではありません。
換毛、生殖器周辺の問題、毛づくろい、栄養状態、基礎疾患なども考慮する必要があります。
フェレット
フェレットでは、外部寄生虫、耳の疾患、掻痒性皮膚疾患、脱毛などを評価します。
また、フェレットでは副腎疾患などの全身疾患に関連した脱毛も重要な鑑別になります。
したがって、「毛が抜けたから皮膚病」という単純な判断は避ける必要があります。
鳥類
鳥類では、皮膚・羽毛の異常が見られた場合、寄生虫、感染、栄養、羽毛の成長異常、自己損傷、環境、行動、全身性疾患などを考えます。
鳥は病気を隠す傾向があり、羽毛の異常だけが最初のサインになる場合もあります。
爬虫類
フトアゴヒゲトカゲ、ヒョウモントカゲモドキ、カメ、ヘビなどでは、脱皮不全、外傷、細菌・真菌感染、寄生虫、飼育環境に関連する皮膚障害などが問題になります。
特に爬虫類では、温度、湿度、紫外線、栄養、脱皮環境などが健康状態に深く関係します。
そのため、皮膚だけを治療しても飼育環境に問題が残っていれば再発する可能性があります。
ここは犬猫との大きな違いです。
エキゾチックアニマルの皮膚病については、犬猫で得られた研究結果をそのまま適用できるとは限りません。
種によって正常な皮膚、体温、代謝、免疫反応、薬物動態などが異なるため、対象動物種に直接的な研究があるのか、犬猫など他種からの外挿なのかを区別して考える必要があります。
当院では犬・猫だけでなく、さまざまなエキゾチックアニマルを診療対象としているため、皮膚の異常が見られた場合も、その動物種特有の生理と飼育環境を含めて評価します。(アロハオハナ動物病院 – かもがわ公園小動物クリニック)

当院での皮膚科における治療法
皮膚科治療は「かゆみを止める」だけではなく、感染・寄生虫・アレルギー・生活環境など原因に応じて治療を組み合わせます。
皮膚病の治療で重要なのは、診断と治療を一体として考えることです。
例えば細菌感染がある場合には感染への対応が必要です。
マラセチアが過剰増殖している場合には、抗真菌治療や適切な外用療法を検討します。
寄生虫が原因なら、適切な駆虫が必要になります。
アレルギー性皮膚疾患の場合には、かゆみや炎症を抑える治療に加え、必要に応じて食事、寄生虫予防、皮膚バリアの維持、外用療法などを組み合わせます。
2023 AAHAガイドラインでも、アレルギー性皮膚疾患では単一の治療法だけではなく、患者ごとの状態に合わせたマルチモーダルな管理が重視されています。(AAHA)
外用療法
皮膚の状態に応じて、薬用シャンプー、保湿剤、外用薬などを使用します。
特に皮膚表面に問題がある場合には、全身投薬だけでなく、皮膚に直接アプローチする治療が有効な場合があります。
ただし、シャンプーは「多ければ多いほどよい」わけではありません。
皮膚の状態に合わない製品を使用したり、過度な洗浄を行ったりすると、刺激や乾燥を起こす可能性があります。
抗菌・抗真菌治療
細菌やマラセチアが増殖している場合には、それぞれに適した治療を選択します。
マラセチア性皮膚炎では、外用療法だけで対応できるケースもあれば、重症度や広がりによって全身治療を検討する場合もあります。
ただし、「マラセチアがいる=マラセチアが皮膚炎の原因」と単純に判断するのではなく、臨床症状と検査結果を合わせて評価します。
かゆみ・炎症への治療
アレルギー性皮膚疾患では、かゆみと炎症を適切にコントロールすることが重要です。
犬では、状態に応じてグルココルチコイド、オクラシチニブ、ロキベトマブなどが選択肢となる場合があります。
ただし、すべての犬に同じ薬が有効とは限りません。
2023 AAHAガイドラインでも、患者ごとの炎症の程度、かゆみ、感染の有無、治療への反応などを考慮して治療を選択することが示されています。(Meridian)
猫では犬とは使用できる薬剤や安全性の考え方が異なります。
さらにエキゾチックアニマルでは、犬猫で一般的に使用される薬剤をそのまま投与できるとは限りません。
そのため、動物種、体重、年齢、基礎疾患、投与経路、薬剤の濃度などを考慮して治療を決定します。
食事療法
食物反応が疑われる場合には、適切な食事試験を検討します。
重要なのは、短期間だけフードを変えて「治らなかったから食物アレルギーではない」と判断しないことです。
食事試験では、何を食べているかを正確に把握し、試験期間中の食餌内容を厳密に管理する必要があります。
基礎疾患の治療
皮膚病が何度も再発する場合には、皮膚だけを治療し続けるのではなく、背景にある病気を探します。
例えば内分泌疾患などが背景にある場合、その疾患を適切に管理することが皮膚症状の改善につながる可能性があります。
つまり、皮膚科治療のゴールは「赤みを消すこと」だけではありません。
「なぜ起こったのか」「なぜ繰り返すのか」「どうすればこの子の生活の質を維持できるのか」を考えることが、長期的な皮膚管理では重要です。

当院での皮膚科治療の流れ
皮膚病の診療では、問診・診察・必要な検査・治療・再評価を繰り返しながら、原因と治療への反応を確認していきます。
STEP1 まず症状を詳しく伺います
皮膚病では、診察室で見える皮膚だけでなく、ご自宅での様子が非常に重要です。
「いつから」「どこから」「どのくらいの頻度で」「季節性があるか」「以前にも起こったか」「何を食べているか」「どのような薬を使ったか」などを確認します。
可能であれば、ご自宅での掻く・舐める・頭を振るなどの様子をスマートフォンで撮影しておいていただくと、診断の参考になる場合があります。
STEP2 皮膚全体を診察します
飼い主さまが気づいている場所だけでなく、全身の皮膚、耳、足先、口周囲、腹部、脇、内股などを確認します。
皮膚病は病変の「場所」によって鑑別診断が変わることがあるためです。
STEP3 必要な皮膚科検査を行います
症状に応じて、皮膚細胞診、皮膚掻爬検査、寄生虫の評価、耳の検査、必要に応じて培養検査や血液検査などを検討します。
すべての患者さんにすべての検査を行うわけではありません。
検査には目的があり、「この検査結果によって治療方針がどう変わるのか」を考えながら選択します。
STEP4 まず症状をコントロールします
強いかゆみや炎症がある場合には、動物のQOLを守るため、原因検索と並行して症状を緩和することがあります。
ただし、症状が改善したからといって、原因が解決したとは限りません。
ここが皮膚病の難しいところです。
STEP5 検査結果と治療反応を合わせて再評価します
皮膚病では、一回の診察だけで完全な診断にたどり着けない場合があります。
治療によってどの程度改善したのか、どの症状が残っているのか、再発したのかを確認することが診断そのものにつながる場合があります。
STEP6 再発予防を考えます
皮膚病が改善したら終わりではありません。
再発しやすい動物では、ノミ・ダニ予防、食事、シャンプー、保湿、耳のケア、生活環境などを見直します。
アトピー性皮膚炎などでは、完全な「治癒」よりも、症状を良好にコントロールし、生活の質を維持することが現実的な目標になる場合があります。
AAHAガイドラインでも、アトピー性皮膚炎の管理には継続的な診療と飼い主との協力が重要であるとされています。(AAHA)
当院では診療後もLINEを利用したフォローアップを大切にしています。
「薬を飲ませたら少し眠そう」「シャンプー後に赤みが増えた」「また足を舐め始めた」など、日常生活で生じる小さな変化を相談できることは、慢性皮膚疾患の管理において大切です。

皮膚科の早期発見に必要なこと
皮膚病は「ひどくなってから治療する」のではなく、かゆみ・赤み・脱毛・臭いなどの小さな変化を早く見つけることが重要です。
皮膚病の早期発見には、飼い主さまによる日常的な観察が欠かせません。
特に毛の長い犬や猫では、皮膚の変化が被毛に隠れていることがあります。
そのため、ブラッシングや体を触るときに、皮膚の状態も一緒に確認してみてください。
チェックしたいのは、
・皮膚の赤み
・フケ
・脱毛
・かさぶた
・しこり
・ベタつき
・臭い
・皮膚の色の変化
・皮膚の厚み
・耳の汚れ
・足先を舐める頻度
などです。
また、皮膚そのものより「行動の変化」が先に現れることもあります。
以前より体を掻くようになった。
夜中に眠れずに足を舐めている。
散歩から帰ると必ず足を舐める。
耳を頻繁に掻く。
このような変化も重要です。
一方で、早期発見だけで「すべての皮膚病を防げる」というわけではありません。
アレルギー性疾患など、体質や遺伝的要因が関与する病気も存在するためです。
重要なのは、「異常を見つけたら早めに原因を評価する」という考え方です。
特に皮膚病が慢性化すると、皮膚の色素沈着、苔癬化、皮膚の肥厚などが起こり、治療に時間がかかる場合があります。
さらに、かゆみが続くと動物自身の睡眠や休息、遊び、食事などにも影響し、QOLが低下する可能性があります。
また、皮膚病を「体質だから仕方がない」と諦める必要もありません。
アトピー性皮膚炎など、完全に原因を取り除くことが難しい疾患でも、適切な管理によって症状をコントロールできる場合があります。
逆に、「アレルギーだから一生薬を飲ませればいい」と単純化することも適切ではありません。
感染、寄生虫、食事、環境、皮膚バリア、基礎疾患などを再評価しながら、その動物にとって負担の少ない管理方法を探していくことが大切です。
そしてエキゾチックアニマルでは、さらに飼育環境の確認が重要になります。
温度、湿度、紫外線、床材、ケージの清掃、脱皮環境、栄養、同居動物との関係などが皮膚の状態に影響することがあります。
犬猫の皮膚科診療の考え方をそのまま当てはめず、「その動物種にとって何が正常なのか」を出発点にすることが必要です。
当院が大切にしているのは、病気になってから治療するだけではなく、病気になりにくい状態をつくることです。
皮膚の健康についても、日々の観察と定期的な健康チェックを通じて、小さな変化を早期に発見することをおすすめします。

皮膚科におけるQ&A
Q1.犬が体をかゆがっています。アレルギーでしょうか?
A.アレルギーとは限りません。
ノミ・ダニ、細菌、マラセチア、食物反応、アトピー性皮膚炎など、さまざまな原因があります。かゆみだけでアレルギーと診断することはできません。
Q2.犬の皮膚が赤いのですが、すぐ病院へ行くべきですか?
A.赤みが続く、広がる、かゆみを伴う場合は早めの診察がおすすめです。
特に舐める、掻く、脱毛する、臭いがするなどの症状が加わった場合には受診をご検討ください。
Q3.マラセチア性皮膚炎はうつりますか?
A.犬のマラセチア性皮膚炎では、単純な「感染症」として考えるのは適切ではありません。
マラセチアは健康な皮膚にも存在することがあり、皮膚環境や基礎疾患などを背景に増殖して皮膚炎に関与する場合があります。
Q4.皮膚病なら薬を飲めば治りますか?
A.病気によって異なります。
感染症や寄生虫疾患では原因に対する治療が重要ですが、アトピー性皮膚炎などでは長期的な管理が必要になることがあります。
Q5.アレルギー検査をすれば皮膚病の原因が分かりますか?
A.アレルギー検査だけでアトピー性皮膚炎を確定できるわけではありません。
AAHAガイドラインでも、アトピー性皮膚炎は除外診断とされ、アレルギー検査は主として免疫療法などを検討する際に利用されます。(AAHA)
Q6.シャンプーをしているのに皮膚病が治りません。
A.シャンプーだけでは原因を解決できない皮膚病があります。
感染、寄生虫、アレルギー、内分泌疾患など、原因に応じた治療が必要です。
Q7.猫が毛をむしるようになりました。皮膚病ですか?
A.皮膚病によるかゆみだけでなく、さまざまな原因を考える必要があります。
猫では毛づくろいによって脱毛が目立つことがあるため、寄生虫、アレルギー、感染症などを含めて評価します。
Q8.皮膚病は予防できますか?
A.すべての皮膚病を予防できるわけではありませんが、リスクを減らすことはできます。
適切な寄生虫予防、食事管理、皮膚のケア、飼育環境の改善、早期発見などが重要です。
Q9.エキゾチックアニマルの皮膚病も診てもらえますか?
A.はい。当院では犬・猫だけでなく、ウサギ、フェレット、鳥類、爬虫類などのエキゾチックアニマルも診療対象としています。
ただし、動物種によって正常な皮膚や病気、検査方法、治療方法が異なるため、種ごとの特徴を考慮して診療します。(アロハオハナ動物病院 – かもがわ公園小動物クリニック)
Q10.皮膚病が治った後も通院が必要ですか?
A.病気によっては、再発予防や長期管理のための診察が重要です。
特にアトピー性皮膚炎など慢性疾患では、症状が悪化してから治療するより、状態を継続的に確認しながら管理することが大切です。
まとめ|皮膚病は「皮膚だけ」を見るのではなく、原因を探すことが大切です
犬や猫の「かゆい」「赤い」「毛が抜ける」という症状は、非常にありふれています。
しかし、その背景には寄生虫、感染、アレルギー、食事、内分泌疾患、免疫疾患、腫瘍など、さまざまな原因が隠れている可能性があります。
そのため、皮膚病の診療では、
症状を見る
↓
原因を考える
↓
必要な検査をする
↓
原因に合わせて治療する
↓
治療への反応を確認する
↓
再発予防を考える
という流れが重要です。
そして、エキゾチックアニマルでは犬猫の常識をそのまま当てはめるのではなく、その動物種の生理、飼育環境、栄養、温度・湿度などまで含めて考える必要があります。
当院は豊田市で、小型犬・猫からウサギ、フェレット、鳥類、爬虫類などのエキゾチックアニマルまで、幅広い動物の診療を行っています。(アロハオハナ動物病院 – かもがわ公園小動物クリニック)
「まだ病院に行くほどではないかな」と思うような小さな変化でも、皮膚病では早期に原因を確認することが大切です。
皮膚の赤み、かゆみ、脱毛、フケ、ベタつき、臭い、耳のトラブルなど、気になる症状がありましたら、アロハオハナ動物病院までご相談ください。
診療後もLINEを活用して飼い主さまと一緒に経過を確認しながら、その子に合った皮膚の健康管理を考えていきます。(アロハオハナ動物病院 – かもがわ公園小動物クリニック)
参考文献・エビデンス
- Miller J, Simpson A, Bloom P, et al. 2023 AAHA Management of Allergic Skin Diseases in Dogs and Cats Guidelines. Journal of the American Animal Hospital Association. 2023;59(6):255-284. DOI: 10.5326/JAAHA-MS-7396. (PubMed)
- American Animal Hospital Association. 2023 AAHA Management of Allergic Skin Diseases in Dogs and Cats Guidelines. (AAHA)
- アロハオハナ動物病院「シャンプーで治らない!?梅雨〜夏に急増する『犬のカビ皮膚炎(マラセチア性皮膚炎)』とは」. (アロハオハナ動物病院 – かもがわ公園小動物クリニック)
- アロハオハナ動物病院「小型犬の皮膚病・かゆみは放置NG!自宅チェック方法と受診の目安」. (アロハオハナ動物病院 – かもがわ公園小動物クリニック)
- アロハオハナ動物病院「当院について」および公式サイト掲載の診療案内. (アロハオハナ動物病院 – かもがわ公園小動物クリニック)
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