「認知症の行方不明者、亡くなっていた場所とは?~人と犬、共通する早期発見の大切さ~」

高齢犬の診療:シニアクリニック

最近の警察庁の報告からわかること

高齢化が進むなか、人の認知症による行方不明者数は年々増加傾向にあります。警察庁の2024年の調査によれば、認知症が関係する行方不明者は年間1万8千人以上にのぼり、その多くが約1週間以内に発見されているものの、491人が死亡という残念な結果となっています。

特に注目すべきは、死亡者の約8割が「行方不明となった場所から半径5km以内」で見つかっていること。中でも、河川敷・用水路・山林など、人の目が届きにくい場所での発見が多く、早期の捜索体制の重要性が再確認されています。


テクノロジーを活かした捜索が鍵に

こうした背景から、警察庁ではGPS端末やドローンを活用した捜索の重要性を強調しています。すぐに居場所が特定できれば、命を守ることができる可能性が大きく上がるからです。

この教訓は、実はペットの世界にも共通する課題と言えるかもしれません。


犬にもある「認知症」――見逃されがちなサインとは?

高齢のワンちゃんに見られる「認知機能不全症候群(Canine Cognitive Dysfunction:CCD)」は、人のアルツハイマー病と類似した病態を持つとされ、12歳以上の犬のうち、30~50%程度に認知機能の低下が見られるという報告もあります(※米国老年獣医学会によるガイドラインより)。

犬の認知症によくある症状:

  • 同じ場所をぐるぐる回る
  • 夜鳴きが増える
  • 飼い主の顔を認識しにくくなる
  • 家の中で迷子になる
  • 昼夜の区別がつかなくなる(夜間徘徊)

これらの行動が見られた場合は、「老化現象だから仕方ない」と思い込まず、まずは動物病院に相談してください。認知症に似た症状を呈する病気(脳腫瘍や内分泌疾患など)も存在するため、適切な診断が必要です。


認知症の犬の安全管理も「事前の備え」が命を守る

人と同様に、犬も認知症が進行すると徘徊して迷子になってしまうケースがあります。対策としては、

  • 迷子札やマイクロチップの装着
  • GPS付き首輪の使用
  • 夜間や留守中の動線制限(ゲートなど)
  • なるべく刺激的で安心できる生活環境の維持

など、早め早めの対策が非常に重要です。


最後に:人も犬も、大切なのは「早期対応と見守り」

高齢化社会の中で、私たちは人と動物の両方に対する認知症への理解と備えを求められています。
大切な家族の命を守るために、日頃からの観察と準備、そしてテクノロジーの活用が、非常に大きな支えになるのではないでしょうか。

当院では、高齢動物の認知症に関するご相談も随時受け付けております。ちょっとした行動の変化が、実は早期発見のサインかもしれません。
マイクロチップの装着も随時受け付けております。
気になることがあれば、シニアクリニックまでどうぞお気軽にお声がけください。

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