小鳥の息が苦しそう
こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニックの院長です。
当院ではインコやブンチョウなどの鳥類の診療も豊富です。
「うちの子、今日は呼吸が速い気がする……」「肩で息をしているように見える」
そんなとき、鳥の呼吸器疾患が隠れているかもしれません。
本日は、鳥の呼吸器病についての原因、症状、そして当院での対応についてご紹介します。
大切な鳥さんの健康を守るため、ぜひ最後までお読みください。

鳥の呼吸器って、どんな仕組み?
まずは簡単に鳥の呼吸の解剖生理学的特徴をご紹介します。
鳥は哺乳類と違い、肺のほかに“気嚢(きのう)”という空気の袋を体内にいくつも持っています。この気嚢のおかげで、鳥は空気を効率よく流すことができ、高い代謝に対応しています。
しかしこの複雑な構造が、感染や異物、炎症に対してとても繊細でもあるのです。
呼吸器疾患の主な原因とは?
鳥の呼吸器病には、以下のような原因が考えられます:
1. 細菌感染
代表例:Chlamydia psittaci(オウム病)、Mycoplasma spp.、E. coli など
汚れたケージ、換気不足、他の鳥からの感染などが原因になります。
2. 真菌感染
代表例:Aspergillus fumigatus(アスペルギルス症)
空気中のカビが原因で、とくに免疫力の落ちた鳥や、通気性の悪い環境にいる鳥に発生しやすいです。
3. ウイルス感染
代表例:PBFD(オウム嘴羽毛病)ウイルス、ポリオーマウイルス など
免疫抑制や羽毛異常に加え、二次的な呼吸器感染を引き起こすこともあります。
4. 寄生虫感染
代表例:気管開嘴虫やハナダニ(気嚢ダニ)など
カナリアやフィンチでは、気道に寄生し、異常な呼吸音や声の変化を起こします。
5. 物理的な問題
・気道内の異物(種子や砂)
・腫瘍による圧迫
・卵塞(特にメスの小型鳥でよく見られます)
6. 環境要因
・タバコの煙、芳香剤、キッチンの煙など
・乾燥しすぎた空気や換気不良

鳥の呼吸器病で見られる症状とは?
以下のような症状が見られたら、すぐに動物病院へご相談ください。
- 息が速い・浅い(開口呼吸、肩で息をしているように見える)
- 声が変わった、鳴かない、異常な音
- 鼻水・くしゃみ
- 結膜(目の周り)や顔が腫れる
- 尾羽が呼吸に合わせて上下に揺れる(尾羽呼吸;テイルボビング)
- 開口呼吸をしている
- 頭部を振ったり、ひっかいたりする
- 羽を膨らませて(膨羽)じっとしている(元気消失)
- 食欲不振、体重減少
⚠️鳥は具合が悪くてもそれを隠す習性があるため、症状が現れたときにはすでにかなり進行しているケースも少なくありません。

動物病院ではどうやって診断・治療するの?
当院では以下のようなステップで診療を行なっています:
1. 視診・聴診・触診
まずは触らずに酸素室に入れながら、全身状態を把握し、呼吸音や粘膜の色を確認します。
2. レントゲン検査
肺や気嚢、腹腔内の臓器を確認し、感染・腫瘍・卵塞・異物の有無を調べます。
3. 血液検査
感染の有無、炎症の程度、臓器のダメージを評価します。ただし、緊急時にはハイリスクです。
4. 培養検査やDNA検査
鼻水や糞便、喉のスワブから病原体(クラミジアなど)を特定できることもあります。

治療と予後について
治療内容は原因によって異なります:
- 細菌感染:抗生物質の投与(注射または経口)
- 真菌感染:抗真菌薬の長期投与(例:イトラコナゾールなど)
- 寄生虫感染:駆虫薬の投与
- 環境改善:換気の強化、加湿、刺激物の排除
- 重症例:酸素室管理や強制給餌、点滴などの集中治療
● 予後(治りやすさ)
- 軽度の細菌感染なら予後良好ですが、
- アスペルギルス症やクラミジア感染は長期管理が必要なことも。
- 発見が遅れると呼吸不全で命に関わることもあります。
飼い主さまにできる予防のポイント
- 鳥かごのこまめな掃除(フン受け、止まり木、給餌器など)
- 部屋の換気と適切な湿度管理(40~60%)
- タバコ・アロマ・調理中の煙は鳥のいる空間では使用しない
- 異変があればすぐに動物病院へ相談する習慣

呼吸は命のサイン。早期発見・早期治療がカギ!
鳥は非常に繊細な生き物で、少しの環境変化でも体調を崩してしまうことがあります。
呼吸器の異常は命に関わる重大なサインでもあるため、日頃から観察し、異変にすぐ気づけるようにしてあげましょう。
当院では、鳥類の診療に経験を積んだ獣医師が在籍し、酸素室やレントゲン設備、DNA検査の導入など、専門的な診療を提供しています。
どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。

愛知のヘソ豊田市周辺の岡崎市、日進市、安城・刈谷市にお住いの小鳥の飼い主さまへ、
当院の獣医師はエキゾチックペット、猫、小型犬などの広範な動物種に対する専門的な知識と豊富な経験を有しております。どんなペットにも信頼できるケアを提供いたします。
つまり、あらゆるペットに対応する総合的な診療を行なうことができます。
どんなお悩みもお気軽にご相談ください。多岐にわたるペットの医療に精通した獣医師が、どのペットにも最適な治療を提供いたします。
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