
最終更新日:2026年4月6日
犬の涙やけ・目やに・口臭の原因と正しいフェイスケア方法|歯周病や皮膚炎の見分け方と受診の目安まで獣医師が解説
アロハオハナ動物病院によるこの解説は、愛犬の健康を守るための日常的なフェイスケアの重要性を説いています。目やに、涙やけ、口臭といった顔周りの変化は、単なる汚れではなく病気の初期サインである可能性が高いため、飼い主さまによる観察と早期受診が推奨されています。記事内では、白内障と加齢による変化の区別や、耳のトラブルを防ぐための正しいイヤーケアの方法についても専門的な視点から詳しく紹介されています。さらに、家庭でのケアをスムーズに行うためには、幼少期から顔周りを触られることに慣れさせるしつけが不可欠であると強調しています。最終的に、顔の清潔を保つことは予防医療の一環であり、愛犬の生活の質を維持するために欠かせない習慣であると結論付けています。
こんにちは、アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニックの院長です。
フェイスケア中に見つかる異常は「病気の初期サイン」です
日常のフェイスケアは、単なる清潔維持ではなく、疾患の早期発見ツールです。
欧米の小動物臨床では、顔周囲の異常は以下の疾患と強く関連するとされています。
よく見つかる異常と考えられる疾患
- 目やにが増えた
→ 結膜炎、角膜炎、涙管閉塞 - 涙やけが急に悪化した
→ 鼻涙管閉塞、歯周病 - 口周りが臭う
→ 歯周病(特に小型犬で高頻度) - 顔を頻繁にこする
→ アレルギー性皮膚炎、外耳炎、眼疾患 - 皮膚が赤い・ベタつく
→ マラセチア皮膚炎、細菌性皮膚炎
👉 特に重要なのは
「涙やけ+口臭」=歯周病の可能性です。
これはアメリカの小動物歯科領域でも強く指摘されており、顔の症状と口腔疾患は連動していると考えるのが基本です。

白内障と核硬化症:正しい診断のために動物病院で
白内障になると眼が白く見えるようになります。白内障は原因などにより分類されているのですが、老齢性白内障は7歳ころから認められることが多いですね。ただし、ちょうどその頃から同じように水晶体が白く濁ってくる核硬化症という、病気ではなく、老化現象も始まるので、これを白内障だといって
ご来院されるかたもいらっしゃいます。この区別は動物病院で診察を受けるべきでしょう。
また、白内障でも、若くして始まるものも、傷が原因だったり、糖尿病が原因で起き たりするものもありますので、必ずしも高齢に限った病気ではありません。
獣医師からのお願い:眼の健康を保つためのしつけと観察
まず獣医師からお願いしたいのは、小さいうちから、眼の周りを触っても嫌がらないように、しっかりしつけをしておいてほしいということにつきます。 検査を嫌がったりすれば、診断できません。点眼を嫌がれば、治る病気も治らないということになります。そのうえで、眼の輝き、白目の充血、眼をショボショボしていないか、眼やになどについて、 お顔をみるたびに、観察してあげましょう。
出目金の子の眼のケア:注意すべきポイント
眼が大きくて出目金の子は、どんなことに気をつければいいでしょうか?
眼の周りに毛が多 い場合は、それが眼に入って、傷つけることもありますので、定期的にカットに出したり、まとめて結わいたりというケアが必要でしょう。意外とまばたきすること自体にも苦労があるようなので、ときどき眼を閉じた状態で、軽くマッサージをしてあげると いいでしょう。涙には水っぽい成分と油っぽい成分があります。 水と油の関係で 、油の成分が水の上に油 膜を張 ることで、水分が 蒸発しにくくしているようです。マッサージすることで、この油の成分の分泌を促すことが期待されます。ただし、眼を強く圧迫すると、神経を介して心臓にも影響を与えてしまう恐れがありますので、 注意してくださいね。

涙焼けケアについて:飼い主さまの大切な役割
また、出目金タイプは、涙が多く出て、涙焼けに苦労している飼い主さんも多いはず?しょっちゅう涙をティッシュで拭いているけど・・・でもお陰で涙焼け知らずで、綺麗なお顔ね~と褒められますという飼い主さまもいらっしますね。とてもいいことだと思います。すばらしい 飼い主さんですよね。シーズーやトイプードルなど涙焼けの多い種類で、目の周りがきれいなのはひとえに飼い主さまのケアの賜物です!いろいろな成分の入いった専用のコットンも市販されていますね。あまり気合を入れてゴシゴシやらないほうがいいみたいです。病的な場合は、目頭にある、涙を回収するところ、涙点というんですが、それを移動させるような手術もあります。でも、その前に涙が多く出る原因を調べることになります。

タレ耳のワンちゃん:正しいイヤーケアのポイントについて
タレ耳のワンちゃんは、イヤークリーニングを怠ると病気になることが多いです。もっとも多く見られるのが、マラセチアという酵母菌の仲間が増殖して起こる、外耳炎ではないでしょうか。真っ赤になって、異様な臭いが立ち込めるようになります。ひどくなれば、耳の皮膚が石畳みたいになって、それがどんどん厚みを増していきます。でも最近気になるのは、熱心な飼い主さまにかぎって、とことんきれいにしようと、綿棒でゴシゴシやって、それがきっかけで、バイキンが入って炎症を起こすなんていうこともあります。
健康な耳のクリーニングは動物病院で処方される洗浄液を入れて、耳の根本を軽くくちゅくちゅやって、頭を振らせて、出てきた汚れを拭きとる。これがイチバンだと思います。ただし、炎症がある場合には、鼓膜が破れていることもありますので、まず動物病院で診察を受けてからです。イヤークリーニングも耳を触れない場合には、できませんから、これも飼い主さまの日頃のしつけが大切ということになります。
アトピーの症状が唯一耳に出ることもあります。アトピーは全身の問題ですので、全身のススキンケアキンケアという視点も、イヤーケアには必要ですね。

自宅ケアで様子を見てよいケース/すぐ受診すべきケース
経過観察可能(軽度)
- 透明な目やにが少量
- 軽い涙やけ(慢性的・変化なし)
- 一時的な汚れ
→ 正しいフェイスケアで改善することが多い
受診を強く推奨
以下のいずれかがあれば自己判断は危険です。
- 黄色・緑色の目やに
- 目をしょぼつかせる、開けにくそう
- 涙やけが急激に悪化
- 顔を床にこすりつける行動
- 口臭が強い
- 顔の左右差(腫れ・歪み)
👉 この段階では、単なる汚れではなく「炎症または感染」が起きていると考えられます。

フェイスケアだけでは改善しない理由
飼い主さまがよく誤解される点ですが、
「汚れているから拭く」のではなく、「病気があるから汚れる」ケースが非常に多いです。
例:
- 涙やけ → 涙の排出異常(構造的問題)
- 口臭 → 歯石・歯周病
- 皮膚のベタつき → マラセチア増殖
つまり、表面だけケアしても再発します。
動物病院で行うフェイスケア関連検査
当院で行う代表的な評価は以下です:
- フルオレセイン染色(角膜の傷の確認)
- シルマーティアテスト(涙量測定)
- 鼻涙管洗浄
- 歯科検査(歯周ポケット評価)
- 皮膚スタンプ検査(細菌・真菌)
👉 特に重要なのは、「目・口・皮膚をセットで評価すること」です
フェイスケアは「予防医療」の一部です
欧米の予防獣医学では、フェイスケアは以下の位置づけです:
- 歯磨きと同等の重要性
- 皮膚疾患の早期発見ツール
- 高齢犬のQOL維持に直結

犬のフェイスケアQ&A
Q1:犬のフェイスケアは毎日必要ですか?
A:はい。目やに・涙・皮脂は毎日分泌されるため、軽いケアは毎日行うのが理想です。特に小型犬や短頭種は汚れやすく、毎日のケアが推奨されます。
Q2:犬の涙やけは自然に治りますか?
A:軽度であれば改善することもありますが、多くは原因(鼻涙管閉塞・歯周病など)があるため自然治癒しにくいです。長期間続く場合は受診が必要です。
Q3:犬の目やにはどこまでが正常ですか?
A:透明〜白色で少量であれば正常範囲です。黄色・緑色、量が多い場合は細菌感染や炎症の可能性があり、受診を推奨します。
Q4:犬の涙やけの原因は何ですか?
A:主な原因は以下です。
・鼻涙管の詰まり
・歯周病
・アレルギー
・眼の炎症
単なる汚れではなく、体の異常が関与していることが多いです。
Q5:犬の口臭はフェイスケアで改善しますか?
A:一時的には軽減しますが、根本原因が歯周病である場合は改善しません。強い口臭がある場合は歯科検査が必要です。
Q6:犬が顔をこするのはなぜですか?
A:以下の原因が考えられます。
・目の違和感(角膜炎など)
・アレルギー性皮膚炎
・外耳炎
・口腔内の痛み
頻繁に行う場合は受診が必要です。
Q7:犬のフェイスケアで使ってはいけないものはありますか?
A:アルコールや刺激の強いウェットティッシュは避けてください。眼や皮膚に炎症を起こすリスクがあります。基本はぬるま湯や専用製品を使用します。
Q8:涙やけは拭くだけで改善しますか?
A:いいえ。拭くことで清潔は保てますが、原因が解決されない限り再発します。改善しない場合は基礎疾患の検査が必要です。
Q9:犬の顔が臭うのは病気ですか?
A:はい、可能性があります。特に口臭・皮膚の臭いは歯周病や皮膚感染症のサインであることが多く、早期の診察が重要です。
Q10:犬のフェイスケアで病院に行くべきタイミングは?
A:以下の場合は早めの受診を推奨します。
・色のついた目やに(黄色・緑色)
・涙やけの急激な悪化
・強い口臭
・顔をこすり続ける
・目を開けにくそうにする

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