~小さな身体のSOSを見逃さないために~
こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。
当院では小型犬、猫だけでなく、エキゾチックアニマル診療科ではフクロモモンガなどのエキゾチックアニマルの診療にも力を入れています。

今回は、**フクロモモンガの「下痢」**について、意外と見落とされやすい「寄生虫感染」の可能性に触れてみたいと思います。
■ 「いつもより柔らかい便」がサインかも
フクロモモンガはストレスや食餌の変化でもすぐにお腹を壊してしまう、とても繊細な動物でもあります。
でも、なかなか改善しない下痢や、体重減少、元気消失が見られる場合、もしかしたら体の中に“寄生虫”が潜んでいる可能性もあります。
フクロモモンガの成体では、下痢は全体数からすると割合は少ない方です。しかし、幼体では比較的下痢は多いです。
食べているものによっても、便の状態は異なりますので、普段から気を付けて、便を観察する習慣をつけましょう。

■ どんな寄生虫がいるの?
当院の経験や海外の専門獣医師の報告によると、フクロモモンガに感染する主な寄生虫には以下のようなものがあります:
● ジアルジア(Giardia)などの鞭毛虫
原虫という、顕微鏡でないと見えない小さな寄生虫。便がネバネバしていたり、悪臭があるときに疑われます。当院の検便で検出された鞭毛虫の動画はこちら。
● コクシジウム(Coccidia)
若い個体で見られやすく、食欲が落ちたり、脱水を起こすことも。
● クリプトスポリジウム(Cryptosporidium)
やや重度の下痢を引き起こすこともあり、とくに複数飼育時は注意が必要。顕微鏡で探すことは非常に困難です。
これらは、肉眼では見えないので、顕微鏡による糞便検査を頻繁にすることによって検出します。

■ 治療はできるの?
はい、きちんとした診断とお薬による治療で改善が期待できます。処方させていただいたお薬の与え方はこちらもご覧ください。
ただし、フクロモモンガは体がとても小さいため、薬の量や種類に細心の注意が必要です。自己判断で市販薬などを使ったり、処方薬の量や頻度を調整することは絶対に避けましょう。
■ どうやって防げばいい?
✔ 新しくお迎えした個体は、すぐに健康チェックと検便を受けましょう
✔ ケージの掃除や水の交換は毎日行なう
✔ 他の個体と同居させる場合は、検疫期間を数カ月設けるのが安心です

■ 下痢が続くときは早めの診察を
下痢は、放っておくと栄養がうまく吸収されず、衰弱につながることもあります。
とくに、寄生虫以外が原因となっている場合には、診断に苦慮します。「たかが下痢」と思わずに、症状が続くときや、元気・体重に変化があるときは、ぜひ早めにご相談ください。
成体でも下痢をすると、下の写真のように自咬症につながります。
下痢で汚れている部分を気にして、咬んで傷つけて、さらに腸までも齧ってしまいます。このようにフクロモモンガでは自傷行為も頻繁に見られますので、要注意です!たかが下痢と侮らずに、できるだけ早めに受診してください。
下痢の原因は、上記にご紹介した寄生虫性のものだけではなく、食べ過ぎや、いつもと違うものを食べた、不適切なものの摂取、中毒になるような食べてはいけないものを食べたというような食餌によるものと、寄生虫を含めた感染症のなかには、ウイルスなどの未知の病原体も考えられます。人の赤ちゃんでワクチン接種が勧められている「ロタウイルス」がフクロモモンガで下痢を起こすという報告もあります。

■ 当院ではフクロモモンガの診療経験が豊富です
当院では、フクロモモンガをはじめとする小型哺乳類の診療に多数の実績があります。
専門的な糞便検査や薬剤選択も行なっておりますので、安心してご来院ください。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせくださいね。
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つまり、あらゆるペットに対応する総合的な診療を行なうことができます。
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