フクロモモンガの病気とその原因、治療方法について

診察中のフクロモモンガ

こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。今回はフクロモモンガの一般的な病気についてお話しさせていただきますね。

1. 栄養不良

フクロモモンガは特定の栄養素が不足すると、さまざまな健康問題が発生します。特にカルシウムとビタミンDの不足が骨の健康に深刻な影響を与えます。しかし、これだけではなく、根本的にどんな栄養素がどれくらい必要なのかははっきり分かっていません。

原因: 不適切な食事管理。フクロモモンガは多様な食性を持つため、単一の食餌だけでは必要な栄養素をすべて摂取することが難しいと考えられます。

治療方法: 栄養補助食品の追加や、バランスの取れた食餌の提供。専門的な助言を受けることが重要です。

2. 肥満

フクロモモンガは活動量が少ないと肥満になりやすいです。肥満は心臓病や肝臓病、そして関節の問題を引き起こす可能性があります。

原因: 運動不足と過度な食餌の与え過ぎ。

治療方法: 適切な運動環境の提供と、食事量の管理。定期的な健康チェックも重要です。

3. 飼育環境によるストレス

不適切な飼育環境はフクロモモンガにストレスを与え、それがさまざまな健康問題を引き起こすことがあります。日頃から、行動、外観、便、尿、食餌の消費量などの観察がとてもとてもとても重要です。
便は食べているものによって、色、堅さ、臭いなどが異なります。

フクロモモンガ便

下の写真では口の周りが汚れているのがお分かりでしょうか?基本的には、汚れっぱなしということはなく、必ずきれいなものです。この子は、元気がなくて口の周りに気を遣えなくなっている、口の中に何かできていたり、歯に問題があったり、あるいは気持ち悪くて吐いているのかもしれません。

原因: 不十分なケージサイズ、温度管理の不備、適切な隠れ場所の不足。

治療方法: 環境を改善し、フクロモモンガが自然な行動を取れるようにします。例えば、ケージを広げ、適切な温度と湿度を維持し、隠れ場所を提供することだけではなく、ケージから出して、安全な部屋の中で飼い主さまと滑空を含めた運動をすることが大切です。

4. 寄生虫感染

内外寄生虫の感染はフクロモモンガにとって問題になることがあります。しかし、病気の中でも、検査もできて治療もできる可能性の高いものの1つです。寄生虫がいるかどうか定期的な健康診断を受けてください。検査で見つかれば、感染していることを証明できるのですが、見つからないことは、感染していないという証明にはならないということを理解しておくことが大切です。

原因: 不衛生な環境や他の動物からの感染。屋外で捕まえた虫などの捕食によって寄生虫感染が起こるかもしれません。

治療方法: 定期的な検査および駆虫薬の使用と清潔な飼育環境の維持。獣医師の指導の下で治療を行なうことが重要です。

5.外傷

ケージ内外での事故、同居個体とのトラブルなど、フクロモモンガにとって外傷が問題になることがあります。しかし、その原因が分かっていれば、対処できる問題でもあります。厄介なのは、傷を気にして、なめたりたり噛んだりして、ひどいと噛みちぎってしまうことがあることです。これを自咬症といいます。

原因: 不適切な環境や他の動物からの攻撃。

治療方法: 内科的に消炎鎮痛剤や抗生物質を内服したり、外科的に傷んだ部分を切除したりすることがあります。さらに自咬症にならないように、エリザベスカラーを装着しなければならないこともあります。

非常に深刻な病気とその対応

1. 心臓病

フクロモモンガも心臓病を患うことがあります。これは一般的ではありませんが、放置すると命に関わることがあります。

症状: 呼吸困難、活動量の低下、食欲不振。症状が出るまでは分からないことが難点です。

治療方法: 専門的な診断と治療が必要です。投薬治療や、場合によっては外科的介入が行なわれることがあります。基本的にはご自宅での内服が中心になりますので、スキンシップや大好物を見つけておくなど、日頃から対策が必要です。

2. 感染症

細菌やウイルスによる感染症は、迅速な対応が求められます。しかし、検査方法がありませんので、生前診断をつけることは困難です。

症状: 発熱、体重減少、下痢、嘔吐など。

治療方法: 抗生物質や抗ウイルス薬の使用。早期発見と治療が重要です。

3. 腫瘍

腫瘍は特定の年齢以上のフクロモモンガに見られることがあります。

症状: 体の一部の腫れ、食欲不振、体重減少。

治療方法: 外科的な切除や化学療法。獣医師の綿密な監視が必要です。

飼育管理のポイント

食餌の管理

バランスの取れた食餌を提供するためには、専門的なフードに新鮮な果物などを組み合わせることが重要です。

運動と環境

フクロモモンガが自由に動き回れる環境を提供し、精神的にも満足できるように工夫すること(環境エンリッチメント)が必要です。

定期的な健康チェック

定期的に獣医師による健康チェックを受けることで、早期に問題を発見し、適切な対処が可能となります。

今回のお話はいかがでしたか?フクロモモンガの飼育は非常にやりがいがありますが、その反面、多くの注意が必要です。健康管理をしっかりと行ない、フクロモモンガが長く健康でいられるよう心がけましょう。


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