フクロモモンガ;ワーム、フルーツそして布

フクロモモンガのペア

フクロモモンガの安全で健康な飼育ガイドについて

こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。今回はフクロモモンガの飼育に関してとくに気になっていることをお話ししたいと思います。

フクロモモンガは、日本でもっとも人気のある小型の有袋類です。しかし、適切な飼育と環境エンリッチメントが求められるため、飼い主さまには特別な配慮が必要です。フクロモモンガの健康と安全を保つための基本的な飼育管理について、以下に詳しく説明します。

1. 環境設定とケージ

フクロモモンガは活発な動物であり、広いケージと適切な環境が求められます。

  • ケージのサイズ:幅60cm×奥行45cm×高さ90cm以上のケージを推奨します。高さのあるケージは、フクロモモンガのジャンプや登る行動を促し、運動不足防止に貢献します。
  • 素材の選択:ケージ内での事故防止のため、プラスチックや網目が細かい素材が理想的です。特に布製品には注意が必要で、布製のハンモックや巣箱はフクロモモンガの爪が絡まったり、手足に巻き付いたりするリスクがあるため、使用を避けるか、裏返して内部までも定期的にチェックするようにしましょう。毎日洗濯すると決めて強制的にやってもいいくらいだと思います。
  • フクロモモンガ足
  • 環境エンリッチメント:おもちゃや登るための枝、隠れる場所を用意することで、フクロモモンガーの自然な行動を引き出します。これには、安全なおもちゃや木製の枝(無農薬)が効果的です。

2. 食事管理

フクロモモンガの健康において食餌は非常に重要です。彼らの自然な食性に基づいた栄養バランスを保つことが、健康を維持する鍵です。

  • 昆虫の摂取:総合栄養食であるペレットをお勧めしていますが、完ぺきとはいえません。そこで、タンパク源として非常に重要なのが昆虫です。乾燥ミールワームよりも活きたミールワームを与えることで、探索(いろいろ工夫して隠した昆虫を探してもらいましょう)・捕食行動を通じた環境エンリッチメントが可能です。栄養を与えるというよりも、生活の質を高めるために与えるのが目的です。ただし、活きたミールワームを与える際は、適切に処理がされているものを選び、衛生面にも注意が必要です。そしてもう1つ注意があります。ミールワームは栄養バランスがとても悪く、とくにカルシウムが少ないので、これを主食にしてしまうと、うまく動けなくなり、ケイレンを起こしたりするようになります。
  • 果物:新鮮な果物も与えましょう。ドライフルーツは喉に詰まるリスクがあるだけでなく、糖分が高いため、フクロモモンガには向きません。代わりに、少量の新鮮な果物を与えるのが望ましいです。リンゴ、バナナ、マンゴーなどが適していますが、糖分を摂り過ぎない量に抑えることが大切です。
  • 果物ゼリー:フルーツゼリーやジュレはフクロモモンガが好む傾向にあり、薬を混ぜる際にも役立ちます。薬を投与する際は、少量のゼリーに少量ずつ混ぜて与えると、抵抗なく服用することが期待できます。日頃から、不定期に与えておいた方がいいと考えています。

3. 健康管理と事故予防

フクロモモンガは小さくデリケートな体を持ち、飼育環境によっては事故が起こりやすい動物です。

  • 布製品のリスク:布製のおもちゃやハンモック、寝床などは、爪や手足が引っかかりやすく、絡まることで怪我を引き起こす可能性があります。そのため、布製品は避けるか、絡まりにくい織り方の布や、日常的に糸のほつれの有無をチェックする習慣を持ちましょう。
  • 定期健康チェック:フクロモモンガの健康は見逃されがちなことが多いため、飼い主さまには少なくとも月に一度の健康チェックの日を設けることをお勧めします。体重測定や被毛、歯、目の状態を確認し、異常が見られた場合はすぐに受診するようにしてください。

4. 社会性と飼い主との関わり

フクロモモンガは群れで生活する習性があるため、複数で飼うことが望ましいです。飼い主さまとの絆を深めるためにも、日々の関わりが欠かせません。

  • 複数飼育の推奨:孤独になるとストレスが増加し、行動障害が起きることがあるため、最低でも2頭以上での飼育が理想です。
  • 触れ合いの時間:飼い主さまが毎日触れ合う時間を設けることで、フクロモモンガの社会性が育まれ、飼い主さまへの信頼関係が築かれます。毎日少なくとも1時間以上、遊ぶ時間を確保するのが望ましいです。

今回のお話はいかがでしたか。少しでも長く元気に暮らせるように、群れ家族の一員として、できることを実践していきましょう。


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豊田市 フクロモモンガ 飼育

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