こんにちは!アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。今回は、セキセイインコでよく見られる、慢性発情について、お話しさせていただきます。
小鳥を飼育する上で、きれいな色彩、可愛らしい仕草、そして鳴き声を楽しみにしている飼い主さまも多いことでしょう。しかし、特に女の子(雌個体)を飼っている場合、「慢性発情・産卵」という問題が発生することがあります。この記事では、慢性発情・産卵のリスクや対策について詳しく解説し、飼い主さまが愛鳥の健康を守るための方法をご紹介します。

慢性発情・産卵とは?
慢性発情・産卵とは、鳥が通常よりも頻繁に卵を産み続ける状態を指します。通常、野生の鳥は特定の繁殖期のみ産卵を行ないますが、人工的な飼育環境下ではその影響を受け、長期間にわたり発情・産卵を繰り返してしまうことがあります。
慢性発情・産卵が続くと、卵巣・卵管の障害、カルシウムやタンパク質の不足が引き起こされ、体調不良、卵詰まりや骨の脆弱化といった深刻な健康問題を招く可能性があります。

慢性発情・産卵のリスクと影響
1. 栄養不足と体力の消耗
卵を作るためには、多くの栄養素が必要です。特にカルシウムが不足すると、骨が弱くなったり、卵の殻が正常に形成されなくなります。また、産卵を続けることで体力を消耗し、ひいては免疫力の低下にもつながります。
2. 卵詰まり
カルシウム不足により、子宮の収縮が弱まり、卵がうまく排出できなくなることがあります。これを「卵詰まり」といい、命に関わります。
3. 行動の変化
巣作り行動が活発になり、攻撃的になったり、ペットとしての関係性に変化が現れることがあります。また、飼い主さまや玩具を「パートナー」と認識し、過度に依存することもあります。

慢性発情・産卵の原因
1. 環境の影響
- 日照時間が長い(長時間の照明)
- 鳥がペアを認識できる状況(他の鳥や鏡、玩具、人への依存)
- 高温や湿度が高い環境:水浴びは時間制限
- 栄養が豊富で繁殖に適した状態
2. 遺伝的要因
特にセキセイインコ、ラブバード、オカメインコなどの小型のインコ類では、遺伝的に慢性産卵をしやすい傾向があるとされています。

飼い主さまができる予防策
1. 発情の抑制
- 産んだ卵はしばらくそのままにする 鳥は卵を産み終えたと認識するまで、新しい卵を産もうとすることもあるようです。産んだ卵は傷まなければ数週間そのままにしておいてもいいと思います。割れやすい場合は、茹でるか冷凍して再利用することもできるようです。
- 暗くする時間を作る 日照時間が長いと、繁殖のスイッチが入りやすくなります。明るい時間は8~10時間くらいに制限するように、人工照明の管理を徹底しましょう。
- パートナーの存在を制限する 鏡やお気に入りの玩具、人間の手をパートナーと認識している場合は、それらを遠ざける、触らないことが有効です。
2. 環境の見直し
- 巣材を取り除く 紙や布などの巣材になりそうなものが直接身体に触れないようにしましょう。もちろん巣箱は要りません。
- 身体がフィットするような空間の撤去る 食器、水入れ、それらの隙間など、鳥の気持ちになって、フィットしそうなスペースを作らないようにしましょう
- ケージの配置を変える 住環境を変え、軽くストレスをかけることで、繁殖行動が抑えられる場合があります。
3. 栄養管理
- カルシウムをしっかり摂取 ゆで卵の殻や、カルシウムサプリメント、濃い緑色の葉野菜を与えることで、カルシウムを補給します。
- バランスの良い食餌を ペレット主体の食餌に移行し、ミックスシードなどの偏った食餌を避けることが重要です。

慢性発情・産卵の治療方法
1. 獣医師による診察と治療
上記のような、慢性発情・産卵による健康リスクが高い場合、症状がなくても獣医師による診察を受けることをお勧めします。
2. ホルモン療法
ホルモン治療により、一時的に産卵を抑えることができますが、副作用に対する十分な理解が必要です。
3. 外科手術
重度のケースでは、卵管や子宮の摘出手術が検討されることもあります。ただし、これはリスクが非常に高いため、慎重に判断する必要があります。

まとめ:小鳥の健康を守るために
慢性産卵は、小鳥の健康に大きな負担をかける問題ですが、飼い主様が適切な対策を取ることで予防や管理が可能です。環境の見直しや栄養管理を徹底し、必要に応じて獣医師の診察を受けることが大切です。
愛鳥が健康で長生きできるように、日々の飼育環境を見直してみましょう。

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