心の幅を広げると、動物との関係も変わる

猫の専門診療

〜不安との向き合い方と、やさしさの育て方〜

「あなたの笑顔が、ペットにとって一番のおくすりです。そして、あなた自身にも」

アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。

いつも当院をご利用いただき、誠にありがとうございます。

今日も、中島先生のメールマガジンを元に、自己肯定感についてお話しさせていただきます。

中島先生の『自己肯定感の教科書』はこちら

日々、動物たちと接する中で感じるのは、飼い主さまの心の状態が、そのまま動物との関係性に反映されるということです。

病気の発見が早い方、治療に前向きに取り組める方、そして動物の小さな変化に気づける方には、ある共通点があります。
それは「自分の心に素直であること」です。

◆ 自分を受け入れると、動物にもやさしくなれる

「こんなことで不安になるなんて…」
「もっとしっかりしなきゃ…」

そんなふうに、自分の感情を否定してしまう方が少なくありません。でも、動物が具合が悪いときに不安になるのは、当たり前のことです。まずは、不安な自分をそのまま受け止めてあげることが大切です。

自分を受け入れることができると、他者――つまり動物にも、より深くやさしく接することができるようになります。

◆ 不安や悩みは「共有」することで軽くなる

悩みは、心の中で抱え込むほど、重く、複雑に感じるものです。でも、誰かに話したり、他の人の悩みに触れたりすることで、驚くほど楽になることがあります。

今はなかなか人と会って話す機会が限られていますが、ネット検索を通じて他の飼い主さんの悩みに触れるのもひとつの方法です。

たとえば、「老犬 夜鳴き 不安」や「うさぎ 急に食べない」など、検索してみると、たくさんの声が見つかります。そうした声を通じて、「自分だけじゃない」と思えることは、心を軽くする助けになります。

◆ 「苦手」にも関心を持つと、心の振れ幅が広がる

人は誰しも、得意なものや好きなタイプがある一方で、「苦手」なものや「敬遠したい」存在もあるものです。たとえば、大型犬が苦手な飼い主さん、小動物に慣れていないスタッフなど。

でも、あえてそういう存在に関心を向けてみることが、心の幅を大きく広げるきっかけになります。苦手な動物種について学んでみたり、難しい飼い主さまと誠実に向き合ってみたりすると、そこで新しい発見があることも少なくありません。

◆ 自己肯定感と、動物との絆

自分の心のゆらぎに気づき、受け入れる。
他者の悩みにも目を向けてみる。
そして、苦手なものにも一歩踏み出してみる。

これらはすべて、「心の振れ幅を広げる」行動です。そして、その振れ幅が広がれば広がるほど、動物たちとの関係も、より温かく、深くなっていくと思います。

楽しそうに動物と関わっている飼い主さまには、ご自身のことも、他人のことも大切にしている方が多いと感じます。その心のバランスこそが、自己肯定感を育て、動物との絆を深める鍵になるのです。


心の幅を広げることは、動物へのやさしさにつながる第一歩です。
不安を無理に打ち消すのではなく、自分の気持ちを受け入れて、他の人の経験や思いにも耳を傾けてみましょう。
きっと、あなたとあなたのペットとの関係にも新しい風が吹くはずです。


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