爬虫類からの感染症リスク|サルモネラと安全な飼い方を獣医師が解説

カメを洗面所で洗う様子

トカゲやカメからのサルモネラ感染は他人事じゃない。正しい知識で家庭内感染を防ごう。


🦎【要注意】爬虫類と暮らす皆さまへ ~家族を守る衛生管理のススメ~

皆さまの中には、カメやトカゲ、ヘビなどの魅力的な爬虫類と暮らしている方も多いと思います。小さな恐竜のような見た目や、独特の仕草はまさに太古のロマンを感じさせます。また、癒しを感じる方もいらっしゃることでしょう。しかし、その美しい鱗の裏には、人に感染する病原体を持つ可能性があることをご存知でしょうか?


🧫 爬虫類は「サルモネラ菌」をはじめとする病原体の宿主

爬虫類は、サルモネラ、カンピロバクター、結核菌、真菌、原虫、寄生虫などの人獣共通感染症を引き起こす病原体を無症状で持っていることが多く、とくに問題となるのがサルモネラ症です。

アメリカでは、1975年に「子供のサルモネラ感染流行」を受けて、甲羅の長さ4インチ未満(約10cm)のカメの販売が禁止されました。現在でも、子どもや高齢者、免疫力が低下している方(例:がん治療中、糖尿病、移植手術後など)にとって、爬虫類は感染源になり得ることが国際的に強く警告されています。


🧒👵 特に注意が必要な方々

以下のようなご家族がいらっしゃる場合は、飼育環境の衛生管理を徹底することが必要です。

  • 5歳未満の乳幼児
  • 高齢者
  • 免疫が低下している方(入院中、抗がん剤治療中、臓器移植後、糖尿病など)
  • 妊婦

これらの方々は、爬虫類に直接触れていなくても、ケージや衣類、バスタブ、手指などを介して間接的に感染する可能性があるため、日常的な注意が重要です。


🧼 衛生的な飼育のための12の心得

  1. 触った後は必ず手洗い(できればヨード系石鹸使用)
  2. ケージ清掃や水の交換時は手袋・マスク・防水エプロンの着用
  3. 飼育作業中の飲食・喫煙は禁止
  4. キッチンや洗面所では飼育・清掃をしない
  5. 浴槽や洗面台での水浴びや器具洗浄は禁止
  6. 飼育器具や水皿は専用の場所で洗浄
  7. ケージや用具は定期的に消毒
  8. 他のペットと接触させない
  9. 子どもが触るときは常に大人が監視し、最小限に
  10. 爬虫類にキスしない
  11. 噛まれたり引っかかれたりしたら即座に石鹸と温水で洗浄し、医療機関を受診
  12. 定期的に動物病院で健康チェックを受ける

🏥 当院でできること

当院では、爬虫類の健康診断や糞便検査を通じて、人と動物の双方の健康を守るためのご相談を受け付けております。感染リスクを抑えるには、「菌を持っているかどうかを知る」のではなく、常に持っている前提で対応することが推奨されています。


📝 最後に

爬虫類は正しい知識と衛生管理があれば、素晴らしい伴侶動物です。大切なご家族を守るために、ほんの少しの注意と習慣を日常に取り入れてみてください。

ご不安な点や飼育方法のご相談があれば、どうぞお気軽に当院までご相談ください。


愛知のヘソ豊田市周辺の岡崎市、日進市、安城・刈谷市にお住いの爬虫類の飼い主さまへ

当院の獣医師はエキゾチックペット、猫、小型犬などの広範な動物種に対する専門的な知識と豊富な経験を有しております。どんなペットにも信頼できるケアを提供いたします。
つまり、あらゆるペットに対応する総合的な診療を行なうことができます。
どんなお悩みもお気軽にご相談ください。多岐にわたるペットの医療に精通した獣医師が、どのペットにも最適な治療を提供いたします。注文は多いけど日本一面倒をよく見てくれる爬虫類動物病院を目指しています。

当院へのご連絡はこちらからが便利です

かもがわ公園小動物クリニックは愛知県豊田市役所高橋出張所前のかもがわ公園の近くにございます。

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