最終更新日:2026年3月23日
爬虫類の検便についてのお話

アロハオハナ動物病院によるこの解説文は、爬虫類の健康管理における検便の重要性と、その具体的な実施手順を説明しています。爬虫類は外見が健康に見えても寄生虫を保有していることが多く、特に飼育開始時には検査が欠かせません。適切な検査を行うためには、できるだけ新鮮な便を採取し、尿酸や床材が混入しないよう注意してチャック付き袋で保管する必要があります。飼い主さまは排泄物の状態を事前に写真や動画で記録し、LINEを通じて病院と連携することで、より正確な診断とスムーズな受診が可能になります。放置すると食欲低下や突然死を招く恐れがあるため、定期的なチェックが推奨されています。
アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。
【結論】爬虫類の検便は飼い始めが必須です
爬虫類は無症状でも寄生虫がいることが多く、定期的な検便が健康維持に不可欠です。
👉 特に新規導入時の検便は絶対に外せません

なぜ爬虫類に検便が必要なのか
無症状でも寄生虫を持っていることが多い!
欧米のエキゾチック臨床では、以下が一般的に知られています:
- 一見健康そうでも寄生虫を保有
- ストレスで急激に悪化
- 環境変化で爆発的に増殖
- 狭いケージ内で濃厚感染
よく見つかる寄生虫
- 蟯虫(Oxyurids):軽度では無症状
- コクシジウム:若齢個体で重症化
- 鞭毛虫:増殖しすぎると慢性的な下痢の原因
👉 放置すると「急に食べなくなる」「体重減少」につながります
検便をしないとどうなるか
- 慢性的な食欲低下
- 成長不良
- 下痢・脱水
- 突然死(特に幼体)
👉 「元気そうだから大丈夫」が最も危険です
💩検便の手順💩
陸棲爬虫類の便は、①便そのもの、②白いクリーム状の尿酸、③液体の尿。この3要素で構成されています。

実際の検便の手順①~⑥をお話しします。
①排泄があったら、その場で、便のあるがままの写真を撮影してLINEで送ってください。採取する前に原形の形態をチェックするためです。
②白い尿酸が混ざると検便に支障が出ます。便の部分だけを1cmくらい採取してください。トイレ砂や床材、爬虫類では尿酸などの便以外の物は入らないようにしてください。この時に尿酸の硬さを必ずチェックしてLINEで教えてください。
下記はフトアゴヒゲトカゲの飼い主さまにご提供いただいた、尿酸の硬さチェックの動画です。こんな感じでLINEいただけると助かります。
③チャック付きビニール袋に入れてください。できるだけ新鮮な便の方が価値が高いです。
採取時間を記載するか、LINE送信時に教えてください。
予約日時に合わせて採取できるとGoodです。困難な場合には、何重かにして、食品と区別して、直前まで冷蔵庫に保存してください。

上の写真では、便と尿酸を分離せずに、ラップで挟んでお持ちいただいたものです。このようにせず、尿酸を捨ててから、ラップではなく、チャック付きビニール袋に入れてください。ラップだとどこが端か分からず便を取り出すのに時間がかかってしまいます。ご協力ください。

上記の写真のようにお持ちいただくと助かります。
④ご予約をしてください。再診の場合には、「再診予約」とラインを送っていただくと、再診問診票が自動送信されますので、ご回答ください。本人の体調が良ければ、便だけお持ちください。検便だけか、本人もお連れいただく予定かで 、予約枠が変わって来ますので、LINEでのご予約時に、どちらをご希望なのかお知らせください。初診の場合には、初診問診票をご記入いただいていると思いますので、その流れで、こちらの検便手順どおりお願いいたします。
⑤検便だけなら到着して検査結果が出るまで15分くらいかかります。車内待機でこちらからのLINEをお待ちいただくようお願いいたします。
⑥駆除すべき寄生虫がいれば、駆虫剤を処方させていただきます。
ご提示いただいたブログ記事の「検便の手順」に基づき、飼い主さまが準備・実施する際のチェック表を作成しました。
💡爬虫類の検便 準備・実施チェック表
1. 採取前の準備(LINE報告)
- [ ] 写真撮影と送信:排泄があったらすぐに、あるがままの状態で写真を撮り、LINEで送る(原形の確認のため)
- [ ] 尿酸のチェック:白い尿酸の硬さを確認し、LINEで伝える(動画を送るとより確実)
2. 便の採取と保管
- [ ] 採取する部位と量:便の部分だけを約1cm採取する
- [ ] 混入物の排除:尿酸、トイレ砂、床材などの「便以外のもの」が入らないようにする
- [ ] 容器の選択:ラップではなく、チャック付きビニール袋に入れる
- [ ] 時間の記録:採取時間を袋に記載するか、LINEで伝える
- [ ] 保管(すぐに来院できない場合):何重かに包んで食品と区別し、直前まで冷蔵庫で保存する
3. 予約と来院の準備
- [ ] 来院予約:LINEで予約を行う
- [ ] 検査内容の伝達:予約時に「検便のみ」か「本人(生体)も連れて行くか」を伝える
- [ ] 問診票の回答(再診の場合):LINEで「再診予約」と送り、自動送信される問診票に回答する
4. 当日の対応
- [ ] 車内待機:検便のみの場合、検査結果が出るまで(約15分)車内で待機し、病院からのLINE連絡を待つ
こちらも併せてご覧ください。→検便の重要性を徹底解説|ペットの寄生虫を見逃さないための必須検査

検便でよくある失敗
- 古いフンを持参
- 乾燥している
- 床材が混ざる
- 量が少なすぎる
👉 「検査したのに見逃す」原因になります
飼い主さまからよくあるご質問
Q. 症状がなくても検便は必要ですか?
はい。爬虫類は無症状キャリアが多いため、マストです。
Q. フンが出ない場合はどうすればいい?
出るまで待つのが基本ですが、食欲低下や便秘があれば診察が必要です。
Q. どれくらい保存できますか?
冷蔵で半日〜1日程度が目安です。新鮮なほど精度が高くなります。
しかし、やらないよりはやった方がいいです。
Q. 1回陰性なら安心ですか?
安心できません。寄生虫は排泄されないタイミングもあるため、複数回検査が必要です。
Q. 毎回検便する必要がありますか?
健康個体では飼育開始時だけで十分です。ただし症状があればその都度検査します。

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