こんにちは!アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。今回は、ワンちゃんが急にぐったりしてしまった場合の原因と対処法についてお話ししてみたいと思います。
いつも元気に走り回っているワンちゃんが突然ぐったりしてしまうと、飼い主さまとして非常に心配になることは間違いありません。ぐったりして元気がなくなる原因はさまざまですが、緊急を要する場合も少なくありません。今回は、犬が急にぐったりする主な原因とその対処法について詳しく解説します。
犬がぐったりする原因と対処法
犬が突然ぐったりしてしまう原因は、急性の病気や事故、体調不良が考えられます。以下にいくつかの代表的な原因を挙げ、それぞれの特徴を説明します。
a. 熱中症
原因: 熱中症は、とくに暑い季節や高温多湿の室内でよく見られる状態です。犬は人間のように効率よく汗をかいて体温を下げるということができないため、環境の温度が高いと体温が急激に上がることがあります。これにより、ぐったりとして動かなくなる場合があります。
症状: 犬が暑さでぐったりし、呼吸が荒くなり、舌が異常に赤く、唾液が過剰に出ている場合は、熱中症の可能性があります。また、嘔吐や下痢、けいれんを伴うこともあります。
対処法: 熱中症の疑いがある場合、まず涼しい場所に犬を移動させ、扇風機や冷たいタオルなどを使って体を冷やします。首や脇の下、内股の部分にタオルなどを巻いた冷却材を当てると効果的です。ただし、急激に冷やすとショック状態に陥る可能性があるため、徐々に冷やすことが重要です。そうしながらも、すぐに動物病院に連れていけるように予約をしてください。体温が41℃を超えると非常に危険な状態になるため、速やかな処置が必要です。
b. 低血糖症
原因: 低血糖症は、血糖値が急激に低下することで、エネルギー不足により犬がぐったりする状態です。とくに小型犬や子犬、糖尿病の犬に多く見られます。
症状: 犬が突然倒れたり、立てなくなったりすることがあり、場合によっては痙攣(けいれん)を起こすこともあります。飼い主さまは、犬がぐったりして動かない、意識がぼんやりしている、または痙攣が起きている場合には低血糖症を疑うべきです。
対処法: 低血糖症が疑われる場合、速やかに砂糖水やブドウ糖を与えることが推奨されます。これはあくまでもやむにやまれぬ応急処置であり、すぐに動物病院へ連れて行き、獣医師の診察を受ける必要があります。
c. 内部出血
原因: 内部出血は、外部には見えないものの、体内で出血が起こっているためにぐったりしてしまう状態です。交通事故や高いところからの落下、内臓の破裂(とくに脾臓や肝臓の腫瘍)などが原因で発生することがあります。
症状: 犬が急にぐったりしたり、立てなくなったり、呼吸が浅くなる場合は、内部出血を疑うべきです。また、歯茎が青白くなっていたり、心拍数が異常に速くなっている場合は、体内で大量の出血が起こっている可能性があります。
対処法: 内部出血が疑われる場合、早急に獣医師の診断が必要です。これは緊急事態であり、放置すると命に関わるため、すぐに動物病院に連れて行ってください。
d. 感染症
原因: 犬はウイルスや細菌による感染症にかかることがあります。パルボウイルス感染症やジステンパーなど、致死的な感染症もあり、早期の対応が重要です。
症状: 感染症の初期症状として、犬がぐったりして元気がなくなることがあります。発熱、食欲不振、嘔吐や下痢といった症状が見られる場合は、感染症の可能性を考慮しましょう。
対処法: 感染症の治療は、抗生物質や抗ウイルス薬などの薬物治療が必要です。ぐったりしているだけでなく、その他の症状がある場合には、すぐに動物病院へ連れて行き、診断を受けることが重要です。
e. 心臓疾患
原因: 心臓疾患は、犬が急にぐったりする原因の一つです。とくに年齢を重ねた犬や特定の犬種では、心臓病が原因で突然の虚弱や失神を引き起こすことがあります。
症状: 心臓疾患の場合、犬はぐったりするだけでなく、呼吸困難や咳、運動不耐性(疲れやすくなる)などの症状が見られます。また、歯茎が青白くなることもあります。
対処法: 犬が心臓疾患の兆候を示している場合、安静にさせた上で速やかに動物病院に連れて行きましょう。獣医師はX線検査や心電図を使用して心臓の状態を評価し、適切な治療を行ないます。
f. 毒物摂取
原因: 犬は好奇心が強く、口に入れてはいけないものを誤って食べてしまうことがあります。例えば、家庭用の化学薬品やチョコレート、ぶどう、玉ねぎなどは犬にとって毒性があります。
症状: 毒物を摂取した場合、犬はぐったりするだけでなく、嘔吐、下痢、けいれん、よだれが出る、異常な興奮状態になるなどの症状が見られます。
対処法: 犬が毒物を摂取した場合、すぐに動物病院に連れて行き、何をどれだけ食べたかを獣医師に伝えましょう。応急処置として吐かせることが推奨される場合もありますが、毒物の種類によっては吐かせることが危険な場合もあります。
g. 腸閉塞
原因: 腸閉塞は、犬が何か異物を飲み込んだ場合に起こることがあり、腸が物理的に詰まることで発生します。これにより食べ物や液体が腸を通過できなくなり、犬は急激に具合が悪くなります。
症状: 腸閉塞が起こると、犬はぐったりするだけでなく、嘔吐、腹痛、食欲不振、便が出ないといった症状が見られます。腹部を触ると痛がることが多いです。
対処法: 腸閉塞が疑われる場合、すぐに獣医師に診てもらう必要があります。X線検査や超音波検査で異物が確認された場合、外科手術が必要になることがあります。
今回の内容はいかがでしたか?ワンちゃんが急にぐったりした場合、飼い主さまは冷静に対処することが重要です。ここでご紹介した緊急時に取るべき基本的な対処法は、何よりも動物病院を受診する準備をしながらということを前提としてご活用ください。
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