犬の皮膚病と上手に付き合うための基礎知識🐶

犬皮膚病の診療が得意な動物病院はどこにある?

最終更新日:2025年11月19日

季節ごとのケア・代表的な病気・完治が難しい皮膚トラブルへの向き合い方をわかりやすく解説

犬の皮膚病は季節や体質、アレルギーなどが関与し、繰り返しやすい慢性トラブルです。
アトピーや膿皮症、マラセチアなど代表的な皮膚病では、多角的な治療と継続的なケアが重要です。
原因に応じた検査と生活環境の改善により、かゆみを抑え、再発を減らすことが可能です。

こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。

当院皮膚科では、ワンちゃんの皮膚トラブルも専門的に診療しています。

ワンちゃんの皮膚病はとてもよくある病気で、当院でも年間を通じてたくさんのご相談をいただきます。とくに梅雨や夏のような高温多湿の季節、また冬の乾燥する時期など、季節の変化が皮膚に与える影響はとても大きく、繰り返しやすいのが特徴です。

今回は、「なぜ皮膚病が起きるのか」「どう付き合っていけばいいのか」「完治が難しいケースへの向き合い方」など、飼い主さまに知っておいていただきたい皮膚科の基礎知識を、わかりやすくご紹介します。


🔶 犬の皮膚病はなぜ増えているのか?

近代化に伴って、犬の皮膚トラブルは増加傾向にあります。その理由としては、以下のような背景が考えられます:

  • 室内飼育が主流になり、湿度や乾燥の影響を受けやすくなった
  • 食事や環境に対するアレルギーが増えている
  • 飼い主さまの「皮膚への意識」が高まり、早期に受診される方が増えた
  • 犬種特有の皮膚疾患(例:フレンチブルドッグ、柴犬、シーズーなど)を抱える子が多い

皮膚病は命に関わることは少ないかもしれませんが、かゆみや痛み、脱毛など、生活の質(QOL)を大きく下げてしまう病気です。早めに適切な対応をしてあげることが何より大切です。


🔶 よくある犬の皮膚病の例

当院でよく診察する皮膚トラブルの一部をご紹介します。

病名主な症状特徴
アトピー性皮膚炎慢性的なかゆみ、赤み、脱毛特定のアレルゲンに反応。完治は難しいが、管理は可能
細菌性皮膚炎(膿皮症)赤い発疹、かさぶた、膿湿気の多い時期に悪化しやすい
マラセチア皮膚炎ベタベタした皮脂、独特な臭い耳や指の間などに多い。マラセチアという酵母様真菌が関与
食物アレルギー嘔吐・下痢・皮膚炎特定の食材に反応。除去食で診断する
ノミ・マダニ・疥癬強いかゆみ、脱毛外部寄生虫が原因。感染リスクも

🔶 季節と皮膚のトラブルの関係

☀️ 梅雨~夏のジメジメ時期:

皮膚が蒸れやすく、細菌や真菌(カビ)が増殖しやすくなります。アトピーのある子や、脂漏体質の子では膿皮症やマラセチア皮膚炎を繰り返すことがあります。

この時期のケアのポイント:

  • 週1回以上の薬用シャンプー
  • こまめなブラッシングと乾燥
  • 通気性の良い服やクールマットの使用

❄️ 冬の乾燥シーズン:

室内暖房で皮膚の水分が奪われ、乾燥からくる「ひっかき傷」や「フケ」が増えます。

乾燥対策の基本:

  • 保湿剤の外用(ローション・スプレー・ムースなど)
  • EPA/DHAなどを含む脂肪酸サプリメントの投与
  • 湿度管理(加湿器や濡れタオルの室内干しなど)

🔶 「完治しない皮膚病」への向き合い方

とくにアトピー性皮膚炎などの慢性疾患は完治が難しく、「うまく付き合っていく病気」です。
治療の目標は、「かゆみのコントロール」「生活の質の維持」「症状の悪化予防」です。

治療法は以下のような多角的アプローチが必要になります:

  • ✅ シャンプー療法(殺菌・保湿タイプの使い分け)
  • ✅ 抗ヒスタミン薬・ステロイド・免疫抑制剤の内服
  • ✅ 外用薬(ステロイド・抗菌薬・保湿剤など)
  • ✅ 栄養療法(スキンケアフード、サプリメント)
  • ✅ 環境改善(アレルゲンの除去や空気清浄機の使用)
  • ✅ 必要に応じて、アレルギー検査や除去食試験
  • ✅ 感染が重度のときは抗生物質や抗真菌薬の併用

🔶 より専門的な診断も可能です

難治性の皮膚病や、慢性化してしまったケース、他院で「治らない」と言われた子でも、適切な検査を行なうことで原因や方向性が見えてくる場合があります。

当院では以下のような検査・処置にも対応しています:

  • 血液検査(全身状態の確認)
  • アレルギー検査(IgE検査、リンパ球反応試験など)
  • 皮膚スクレーピング/細胞診
  • 皮膚の一部を切り取っての皮膚生検
  • CT検査(炎症や腫瘍の精査)
  • 軽度の腫瘤なら局所麻酔での切除も可能

🔶 飼い主さまとともに

皮膚病の治療は、一時的に良くなることよりも「再発させない工夫」が重要です。
そのため、診療では飼い主さまのお話をじっくり伺い、生活環境やケアの習慣、シャンプーの選び方まで含めて、オーダーメイドで治療計画を立てています。

「薬だけでなく、何を使ったらいいのか?」
「このフードで本当にいいのか?」
「何が原因かわからなくて不安…」

そんなときこそ、ぜひ一度、私たちにご相談ください。
“治す”ことよりも、“暮らしやすくする”ことを第一に考えた皮膚科診療を行なっています。


📍最後に

皮膚病は、命に関わる病気ではない分、後回しにされがちです。
しかし、ワンちゃんにとっての「かゆみ」は、時に痛みよりもつらい症状といわれています。

当院では、皮膚病で苦しむ子たちが少しでも快適に暮らせるよう、日々診療に取り組んでいます。
何度も繰り返す皮膚病や、なかなか良くならない症状でお困りの際は、お気軽にお声がけください。


❓Q1:犬の皮膚が赤い・かゆがるのはアレルギーですか?

A: アレルギーの可能性はありますが、細菌感染・マラセチア・寄生虫など他の原因でも同じ症状が出ます。まずは皮膚検査で原因を特定することが重要です。


❓Q2:シャンプーはどれくらいの頻度で必要ですか?

A: 皮膚病のタイプによって変わります。膿皮症やマラセチアの場合は週1〜2回、乾燥が強い子は保湿中心の低頻度シャンプーが適しています。獣医師に肌質に合う頻度を調整してもらうのが最適です。


❓Q3:アトピー性皮膚炎は治りますか?

A: 完治は難しい病気ですが、薬・外用・シャンプー・食事・環境改善を組み合わせることで「症状をコントロールし、暮らしやすくする」ことは十分可能です。


❓Q4:食物アレルギーはどう調べるの?

A: 最も信頼性が高いのは除去食試験です。アレルゲンの可能性がある食材を完全に除き、症状が改善するかを確認します。検査キット単独での判断は不十分なことがあります。


❓Q5:皮膚病を繰り返さないためのポイントは?

A: 原因に応じた治療を続けつつ、シャンプー・保湿・寄生虫予防・湿度管理・スキンケアフードなど日常ケアを継続することが重要です。単に「薬を飲めば治る」病気ではないため、生活環境の調整が再発防止の鍵になります。


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