犬は人間のストレスを嗅ぎ取り行動を選ぶ:感情的コミュニケーションの新たな発見

獣医師とパピヨン

こんにちは!アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。

今回は、最近のニュースで取り上げられていた上記の話題をお話しさせていただきますね。

犬は人間がストレスを感じているかリラックスしているかをにおいで嗅ぎ分け、そのにおいが犬の感情や行動に影響を与えることがわかりました。研究では、犬たちがストレスを感じた人のにおいと、リラックスした人のにおいを嗅いだ後の行動を観察しました。その結果、ストレスを感じた人のにおいを嗅いだ犬は、楽観的な行動を取る可能性が低く、リスクを避けるような行動を取ることが多くなりました。一方、リラックスした人のにおいを嗅いだ犬は、より楽観的な行動を取りやすくなることが示されました。

具体的な実験内容としては、まず犬におやつが入ったボウルと空のボウルを学習させる訓練を行ないました。その後、ストレス状態にある人とリラックス状態にある人から採取した息や汗のサンプルを使い、犬にそれぞれのにおいを嗅がせました。次に、曖昧な位置に置かれたボウル(例えば、空のボウルに近い場所など)に対する犬の行動を観察しました。ストレスのにおいを嗅いだ犬は、その曖昧な位置に置かれたボウルに近づく意欲が低下し、リスクを避ける行動を取る傾向が強まりました。逆に、リラックスした人のにおいを嗅いだ犬は、そのような「悲観的」な反応を示さず、楽観的な行動を取ることが観察されました。

この研究の結果から、犬は人間のストレスをにおいで感じ取り、その情報をもとに行動を選択することが明らかになりました。さらに、犬はそのにおいがもたらす感情に応じて、報酬に対する期待や学習の能力にも影響を受けることが示されています。これは、犬が人間の感情に強く同調する性質を持っていることを示唆しており、犬の飼い主やトレーナーにとって重要な発見です。

この研究結果は、実社会にも応用可能であり、特に犬のトレーニングや福祉に役立つと考えられています。例えば、補助犬やコンパニオンドッグ、そして犬舎で飼われている犬たちが、人間のストレスにどのように影響を受けるのかを理解することは、犬たちのウェルビーイング(幸福)を向上させるために非常に重要です。この研究は、犬と人間との関係がどれほど深く、感情的なコミュニケーションが密接に関わっているかを示すものであり、犬を飼っている人や犬の福祉に関心のある人にとって、大きな示唆を与えるものとなっています。

このように、犬は単に人間の感情を感じ取るだけでなく、それに応じた行動を選択し、日常生活やトレーニングにおいてもその影響を受けることがわかりました。これからの研究や実践において、この知見を活かすことで、犬との関係をより良いものにしていくことが期待されます。

いかがでしたか?改めてワンちゃんの能力に驚かされますね。

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