私たちと同じく愛猫もリスクがある。猫の乳がんを知り、守るために

三毛猫

愛猫との絆を深める時間が、命を守る力に!猫の乳がん予防と早期発見のすすめ

今回はネコちゃんの乳腺腫瘍のお話です。悪性のものを乳がんと言います。以前に比べて、避妊手術が浸透しており、ほんとうに減ってきた病気だという実感があります。それゆえに、避妊手術の重要性も間違いなくはっきりしていると言えます。

1. 疫学

猫の乳がんは猫の腫瘍全体の約17%を占め、とくに避妊手術を受けていない高齢のメス猫に多く見られます。猫の乳がんは発見時には進行していることが多く、悪性の腫瘍がほとんどです。発症のリスクは年齢とともに増加し、避妊手術をしていない場合、発症の確率が非常に高くなるとされています。また、発症のリスクは遺伝やホルモンの影響も受けることが分かっています。

2. 早期発見方法

早期発見は治療の成否に大きな影響を及ぼします。猫の乳がんを早期に発見するためには、飼い主さまによる「なでなでマッサージ」といった定期的な触診が重要です。触診により、乳腺に硬いしこりや異常な腫れを見つけることができ、早期の診断と治療を促進します。とくに乳腺の周辺やお腹周りの触診が有効です。動物病院での定期健診も推奨されており、疑わしいしこりが見つかった場合は、X線検査や超音波検査などの画像検査のほかに、その部分に針を刺して顕微鏡で見る細胞診による診断が行なわれます。

3. 治療方法

猫の乳がんの治療は、基本的に腫瘍の手術摘出が第一選択となります。悪性度が高い場合、乳腺を広範囲に切除することになります。手術に加えて、進行した乳がんの場合は、放射線治療や化学療法(抗癌剤)が用いられることもありますが、猫の体への負担も考慮し、個々の状態に合わせた治療計画が立てられます。治療後の定期的な再検査も重要で、再発や転移を早期に発見するためのモニタリングが推奨されます。大学病院などの二次診療施設への受診などの精密検査・高度治療へ進んでいただくこともできます

4. 予防方法

猫の乳がん予防には、若いうちに避妊手術を行なうことが最も効果的です。生後6か月頃までに避妊手術を受けると、乳がん発症リスクが著しく低下します。また、肥満を防ぎ、健康的な生活習慣を維持することも予防に寄与します。とくに避妊手術をしていない猫に対しては、定期的な乳腺のチェックと獣医師による検診を行ない、早期発見を心がけることが大切です。

まとめ

猫の乳がんは、発見が遅れると治療が難しくなります。しかし、飼い主さまによる定期的なチェックや避妊手術により悪化リスクを低減できます。乳がんのリスクを正しく理解し、日常のケアや獣医師との連携を通じて愛猫の健康を守りましょう。

今回の猫ちゃんの乳がんのお話はいかがでしたか?子猫を飼い始めたら、避妊手術のことを思い出してくださいね。

キャットリボン運動の公式サイトにも分かりやすく解説されていますので、ぜひご覧ください。

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