「奈良宣言」とは、第59回日本肝臓学会総会にて公表された、肝検査の指標としてのALT値に関する新たな基準です。
ALT値が30を超えた場合、プライマリ・ケア医やかかりつけ医による肝疾患リスクの確認が必要とされています。この指標設定の理由として、以下のような根拠と利点が挙げられています。
- ALTはシンプルで健診や一般診療で広く利用されている項目である。
- ALTの基準値に関する文献が多数存在し、英文も含めて研究が進められている。
- 特定保健診査(特定健診)や人間ドック学会の基準値はALT 30以下となっている。
- これらの基準値は日本消化器病学会肝機能研究班の意見書に基づいて決定されている。
奈良宣言は、基準を「30」と明確にすることで肝疾患の早期発見・早期治療につなげることを目的としています。
これにより、肝硬変や肝臓がんなどの肝臓疾患のリスクを早めに把握し、適切な治療を受けることが期待されます。肝疾患による健康被害を減らすために大きな意義を持っています。
一般市民向けにも啓発活動が行われ、YouTubeなどを活用した情報発信が行われています。
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