🐦【小鳥が止まり木に止まれないときは要注意!】~異常なスタンスや運動の背景にある病気とは~

セキセイインコの診療

こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニックの院長です。


今日は、小鳥が止まり木にうまく止まれない、姿勢が不自然、歩き方が変といったときに考えられる、いくつかの重要な病気についてご紹介します。

小鳥たちは本来、しっかりと足で止まり木を握り、安定してとどまっていることができます。それができない場合、以下のような重篤な病気や異常が隠れている可能性があります。


🦴1. 整形外科的疾患:関節炎・骨折・脱臼

◆ 関節炎

高齢の鳥や、慢性疾患を抱える個体では、跛行や止まり木からの転落が見られることがあります。細菌性・免疫介在性・代謝性の関節炎があり、関節の腫れや熱感を伴う場合も。

◆ 骨折

ケージ外で遊ばせていたり、ケージ内で暴れるなどの事故で脚や趾(あしゆび)を骨折することがあります。患部を上げて止まり木に体重をかけられなくなることがあります。

◆ 脱臼

関節の不自然な位置や、スタンスが左右非対称になっているときは脱臼の可能性があります。動かすと痛がる素振りを見せることもあります。


❤️2. 心血管疾患:心不全や血管の障害

心臓病を患っている鳥では、すぐに疲れて止まり木にいられない、翼をだらんとさせる、地面に座る、呼吸が浅く早くなるなどの症状が出ます。

特に中〜高齢の小鳥で見られやすく、レントゲン検査で分かることもあります。


🩸3. 外傷:咬み傷・圧迫・裂傷など

ケージの金具に脚を引っかけたり、他の鳥や動物に噛まれた場合、筋肉や神経が損傷され、運動障害や足の感覚消失が起きることがあります。

目に見える出血がない場合でも、腫れや冷感、紫斑があれば早急な診察が必要です。


🧠4. 神経疾患:感染・中毒・熱中症・腫瘍

◆ 中枢神経感染(例:ウイルス性脳炎など)

神経系への感染は、ふらつき、異常な姿勢(頭が傾くなど)、痙攣を引き起こします。特に幼若鳥では細菌や真菌の脳炎が起こることも考えられます。

◆ 中毒(鉛・亜鉛・テフロンガスなど)

金属や化学物質による中毒は、急性の神経症状(麻痺、痙攣、反応低下)を示すことがあります。鉛中毒ではとくに脚の麻痺や起立困難が有名です。

◆ 熱中症

日本の夏は小鳥にとって非常に危険です。過呼吸、翼の開き、止まり木にうまく止まれない、運動失調が暑熱が原因と見られたら、すぐに涼しい環境にしてあげてください。

◆ 腫瘍(脊髄圧迫など)

高齢の鳥で、進行性の麻痺や不全麻痺が見られた場合、脊髄や脳の腫瘍が疑われます。歩き方の変化や止まり木での転倒が初期兆候です。


🥚5. 卵塞・低カルシウム血症

◆ 卵塞(卵詰まり)

メスの鳥で、産卵困難により腹部が膨らみ、下肢が開いたままの姿勢になることがあります。脚の神経を圧迫し、歩行困難や麻痺を引き起こす場合もあります。

◆ 低カルシウム血症

カルシウム不足は、神経や筋肉の働きに影響を及ぼし、脚の震えやけいれん、止まり木にしがみつけないといった症状をもたらします。特に産卵期のメスに見られます。


🦶6. バンブルフット(足底皮膚炎)

止まり木の素材や太さが適切でない場合、また肥満や慢性疾患がある場合、足裏に炎症や潰瘍ができることがあります。これをバンブルフット(趾瘤症)といいます。

初期では痛みによる不安定な立ち方や、止まり木を避ける様子が見られます。放置すると細菌感染を併発し、骨まで炎症が波及する危険があります。


📝早めにご相談を

小鳥が止まり木に止まれない、歩き方が変わった、姿勢がおかしい…
これらは「老化」や「一時的な疲れ」ではなく、深刻な病気のサインかもしれません。

おうちの鳥さんの様子に、いつもと違う点があれば、早めに小鳥に詳しい獣医師に相談しましょう。
当院では、鳥類の診療も行なっておりますので、お気軽にお問い合わせください。


愛知のヘソ豊田市周辺の岡崎市、日進市、安城・刈谷市にお住いの小鳥の飼い主さまへ、

当院の獣医師はエキゾチックペット、猫、小型犬などの広範な動物種に対する専門的な知識と豊富な経験を有しております。どんなペットにも信頼できるケアを提供いたします。
つまり、あらゆるペットに対応する総合的な診療を行なうことができます。
どんなお悩みもお気軽にご相談ください。多岐にわたるペットの医療に精通した獣医師が、どのペットにも最適な治療を提供いたします。

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