1. 当院を受診される患者さまの中に、他院で治療が進まなかった方がいることがあります。
  2. 多くの場合、コミュニケーション不足が原因だと考えています。
  3. 病気の治療は段階的で、最初の診察では全ての情報を得られないことが一般的です。
  4. 「後医は名医」と言われ、後から診療した獣医師にアドバンテージがあります。お近くの獣医師が悪いとは思わないでください。
  5. インターネットの質問サイトでの相談は一般的な情報は提供できますが、実際には診察が必要です。セカンドオピニオンを求める際は動物病院を受診することをお勧めします。
  6. 獣医師は勉強熱心で、多くの情報と専門的な知識を持っています。セカンドオピニオンを受ける際には主治医からの紹介を受けることが確実です。

お近くの動物病院で治療をしているがなかなか治らないということで、当院を受診される方もいらっしゃいます。

1回かかって、あまりよくならなかったと仰って、あの動物病院はダメだといって、ドクターショッピングをされる方がいらっしゃいますが、非常に残念に思います。

数ある動物病院のなかから当院を選び、わざわざ遠くからお越しいただけるのは、本当にありがたく、嬉しい限りです。

しかし、お話をよくお聞きしてみると、ほとんどすべてが飼い主さまと主治医とのコミニュケーション不足によるものであって、治療方針に違和感があることはほぼありません。

病気の治療というのは、まずは検査をしてみて、それに応じて、治療を進めていくことになります。

食欲不振や元気消失といった症状はどんな病気にも共通していて、1回の診察では大勢がつかめず、診療の結果によって、より精密な、より高額な検査、治療に入っていくことが多いです。

最初から、すべての病気を疑い、すべての検査をすることはありません。

発生率の高い、より一般的なものから、手を付けていくことになります。

たいていは、この段階で治らないといって、転院していらっしゃいます。

主治医にしてみればこれで治らなかったら、次はこの病気かもしれないから、この検査をして、この治療をしよう・・・と、必ず計画しています。

ですから、治らなければ、まず、主治医のもとを受診して、治らない旨を伝えていただきたいのです。

それが一番の近道です。

途中で転院するのは、もったいないです。

「後医は名医」という言葉があるそうです。

これは2回目に診察した獣医師は、1回目に比べてアドバンテージがあるということです。

つまり、2回目に受診すれば、いつものかかりつけ医が名医になれる確率が上がるわけです。

3回目に受診すれば、名医になる確率はさらに上がるでしょう。

ですから、よほどのことがない限り、私は、お近くの主治医のところへ戻っていただくようにお話しさせていただいています。

ただし、主治医が「繁盛」していて、飼い主さまのお話を聞く時間がないという事情も多々あるようです。

そうなると当然、診察時にはコミニュケーションがとれないでしょう。

個人的にひとの病院にかかると、ひしひしと痛感しますが…

その場合には、メールなどで相談できないかを、尋ねてみてください。

きっと、どの動物病院の獣医師も、診療時間が終われば、それくらいの時間はとれるのでは…?

ただ、働き方改革が大きく叫ばれる昨今、それができないからと、攻めるのは、可哀そうかもしれません。

インターネットの質問サイトで、動物の病気についてご相談されるかたがいらっしゃいます。

病気そのもののことなら、一般的な事項をお話しすればよいので、とても便利なツールだと思います。

しかし、ご自分のペットの症状をあげ、「何の病気でしょうか?」と聞かれても、それは診察してみないと分かりませんとしか、お答えできないのではないでしょうか。

動物病院にかかっていないなら、まず動物病院で診察を受けてみてください、

とお答えさせていただいております。

動物病院にかかるほどなのかどうかを聞きたくて、質問される場合には、まず、受診できそうなお近くの動物病院に連絡をしてみましょう。

きっと、受診を勧められると思います。

診察していないのに、「大丈夫」なんて仰ることは、絶対ないでしょう!

このような病気が疑われますね、でもだからといって、診察もしていないので、実際に診療にあたっている主治医の診断が第一です、ということになります。

セカンドオピニオンを求めようと思ったときには、まず主治医にご相談してください。

「その筋の専門家」を紹介してくれます。


獣医師は勉強熱心です!

医師、歯科医師も絶対勉強熱心だと思います(^_^;)

私が今まで研修・勤務してきた動物病院では、たくさんの専門書を読み、勉強会に参加し、セミナーを聴講し、ほんとうに動物のこと、飼い主さまのことを思って、勉強していました。

私自身はそういう獣医師しか見たことがありません!

こういう病気は、ここの大学でよく研究されているとか、眼科の専門医はどこどこにいるとか、いろいろな情報をもっています。

飼い主さまご自身でインターネットで調べたり、近所の方にお聞きになったりするよりも、ずっと確かな獣医師を紹介してもらえることは間違いないです。

当院では、今後の見通しをお話しするとともに、「何かご質問はございますか」とお尋ねするように心掛けておりますが、至らぬ点がございましたら、何なりとお申し付けください。