最終更新日:2025年11月24日
爬虫類飼育に保温は最重要です!
爬虫類は寒さで代謝や免疫が低下するため、冬はケージ全体を適切に保温することが健康維持の核心となります。ホットスポットだけでは不十分で、サーモスタットを用いた全体温度管理と火傷対策が欠かせません。適切な温度管理ができれば、消化・免疫・活動性が安定し、冬の体調トラブルを大幅に防ぐことができます。
こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。
爬虫類の寒さ対策はたいへん重要です。環境温度が下がる時期には、ケージ内温度にも気を付けましょう。保温はとても大切です。温度が下がってしまうと、代謝が低下し、さらに悪いことに、免疫力も低下します。

爬虫類の冬対策:寒さによる代謝低下・免疫力低下を防ぐための安全な保温ガイド
爬虫類は変温動物であり、気温の低下がそのまま代謝・免疫力の低下へと直結します。冬は、爬虫類にとって最も体調を崩しやすい季節です。食欲低下、消化不良、細菌・真菌感染症、呼吸器疾患など、多くのトラブルの背景に「低体温」があります。
本記事では、アメリカ獣医師会(AVMA)や欧米エキゾチックアニマル専門医の飼育基準である POTZ(至適環境温度域) を軸に、寒さ対策を科学的に、かつ安全に行う方法を解説します。
はじめに:なぜ冬の保温が爬虫類にとって重要なのか
爬虫類は体温を外部環境に依存しています。そのため、室温が下がると体内の酵素反応が鈍り、
● 消化速度の低下
● 免疫力の低下
● 活動性の低下
● 感染症の罹患率上昇
など、さまざまな悪影響が出ます。
多くの飼い主さまが陥る誤解に「寒ければバスキングライトで温めたら良い」という考えがあります。しかし、実際には ケージ内の“空気全体”が適正温度に保たれているかが最も重要 です。
ホットスポットだけを高温にしても、ケージ全体の空気が冷えた状態では、爬虫類は体温調節ができず体調を崩します。冬季は特に「全体保温」と「安全管理」を重視する必要があります。
POTZ(至適環境温度域)とは
POTZ(Preferred Optimum Temperature Zone)とは、個々の爬虫類が最も良好に代謝・免疫を維持できる温度帯のことです。
種類により温度帯は異なりますが、共通して重要なのは以下の2点です。
- 温度勾配(ホットスポット〜クールスポット)を作ること
- ケージ全体が最低温度を割らないように管理すること
爬虫類は体温を自ら調整するため、温度勾配を移動しながら自分の代謝レベルを調節します。これが乱れると、正しい体温を維持できなくなるため、冬季は特に温度ムラが致命的になります。

保温器具の組み合わせと安全な使い方
爬虫類飼育では複数の保温器具を組み合わせて使用し、安全性と安定性を確保します。
上部ヒーター(バスキングライト・保温球)
・主に ホットスポット形成 に使用
・種類とワット数はケージサイズに合わせる
・照射距離が近いと火傷の原因
・金属ガードを必ず使用
底面ヒーター(パネルヒーター・マット)
・腹部を温め、消化をサポートしてくれるかも
・ただし「一点過熱」になりやすいため、
→ ケージ底全面ではなく一部に配置
→ 直接触れられないよう底材を厚めに敷く
ヒートケーブル
・ケース外面に這わせるタイプで安全性が高い
・ケーブルの重ね巻きは発火リスク
サーモスタット(必須)
・欧米の専門医は全員が「保温器具=サーモスタット必須」として推奨
・温度過上昇や低下を防ぐ唯一の管理器具
・プローブ(温度センサー)は必ず接触面に固定
冬季は、
「上部ヒーター」+「底面ヒーター」+「サーモスタット」
の三点セットが基本と考えましょう。

レイアウト設計と火傷対策
冬季は「低温火傷(慢性熱傷)」が増える季節です。これは、高温でなくても、長時間一点に皮膚が触れ続けるだけで発生 します。ケージ内温度が低いと、自ずと温かいところに長時間留まってしまいます。
■ 火傷防止のポイント
・ライトは必ず金属ガードで覆う
・パネルヒーターは底材で熱をやわらげる
・レイアウトに 石板 を入れ、 ホットスポットの熱を適度に蓄える
・プローブ型温度計を複数設置する
特に石板は熱を緩やかに溜め込むため、爬虫類の腹面を安全に温めるのに適しています。
ケージ全体の空気を温めることの重要性
もっとも重要なのはここです。
ホットスポットが適温でも、ケージ内の空気が冷えたままでは意味がない。
室温が低いと、
・バスキングライトの熱がケージ全体に広がらない
・夜間に極端な冷えが起きる
・消化不良・免疫低下が加速
といった問題を引き起こします。
■ 効果的な方法
● エアコンによる部屋全体の暖房(24時間)
● ケージの外側に断熱材を貼る
● サーキュレーターで空気の循環を良くする
● ケージを窓から離す(冷気の影響を減らす)
室温18〜22℃を下回らないこと が多くの爬虫類に共通する最低ラインです。

冬場の特殊な注意点
● 夜間保温
日光がない夜間は、ケージの保温がさらに不安定になります。
夜間専用保温球やパネルヒーターを併用し、最低ラインを下回らないように維持しましょう。
● 停電リスクに備える
・カイロ(※直接触れさせない)
・保温バッグ
・毛布・ダンボール
など、緊急アイテムを備えておくことは重要です。
● 療養中・病気の爬虫類
感染症治療時には、代謝・免疫を支えるために温度を高めに維持 します。
温度不足のまま投薬しても効果が出にくいため注意が必要です。
適切な温度管理がもたらすメリット
● 食欲・消化の改善
● 感染症リスクの低下
● 活動性の向上
● ストレスの減少
● 免疫の正常化
温度管理一つで、爬虫類の健康は驚くほど変わります。

当院からのご案内
当院では、
・爬虫類(トカゲ・ヘビ・カメ)
・エキゾチックアニマル
の診療を専門的に行っています。
「この冬の保温で迷っている」
「消化不良が続く」
「病気をくり返す」
などのお悩みには、飼育環境の相談から診療まで対応しています。
爬虫類は、環境管理が健康の9割を決めるといわれる動物です。
ぜひお気軽にご相談ください。
よく検索されている Q&A
Q1:ホットスポットは何℃にすれば良いですか?
A1:種類により異なりますが、一般的なトカゲ類では40℃前後が多く、ヘビ類ではやや低めです。必ず種類別のPOTZを飼育書などで確認してください。
Q2:夜は真っ暗にした方が良い?保温球を使っても良い?
A2:夜間用の赤外線・セラミック球なら使用可です。光を発する保温球は昼夜リズムを乱すため避けた方がいいでしょう。
Q3:パネルヒーターだけではだめですか?
A3:パネル単独ではケージ全体が温まらず、冬は不十分です。必ず上部ヒーターと併用してください。
Q4:火傷が心配です。どうすれば防げますか?
A4:ガードの使用・温度計の複数設置・サーモスタットの導入が必須です。石板を敷くと熱が分散して安全です。
Q5:保温が不十分だと何が起きますか?
A5:代謝が下がり消化不良、免疫低下、感染症増加などが起きます。冬のトラブルの多くが低温に関連しています。

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