最終更新日:2025年11月19日
ワンちゃんの消化管内寄生虫症について
最初の写真は糞線虫の幼虫です。なんと皮膚から侵入し、ヒトにもうつることがあります。
以下に、代表的な寄生虫について、飼い主さま向けにやさしく、かつ獣医学的な根拠に基づいてまとめました。
こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。
犬の消化管に寄生する寄生虫は、幼犬期に母犬や環境から感染することが多く見られます。とくにお迎えしたばかりの時期は、環境の変化によるストレスで寄生虫が活発になり、症状が出やすくなります
そのため、少なくとも初診から3回の検便をおすすめしています。
また、1歳未満の犬ではお散歩などによる感染リスクが高いため、年に4回ほど定期的な検便や駆除を行なうことで、早期発見・早期治療が可能になります。

🧫犬でよく見られる主な寄生虫と特徴
① 回虫(犬回虫 Toxocara canisなど)
- 大きさ・部位:成虫は10〜18cm、主に小腸に寄生。
- 感染経路:母犬から胎盤経由・母乳経由、または環境中の虫卵を摂取。
- 症状:下痢、嘔吐、腹部膨満、成長不良。重症では嘔吐物や便中に白いミミズのような虫体。
- 診断法:顕微鏡による糞便検査で虫卵を確認。
- 対処法:ピランテル、フェンベンダゾールなどの駆虫薬を使用。
- 予防法:定期的な検便と駆虫、母犬の妊娠前・授乳期の駆虫管理。
② 鉤虫(犬鉤虫 Ancylostoma caninum)
- 大きさ・部位:成虫は1〜2cm、小腸に寄生。
- 感染経路:経口感染、皮膚からの侵入、母乳感染。
- 症状:血便、貧血、体重減少。仔犬では致命的になることも。
- 診断法:糞便中の虫卵検出。
- 対処法:駆虫薬(ピランテル、フェンベンダゾールなど)。重症時は輸血・鉄剤投与が必要。
- 予防法:屋外での裸足歩行を避け、糞便の早期処理。
③ 鞭虫(犬鞭虫 Trichuris vulpis)
- 大きさ・部位:成虫は4〜7cm、主に盲腸や大腸に寄生。
- 感染経路:環境中の虫卵を摂取。
- 症状:粘血便、慢性下痢、脱水。
- 診断法:糞便検査で特有のレモン型虫卵を確認。
- 対処法:フェンベンダゾールなどを数日間投与。
- 予防法:糞便の速やかな除去、定期駆虫。
④ コクシジウム(Isospora属)
- 大きさ・部位:原虫(顕微鏡レベル)、小腸上皮細胞に寄生。
- 感染経路:汚染された糞便や環境を介して経口感染。
- 症状:幼犬で下痢・脱水・体重減少。重症例では命に関わることも。
- 診断法:糞便の浮遊法または直接塗抹によるオーシスト確認。
- 対処法:トリメトプリム・スルファ剤などの抗原虫薬を使用。
- 予防法:清潔な飼育環境の維持。排泄物の速やかな清掃。
⑤ ジアルジア(Giardia duodenalis)
- 大きさ・部位:原虫、腸粘膜表面に付着。
- 感染経路:シストを含む水や糞便を経口摂取。
- 症状:粘液便、悪臭便、断続的な下痢。
- 診断法:抗原検査キット(ELISA法)、または顕微鏡観察。
- 対処法:メトロニダゾール、フェンベンダゾールを使用。
- 予防法:飲み水の衛生管理と環境の定期消毒。
⑥ 瓜実条虫(Dipylidium caninum)
- 大きさ・部位:成虫は15〜50cm、小腸に寄生。
- 感染経路:ノミを介して感染(ノミ体内に幼虫)。
- 症状:肛門周囲の痒み、体重減少、便に米粒状の虫体片。
- 診断法:肉眼または糞便検査で片節(虫体断片)を確認。
- 対処法:プラジクアンテルを単回投与。
- 予防法:ノミ対策が最も重要。外用薬や環境駆除を併用。
⑦ 糞線虫(Strongyloides stercoralis)
- 大きさ・部位:成虫は1〜2mm、小腸粘膜に寄生する。
- 感染経路:経皮感染(皮膚からの侵入)や経口感染。母犬から仔犬への乳汁感染も報告される。
- 症状:下痢、軟便、体重減少、貧血。重症例では脱水や成長不良が見られる。特に幼犬で問題となる。
- 診断法:糞便検査で幼虫を確認。Baermann法などの特殊な浮遊法が有効。
- 対処法:イベルメクチンやフェンベンダゾールを駆虫薬として使用。重症例では輸液管理や栄養管理が必要。
- 予防法:糞便の速やかな除去、清潔な飼育環境の維持。母犬・仔犬への早期駆虫。

🩺犬の寄生虫感染を防ぐ5つのポイント
- 定期的な検便(年4回目安)
- 月1回のフィラリア・ノミ・マダニ予防で一緒に駆除
- 糞便の早期処理と衛生管理
- 野生動物を与えない、生肉や生魚を与えない
- 新しい犬を迎えるときは必ず検便から
💬犬の寄生虫に関するよくある質問(FAQ)
Q1:寄生虫がいても症状が出ないことはありますか?
→ はい。無症状のまま成長する犬もいます。だからこそ定期的な検便が重要です。
Q2:検便は1回だけで十分ですか?
→ いいえ。虫卵の排出には周期があるため、最低3回行うとより正確です。
Q3:人にうつる寄生虫はありますか?
→ 一部の寄生虫(回虫・鉤虫・ジアルジアなど)は人獣共通感染症です。
特に子どもや免疫力の低い方は注意が必要です。
Q4:室内犬でも感染しますか?
→ はい。散歩中の嗅ぎ行動やノミ経由でも感染の可能性があります。
Q5:駆虫薬を飲ませていれば検便は不要ですか?
→ 駆虫薬は“治療”であり、“感染チェック”ではありません。
どんな薬でも100%防げるわけではないため、検便と併用が理想です。
🏥まとめ
寄生虫症は、見えないけれど確実に犬の健康を脅かす存在です。しかも、比較的簡単に対処できる病気です。
お迎え直後の検便と、定期的なチェックで、家族みんなが安心して過ごせる環境を整えましょう。
エランコ社の「おなかの虫」というページで専門的な解説もございます。写真なども掲載されていますので、どうぞご覧ください。

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