眠気は感じていなくても、睡眠時無呼吸がある人や睡眠時間が短い人は、自動車事故を起こすリスクが高いことが研究から明らかになりました。
「十分な睡眠を取ることは、心血管や代謝に良い影響を及ぼすだけでなく、事故のリスクを低減するためにも重要だ」と強調しています。
対象は、米国40~89歳の男女3,201人(平均年齢62歳)。
解析の結果、重症の睡眠時無呼吸があると、睡眠時無呼吸がない場合と比べて自動車事故リスクが123%上昇することが明らかになりました。
また、軽症~中等症の睡眠時無呼吸の場合でも、睡眠時無呼吸がない場合と比べて同リスクは13%上昇することが示されました。
さらに、睡眠時無呼吸がなくても夜間の睡眠時間が6時間と短い場合、睡眠時間が7~8時間の場合と比べて自動車事故リスクが33%上昇することも分かりました。
しかも、睡眠時無呼吸や睡眠不足による自動車事故リスクの上昇は、過度の眠気を感じない人でも認められることが明らかになったとも。
この結果について、著者のひとりは「十分な睡眠を取っていないと思考力が低下し、反応が遅くなるため、事故のリスクが高まる」と説明。また、「今回の研究では、睡眠時無呼吸が軽症の人の場合、眠気を自覚している人の方が事故リスクは高いことが示されたが、重症の人の事故リスクは睡眠時無呼吸がない人の2倍以上だっただけでなく、眠気の自覚の有無でリスクの差はみられなかった」として、
「最も重要なのは、眠気を自覚していない人でも自動車事故リスクは上昇するという点だと考えられる」と指摘しています。
この記事へのコメントはありません。