フトアゴヒゲトカゲの皮膚病について

フトアゴヒゲトカゲ

フトアゴヒゲトカゲ(英名Bearded Dragon、学名Pogona vitticeps、愛称バーディー)の皮膚病についてお話しします。フトアゴヒゲトカゲは、人気のある爬虫類で、その特徴的な見た目と個性的な行動で飼い主さまを楽しませてくれます。当院では、中型トカゲでは最も来院数の多いトカゲです。このフトアゴヒゲトカゲですが、時々皮膚トラブルに悩まされることがあります。皮膚は飼い主さまでも直接見ることのできる数少ない臓器の1つですので、受診理由の上位に挙がります。以下によく見られる症状と病名を挙げて、皮膚トラブルについて説明します。

  1. 脱皮不全
    • フトアゴヒゲトカゲは成長するにつれて定期的に脱皮します。しかし、時には脱皮がうまくできず、古い皮膚が不完全に残ることがあります。これは、適切な湿度管理や栄養・水分不足によるものと考えています。
    • 不適切な食餌の給餌、ビタミン・ミネラルサプリメントを添加していない場合には、まずは、ここから改善していきましょう。
    • しっかりした栄養を与えているにも関わらず改善しないのであれば、消化管に寄生虫がいて、栄養がうまく吸収されていないことも考えられます。やはり、検便、検便、検便!が重要です。
      フトアゴヒゲトカゲ
  2. 乾燥した皮膚
    • 環境の乾燥や湿度の低下により、フトアゴヒゲトカゲの皮膚が乾燥してひび割れや粉状の皮膚を生じることがあります。これは皮膚保湿の不足によるものです。照明の位置には注意が必要です。
  3. 皮膚真菌症
    • 真菌(カビ)感染症により、フトアゴヒゲトカゲの皮膚に赤みや発疹、腫れ、または黄色い斑点などが現れることがあります。これは湿度管理の問題や清潔な環境の欠如によって引き起こされることがあります。
      フトアゴヒゲトカゲ
  4. 皮膚炎
    • 環境のストレスや適切でないケージ内環境により、フトアゴヒゲトカゲの皮膚が赤く腫れたり、炎症を起こしたりすることがあります。
      フトアゴ皮膚
  5. 寄生虫感染
    • 寄生虫感染により、フトアゴヒゲトカゲの皮膚にかゆみや炎症、または皮膚の異常な変色が見られることがあります。
      フトアゴヒゲトカゲダニ

これらの症状が見られた場合、専門医の診断と適切な治療が必要です。診断には皮膚の検査や病歴の詳細な聴取などが含まれます。治療法には、湿度管理の改善、適切な栄養補給、皮膚を清潔を保つこと、および必要に応じて消毒や抗真菌薬、抗生物質の処方が含まれる場合があります。

また、予防のためには適切なケージ環境の設置、定期的な皮膚のチェック、適切な栄養と水分摂取の確保が重要です。皮膚トラブルが発生した場合は、早めに専門医に相談することが大切です。

フトアゴヒゲトカゲの皮膚トラブルは、適切なケアと治療によって管理することができます。飼い主さまの方々が日常的な観察とケアを行なうことで、愛するペットの健康と幸福を保つことができます。

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