最終更新日:2026年1月23日
ブドウ中毒:ブドウは毒になります!
ワンちゃんがブドウやレーズンを摂取することで引き起こされる中毒症状とその危険性について詳しく解説しています。原因物質は未解明ながら、少量でも急性腎不全を招く恐れがあるため、飼い主さまは厳重な管理と注意喚起が必要です。万が一食べてしまった場合は、迅速な催吐処置や点滴治療が生死を分ける鍵となるため、直ちに獣医師へ相談することをお勧めします。記事内では具体的な中毒量の目安や、嘔吐・食欲不振といった初期症状から重篤な段階までの経過が網羅されています。最終的に、愛犬の命を守るためには家庭内での予防を徹底し、緊急時には迷わず当院のような救急診療科のある医療機関を受診することが重要です。
こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。
スーパーには美味しそうなフルーツがいつでもたくさん並んでいますね。

おいしそうなブドウも並んでいますね。このブドウですが、ワンちゃんには与えないでくださいね。メカニズムは解明されていませんが、腎臓にダメージを与えてしまいます。
誤って食べてしまった場合には、すぐに吐かせてあげることがベストな選択です。すぐに連絡してくださいね。
以下にもう少し詳細をお伝えします。
1. ブドウ中毒の概要
ブドウ中毒は、犬において重篤な腎障害を引き起こす可能性がある状態です。ブドウ(およびその乾燥物であるレーズン)は、多くのペットオーナーにとって一般的な家庭の食品ですが、犬にとっては危険な食品です。中毒の原因物質はまだ特定されていませんが、少量の摂取でも急性腎不全を引き起こす可能性があります。

2. 中毒の発生頻度
ブドウ中毒の発生頻度は国や地域によって異なりますが、家庭内でブドウやレーズンが一般的に消費されている地域では、動物病院におけるブドウ中毒の症例が一定数報告されています。アメリカでは、ASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)の動物毒物コントロールセンターがブドウやレーズン摂取に関する多くの相談を受けています。日本においても、ブドウやレーズンの消費が一般的であるため、犬の飼い主に対する注意喚起が重要です。
3. 中毒の原因物質と摂取量
ブドウやレーズンが犬にとって有毒である具体的な原因物質はまだ解明されていません。しかし、少量の摂取でも毒性が現れることが知られています。以下に、一般的な摂取量とその影響を示します。
- ブドウの摂取量: 一般的に、犬の体重1kgあたり約10gのブドウが危険な摂取量とされています。
- レーズンの摂取量: レーズンは乾燥されているため、毒性がさらに強まるとされています。体重1kgあたり約2.8gのレーズンで中毒症状が現れる可能性があります。
ただしこれらはあくまで目安であり、個々の犬によって感受性が異なるため、少量の摂取でも重篤な中毒を引き起こす可能性があります。発見したらすぐにご連絡をください。

4. 中毒の症状
ブドウやレーズンを摂取した犬に現れる典型的な中毒症状は以下の通りです。
- 初期症状(摂取後6時間以内):
- 嘔吐
- 下痢
- 食欲不振
- 腹痛
- 元気消失
- 進行した症状(摂取後24〜72時間):
- 無尿または乏尿(尿が出ない、もしくは少量しか出ない)
- 脱水
- 無気力
- 衰弱
- 震えや痙攣
これらの症状が現れた場合、迅速な対応が求められます。
5. 治療方法
ブドウ中毒の治療は、できるだけ早期に開始することが重要です。治療方法は以下の通りです。
- 摂取直後の処置:
- 催吐処置: 摂取後すぐに動物病院に連れて行き、獣医師による催吐処置を受けることが推奨されます。家庭で催吐を試みる場合は、過酸化水素溶液を用いることが一般的ですが、必ず獣医師に相談してください。
- 活性炭の投与: 毒物の吸収を抑えるために、活性炭を投与することが効果的です。
- 病院での処置:
- 点滴療法: 腎不全を防ぐために、迅速に点滴療法を開始します。これにより、毒素を体外に排出しやすくします。
- 血液検査と尿検査: 腎機能を評価し、必要な治療を行なうために血液検査や尿検査を実施します。
- 入院治療:
- 中毒症状が重篤な場合、数日間の入院治療が必要になることがあります。この間、継続的な点滴療法や尿量の管理が行なわれます。

6. 予後と回復
ブドウ中毒の予後は、摂取量、発症までの時間、治療の早さに大きく依存します。早期に適切な治療を受けた場合、完全に回復する可能性がありますが、重篤な腎不全が発生した場合は予後が悪くなることがあります。以下に一般的な予後の見通しを示します。
- 早期治療を受けた場合: 迅速な催吐処置や点滴療法により、多くの犬は完全に回復します。
- 中等度の中毒: 一部の犬は腎機能の低下が一時的に見られるものの、適切な治療により回復します。
- 重度の中毒: 重篤な腎不全が発生した場合、治療に対する反応が悪く、長期的な腎機能の低下や死に至ることがあります。
7. 予防と注意喚起
ブドウ中毒を予防するためには、以下のポイントを守ることが重要です。
- ブドウやレーズンを家庭内から遠ざける: 犬がアクセスできる場所にブドウやレーズンを置かないようにしましょう。
- 食べ物の管理: 家庭でブドウやレーズンを扱う際には、犬が誤って摂取しないように注意が必要です。
- 飼い主さまへの認知教育: 広く飼い主さまに対して、ブドウやレーズンの危険性を周知し、摂取させないような啓蒙活動が必要です。

8. 緊急時の対応
万が一、犬がブドウやレーズンを摂取してしまった場合は、以下の手順を踏んでください。
- 速やかに獣医師に連絡: 犬がブドウやレーズンを摂取した場合は、すぐに動物病院に連絡し、指示を仰ぎます。
- 摂取量の確認: 摂取したブドウやレーズンの量を把握し、獣医師に伝えます。
- 動物病院への迅速な移動: できるだけ早く犬を動物病院に連れて行き、適切な処置を受けさせます。
ブドウ中毒は犬にとって重篤な健康問題を引き起こす可能性がありますが、早期の発見と迅速な対応により多くの犬は回復することができます。広く飼い主さまに啓蒙することと家庭内での予防策を徹底することで、ブドウ中毒のリスクを最小限に抑えることができます。犬の健康を守るために、ブドウやレーズンを適切に管理し、緊急時には速やかに獣医師の指示を仰ぐことが重要です。
Q1. 犬がブドウを1粒だけ食べました。様子見で大丈夫ですか?
A. 量に関係なく危険です。犬のブドウ中毒は少量でも急性腎不全を起こす例があり、無症状でもすぐに動物病院を受診してください。
Q2. レーズンや干しブドウも犬には危険ですか?
A. はい、レーズンはブドウよりも危険です。水分が抜けて毒性物質が濃縮されており、より少量で重篤化する可能性があります。
Q3. 犬がブドウを食べてから症状が出るまで何時間かかりますか?
A. 早い場合は数時間以内、遅くても24時間以内に嘔吐・元気消失・食欲不振が見られることが多く、症状がなくても安心はできません。
Q4. 犬のブドウ中毒ではどんな治療をしますか?
A. 摂取直後であれば催吐処置、その後は点滴による腎保護治療が中心です。早期治療ほど腎不全の発症リスクを下げられます。
Q5. 犬にブドウを食べさせてはいけない理由は何ですか?
A. 毒性物質は現在も特定されていませんが、欧米の獣医学研究で急性腎不全との強い関連が確認されており、安全な摂取量は存在しないためです。
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