最終更新日:2025年12月16日
咳・心雑音から始まる心臓トラブルを、検査・治療・生活管理で安定させるための基礎知識
僧帽弁閉鎖不全症は小型犬に非常に多く、咳や心雑音が最初のサインとして現れます。
レントゲン・心エコー・血液検査で進行度を評価し、薬物治療と生活管理で長期間の安定が可能です。
早期発見ほど心臓への負担を減らせるため、咳や疲れやすさを感じたら早めの受診が重要です。
こんにちは。
アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。
今日は、小型犬に多い心臓病、「僧帽弁閉鎖不全症(Mitral Valve Disease)」についてお話しします。
この病気は小型犬にとても多く、ちょっと中型のキャバリアキングチャールズスパニエルにはとくに多く発生します。

🩺なぜ「犬 僧帽弁閉鎖不全症」で検索されるのか
最近、「うちの子が咳をする」「他院の健康診断で心雑音があると言われた」と来院される飼い主さまが増えています。
僧帽弁閉鎖不全症が小型犬で最も多い心臓病の一つですので、真っ先に疑うべき病気です。
特にキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、チワワ、トイ・プードルなどでは発生率が高く、
早期発見がとても重要です。
このタイプの心臓病は、猫にはほとんどみられません。

❤️僧帽弁閉鎖不全症とは?
心臓の中は上下左右に仕切られています。左側の上を左心房、下を左心室、そしてその間を仕切る弁を僧帽弁といいます。弁(バルブ)とはこの場合、上の左心房から下の左心室の方向に血液を流し、その逆流が起きないようにするストッパーの役目をしている膜のようなものです。つまり左心室から左心房に血液が逆流しないように、閉じてくれるわけです。
この僧帽弁が何らかの原因でうまく閉じなくなると、左心室にある、本来は全身に流れて行かなければならない血液が左心房に逆流してしまいます。すると、左心房は容量オーバーになってしまい、徐々に膨らんでいきます。結果的にさらに肺から血液が左心房に流れにくいために、肺に血液がたまっていきます。血がたまることをうっ血と呼びます。このようにして、僧帽弁閉鎖不全症がうっ血性心不全という状況を作り出していきます。
これのような仕組みで、息苦しさや咳、呼吸困難という症状を引き起こします。

🐶なぜ小型犬に多いの?
小型犬は、遺伝的に弁がもろくなりやすい犬種が多いです。
キャバリアでは特に若齢から発症することもあります。
弁の変化は「粘液腫様変性」と呼ばれ、年齢とともに少しずつ進行します。
🔍症状の進み方
僧帽弁閉鎖不全症は、
進行段階(ステージ)に応じて分けられます。
初期(ステージB1)では無症状ですが、心雑音が聴こえることがあります。
中期(B2)では心臓が拡大し、軽い咳や疲れやすさという症状が出ます。
重度(C〜D期)では肺水腫が起こり、呼吸困難で命に関わることもあります。
「うちの子、最近咳が増えた」と感じたら、早めの診察をおすすめします。

🧪当院での検査内容
当院では、以下のような検査を行ない、現在のステージを見極め、ガイドラインに合わせて治療のご提案をさせていただきます。
・聴診:心雑音の有無と強さ
・胸部X線検査(レントゲン):心拡大・肺水腫の確認
・心エコー:弁の動き・逆流の量・LA/Ao比
・血液検査:腎機能・電解質・NT-proBNPなど
検査は痛みを伴わず、ほとんどのわんちゃんがリラックスして受けられます。

💊治療方法と生活管理
僧帽弁閉鎖不全症は、早期であれば内科治療で長く安定した生活を送ることが可能です。
主な治療薬は以下の通りです。
・ピモベンダン(心臓のポンプ力を高める)
・ACE阻害薬(血管の負担を減らす)
・利尿剤(肺うっ血を防ぐ)
また、塩分を控えた食事、体重管理、無理のない運動も大切です。
場合により、僧帽弁修復手術(専門施設紹介)をご紹介させていただくこともあります。

🏥当院での取り組み
当院では、小型犬の心臓病に力を入れています。
・X線検査、心エコーを用いた定期的な循環器評価
・薬剤管理と生活指導の徹底
・定期的な再診フォローと発作時の救急待機
・必要に応じて専門医との連携
「うちの子が咳をするけど年のせいかも…」
そんな時こそ、早めにご相談ください。
早期に見つけるほど、心臓にかかる負担を軽減できます。
🧡飼い主さまが気を付けたいサイン
・咳が続く、とくに夜間や安静時
・散歩を嫌がる
・呼吸が速い、息が荒い
・舌の色が紫っぽい
・疲れやすくなった
これらが見られたら、すぐに受診をおすすめします。

🐾まとめ
僧帽弁閉鎖不全症は、「年だから仕方ない病気」ではありません。
早期発見・早期治療により、進行を抑え、元気にコントロールしていく病気です。
心雑音を指摘されたら、放置せずに一度ご相談ください。
当院では日常診療のなかで、こまめに聴診を行なっています。心臓病では、雑音が聴こえてくることが多いので、日頃の受診時に、症状が出る前に早期発見することができます。
また、ご希望の際には、日頃の定期健診のなかで、血液検査の項目に、心臓検査を含めています。
あなたと愛犬の未来を、私たちは一緒に支えていきます。

💬よくあるQ&A
Q1:僧帽弁閉鎖不全症は治りますか?
A1:内科的には治すことはできませんが、状態を改善させてあげることができます。
Q2:咳が出たらすぐ病院に行くべき?
A2:はい。咳は心臓病の初期サインのことが多いです。早期発見・早期治療が大切です。
Q3:薬は一生飲まなければいけませんか?
A3:多くの場合、継続治療が必要です。定期的な検査で薬剤を調整します。
Q4:手術はどこで受けられますか?
A4:当院で適応を判断し、僧帽弁修復手術に対応した専門施設をご紹介します。
Q5:日常生活で注意することは?
A5:塩分を控え、体重管理と安静を守りましょう。咳や呼吸の変化があればすぐ受診を。
これらの仕組みを動画でうまく説明してくれているサイトがありますので、ぜひご覧ください。飼い主様からよくご質問のある咳の症状も音付きで紹介されています。
│住友ファーマアニマルヘルス株式会社 (dog-heart.info)
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