最終更新日:2026年1月9日
猫の「不適切な排泄」とは?どんな状態を指すのか
猫の不適切な排泄はしつけの問題ではなく、膀胱炎や尿路閉塞などの泌尿器系の病気と、12歳以上では8割が罹患していると言われている骨関節症(OA;とくに腰)、トイレ環境の不満、生活上のストレスが背景にあることが多いため、まずは体調チェックが欠かせません。続いて、トイレの数・配置・形状・砂・清潔さを見直し、多頭飼育や環境変化によるストレス要因を減らすことで改善が期待できます。叱るのではなく、早期受診と環境・心理面のケアを組み合わせ、安心して排泄できる状態を整えることが再発予防のポイントです。
こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。
猫がトイレ以外の場所でおしっこやうんちをしてしまう――。
そんな「不適切な排泄行動」は、飼い主さまにとって大きな悩みのひとつです。しかし、これは単なる「いたずら」ではなく、猫なりのサインであることが多いのです。
ここでは、原因と対策を、動物病院の視点から分かりやすく解説します。

🧠マーキング行動とその理解
猫の不適切な排泄の中でも特に多いのがマーキング行動です。
オス・メス問わず、猫は縄張り意識が強く、自分の存在を示すために尿をスプレーすることがあります。スプレーというのは、垂直面にオシッコを吹き付けるように排泄することです。
アドバイス
- 猫の性格や生活環境をよく観察する
- 新しい猫・家具・引越しなどの環境変化をチェックする
- ストレス要因をできるだけ排除する
ポイント
- マーキングの目的を理解する
- 猫の性格や環境を考慮する
- 避妊・去勢手術が有効な場合もある
猫がマーキングを行う理由は、「不安」「縄張りの主張」「他の猫への反応」などさまざまです。
特に多頭飼いの家庭では、猫同士の関係性がマーキングの引き金になることもあります。

🚽トイレへの不満とその解消法
猫がトイレを使わない原因の多くは、トイレ環境への不満です。トイレが汚れていたり、猫ちゃんの好みに合っていなかったりする場合、別の場所を選びます。
アドバイス
- トイレの清潔さを保つ(毎日1〜2回掃除)
- トイレの数は猫の頭数+1個が理想
- 猫の好みに合ったトイレのサイズ、形状を選ぶ
- 猫の好みに合った猫砂のタイプを選ぶ
ポイント
- トイレの種類や数を見直す
- 猫砂やトイレシートを変えてみる
- 静かで落ち着ける場所に設置する
猫は「普段と違う臭い」「トイレが狭い」「他の猫の匂いが残っている」だけでも排泄を避けることがあります。
まずはトイレの清掃状態や配置場所をチェックしてみましょう。

😿不安感が引き起こす排泄問題
猫は非常に繊細な動物です。
来客、引越し、家族構成の変化などによる不安やストレスが、不適切な排泄の引き金になることもあります。
アドバイス
- 不安の原因を特定する
- 静かで安全な「隠れ家」を用意する
- フェロモン製品を利用してリラックスを促す
ポイント
- 環境を安定させる
- 猫の生活リズムを崩さない
- 優しく声をかける
不安による排泄問題では、粗相をしたことを叱るのは逆効果です。
猫が安心できるような空間づくりと、優しい接し方が改善の鍵になります。

🐈他の猫ちゃんからの刺激とその対策
他の猫ちゃんとの関係性が原因で、排泄トラブルを起こすケースもあります。
特に多頭飼育の場合、縄張り争いや順位意識がストレスとなることがあります。
アドバイス
- 猫同士の関係を観察する
- 縄張りを明確にする(食事場所・寝床を分ける)
- フェロモンスプレーの活用や遊び時間の確保
ポイント
- 他の猫との関係性を重視する
- ストレスを軽減する環境を整える
- 飼い主が公平に接する
猫が「飼い主を取り合う」「トイレの共有に不満を持つ」ことで不適切な排泄が起こることもあります。

💧猫の健康管理におけるオシッコの重要性
オシッコの状態は、猫の健康の“バロメーター”です。
色・量・ニオイに変化がある場合、病気のサインである可能性があります。
チェックポイント
- 色が濃い・赤い(血尿)
- 量が極端に多い・少ない
- ニオイが強くなった・臭わなくなった
これらは、膀胱炎・尿石症・腎臓病・糖尿病などの初期症状かもしれません。
毎日の排尿を観察し、異常を感じたら早めに動物病院へ。

📝健康維持のためのオシッコ記録
猫のおしっこの「回数・量・色・ニオイ」を記録することで、体調の変化に早く気づけます。
異常時のデータは獣医師にとって非常に有用な情報です。
ポイント
- 1日あたりの排尿回数を記録する
- 普段と違うときはすぐにメモ
- 動物病院での診察時に情報を提供する
記録アプリや簡単なメモ帳を使うと継続しやすくなります。

🧪異常時の対応策と動物病院での検査
おしっこの異常を見つけたら、早期発見・早期治療が何より重要です。
放置すると、腎臓や膀胱に深刻なダメージを与える可能性があります。
アドバイス
- 尿検査・血液検査を受ける
- 尿の色や回数の変化を詳しく伝える
- 獣医師の指示に従って治療・経過観察を行う
特にオス猫では尿道閉塞を起こしやすく、命に関わる緊急疾患になることもあります。
🧴猫のトイレ環境の整備とストレス管理
トイレ選びのポイント
- 猫の好み(砂のタイプ・形状)を考慮する
- 清潔さを保ちやすい素材を選ぶ
- 多頭飼いの場合は複数設置する
ストレス管理のための環境整備
- 静かな場所にトイレを設置する
- 隠れ家や高い場所を用意して安心感を与える
- 遊びやスキンシップでストレスを発散する

🍽食事と水分摂取が猫のおしっこに与える影響
食事内容や水分摂取は、尿の濃さや回数に直結します。
ドライフード中心の猫は水分が不足しやすく、尿が濃くなり膀胱炎や結石の原因となります。
対策
- ウェットフードを併用(ミックスフィーディング)して水分を増やす
- 流水型給水器を導入して飲水量をアップ
- 好きな飲み方を見つけて、工夫をする
- 尿pHコントロール食を獣医師の指導のもとで活用
🧼効果的な消臭とクリーニング方法:猫のおしっこ対策ガイド
おしっこの臭いは、放置すると猫ちゃんが「ここがトイレ」と認識して再び同じ場所で排泄してしまいます。
対策方法
- 酸素系・酵素系のペット用消臭剤を使用する
- アンモニア臭を中和する「重曹+クエン酸」スプレーも有効
- 早めの掃除で臭いの定着を防ぐ
漂白剤の使用は危険があるかもしれません。 アンモニアと反応して有毒ガスが発生する可能性があるため、必ず専用クリーナーを使用しましょう。

🧍♂️定期的な健康診断の重要性
猫は症状を隠す動物です。
不適切な排泄行動が、慢性腎臓病や尿石症の初期症状である場合もあります。
- 年1回(高齢猫は年2回)の定期検査を推奨
- 尿検査・血液検査で腎臓機能をチェック
- 行動の変化に早めに気づくことが大切
💡まとめ
猫の不適切な排泄は、環境・ストレス・健康異常のいずれかが関係していることがほとんどです。
叱るのではなく、原因を見極め、猫の気持ちに寄り添う姿勢が改善の第一歩になります。
もし改善しない場合は、動物病院での相談をおすすめします。
❓よくある質問(FAQ)
Q1. 猫が突然トイレ以外でおしっこをするようになったのはなぜ?
A1. 急な環境変化やトイレの不満、または膀胱炎などの疾患が原因の可能性があります。まず健康チェックを行いましょう。
Q2. マーキング行動は去勢すれば治りますか?
A2. 去勢・避妊で改善するケースは多いですが、完全に治るとは限りません。ストレス対策も併せて行うことが重要です。
Q3. トイレの数はどのくらい必要ですか?
A3. 猫の数+1個が理想です。多頭飼いの場合、各猫が安心して使えるよう複数の場所に設置しましょう。
Q4. 猫のおしっこのニオイが強くなったときの対処法は?
A4. 食事内容の見直しと水分摂取の増加を心がけましょう。強いニオイが続く場合は尿路感染症の可能性もあるため、動物病院での検査をおすすめします。
Q5. 消臭剤はどれを使えばいいですか?
A5. アンモニアを中和できるペット専用の酵素系消臭剤が最も効果的です。市販の芳香剤では臭いをごまかすだけなので注意しましょう。
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