最終更新日:2026年3月14日
雷を怖がる時にすぐにできる行動と逆効果となるNG行動
提供された資料は、犬の雷恐怖症の原因や具体的な症状、そして飼い主さまが取るべき適切な対応について行動診療科の獣医師の視点から解説したものです。犬が雷を怖がる背景には、鋭敏な感覚や過去のトラウマが関係しており、パニックによる脱走などの二次被害を防ぐための環境整備が重要であると説いています。記事内では、大声で叱ることや無理な外出といった避けるべき行動を挙げつつ、防音対策や安心できる居場所作りの大切さを強調しています。また、症状が深刻な場合には、動物病院での行動療法や薬物療法による専門的なアプローチが有効であることも紹介されています。全体として、愛犬の不安に寄り添いながら、科学的根拠に基づいたケアを行うための実用的なガイドとなっています。
こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。
2023年6月29日早朝、雷が鳴っていました。
科学が発展して、雷の正体が分かる有史以前、雷ってとても恐ろしいものだったでしょうね。
地震、雷、感染症など、人類は科学によっていろいろ究明してきました。
でも、感覚的に、雷って怖いですよね。
雷恐怖症とは、雷鳴や稲妻の音や光に過度に恐怖を感じる心理的な状態を指します。これは、本能の中にある恐怖反応が、雷や嵐といった自然現象に対して過剰な反応を引き起こす結果となります。
雷恐怖症の原因はさまざまですが、一つの要因としては、過去に雷や嵐と関連付けられたネガティブな経験があることが挙げられます。
例えば、雷が直接近くに落ちたり、騒音や明るさが犬に不快な状況を引き起こした場合などです。

また、音や光の感覚が人間よりも鋭敏であり、より驚きやすいのかもしれません。
犬の雷恐怖症の症状
雷恐怖症の兆候は、不安や興奮などのさまざまな行動パターンで現れることがあります。具体的な行動としては、震える、逃げる、隠れる、噛む、吠える、または飼い主に寄り添うなどが挙げられます。
軽度
- 耳を伏せる
- 飼い主にくっつく
中等度
- 震える
- よだれ
- 隠れる
重度
- 破壊行動
- 自傷
- 失禁
- パニック逃走
一部のペットでは、雷が鳴る前に予兆を感じ取って不安になることもあります。
飼い主様にとっても心配な問題です。
ペットに安心感を与えるために、安全な場所を提供しましょう。これには、隠れることができる場所や、静かな場所を用意することが含まれます。
リラックスできる環境を提供するために、落ち着いた音楽や抗不安作用のあるサプリを使用することも有効です。

雷のときにやってはいけない対応
わんちゃんが雷を怖がっているとき、良かれと思って行った行動が、かえって恐怖を強めてしまうことがあります。次のような対応は避けるようにしましょう。
●大声で叱る
「うるさい」「大丈夫だから静かにしなさい」などと叱ってしまうと、ワンちゃんは、雷+飼い主に叱られる経験が結びつき、恐怖がさらに強くなる可能性があります。
●無理に外へ連れ出す
雷のときに散歩へ行こうとすると、犬は強いストレスを感じます。また、パニックになり脱走や交通事故の危険もあるため非常に危険です。
●無理に落ち着かせようとする
隠れたいときに引きずり出したり、抱き上げて動きを止めたりするのは逆効果になることがあります。ワンちゃんには安心できる場所に逃げる行動があり、それを妨げないことが大切です。
●雷を怖がる様子を笑ったり動画を撮る
飼い主さまが笑ったり騒いだりすると、犬は「何か重大なことが起きている」と感じ、不安がさらに強くなることがあります。
●雷のたびに大げさに反応する
飼い主さまが雷のたびに慌てたり不安そうにすると、その緊張が犬に伝わります。できるだけ普段通り落ち着いた態度で接することが重要です。
●パニック状態を放置する
激しい震えや破壊行動、脱走を試みるなどの症状がある場合は、雷恐怖症の可能性があります。このような場合は、動物病院で行動療法や薬物療法による治療を検討することが重要です。

動物病院で行う雷恐怖症の治療(行動療法+薬)
行動診療科では行動療法薬の投与や認知行動療法の技術を用いて、事前に恐怖反応を軽減することも可能です。
◆行動療法
脱感作 desensitization
恐怖の原因となる音(雷の音など)をごく弱いレベルから少しずつ慣らしていく訓練です。
拮抗条件付け counter-conditioning
雷の音に対して、おやつや遊びなどの良い経験を結びつけて恐怖の感情を変えていく方法です。
◆薬物療法;欧米の獣医行動学でよく使われているもの
デクスメデトミジン口腔粘膜ゲル
→雷や花火などの急性の恐怖や不安を和らげるために使われる薬です。
アルプラゾラム
→ベンゾジアゼピン系の抗不安薬で、雷恐怖症などの不安障害で使用されることがあります。
イメピトイン
→ 抗てんかん薬として開発された薬ですが、犬の雷恐怖症の治療にも効果が報告されています。ヨーロッパではこの目的で使用されています。
雷恐怖症は、ペットと飼い主様の両者にとってストレスを引き起こす状態ですが、適切な管理とサポートを通じて、より安心できる環境を作り出すことができます。
飼い主様の理解と注意深いケアによって、雷に対する恐怖心を克服し、より健康で幸せな生活を送ることができるでしょう。

雷を怖がるワンちゃんに今すぐできる7つの対処法
雷の音を怖がる犬ワンちゃんは少なくありません。恐怖が強い場合はパニックになってしまうこともあります。雷が鳴ったときには、次のような対策を行うことで不安を和らげることができます。
1 安心できる場所を用意する
ワンちゃんは怖いときに狭くて暗い場所に隠れることで安心感を得ることがあります。
クレートやベッド、テーブルの下など、落ち着ける場所をあらかじめ用意しておきましょう。クレートにタオルをかけて暗い空間を作ると落ち着く子もいます。
2 雷の音を和らげる
テレビや音楽を流すことで、雷の音を完全ではないもののある程度マスキングすることができます。
また、窓やカーテンを閉めておくと、稲光や外の刺激を減らすことができます。
3 普段通り落ち着いて接する
ワンちゃんは飼い主さまの感情を敏感に感じ取ります。慌てたり不安そうにすると、その緊張がワンちゃんにも伝わります。
できるだけ普段と同じ落ち着いた態度で接することが大切です。
4 犬が隠れたい場所を尊重する
雷のとき、ワンちゃんがベッドの下や家具の隙間に隠れることがあります。
これは自分で安全な場所を探している行動です。無理に引きずり出さず、その子が落ち着ける場所にいさせてあげましょう。
5 軽い遊びやおやつで気をそらす
恐怖がそれほど強くない場合は、おやつや簡単な遊びで気をそらすと不安が軽くなることがあります。
ただし、すでに強いパニック状態になっている場合は、おやつや遊びに反応しないこともあります。
6 脱走防止を徹底する
雷恐怖症の犬はパニック状態で逃げ出そうとすることがあります。
- 窓やドアをしっかり閉める
- ベランダに出さない
- 首輪や迷子札をつける
など、脱走防止を徹底することが重要です。
7 症状が強い場合は動物病院に相談する
雷のたびに
- 激しく震える
- 破壊行動をする
- 脱走しようとする
- 食欲がなくなる
などの症状が見られる場合は、雷恐怖症の可能性があります。
このような場合は、動物病院で行動療法や抗不安薬などの治療を検討することができます。

犬の雷恐怖症|よくある質問(Q&A)
Q1 犬が雷を怖がるのはなぜですか?
犬は人よりも聴覚が鋭く、雷の低周波音や振動、気圧の変化を敏感に感じ取ります。過去に怖い経験があると、雷の音を危険と学習して強い恐怖反応を示すようになります。
Q2 犬が雷で震えるのは病気ですか?
多くの場合は恐怖や不安による正常な反応です。しかし、震えが激しい場合やパニック状態になる場合は、雷恐怖症と呼ばれる行動学的問題の可能性があります。
Q3 犬が雷のときにパニックになります。どうすればいいですか?
まず犬が安心できる静かな場所を用意してあげてください。カーテンを閉めて光を遮り、テレビや音楽を流して雷鳴を和らげると落ち着く場合があります。
Q4 雷のとき犬を抱っこしてもいいですか?
落ち着かせるために優しく寄り添うのは問題ありません。ただし、過剰に心配して騒ぐと、飼い主さまの不安が犬に伝わり、恐怖が強まることがあります。
Q5 犬の雷恐怖症は治りますか?
完全に消えるとは限りませんが、行動療法や環境調整、必要に応じた薬物療法によって症状を大きく軽減できることがあります。
Q6 雷の前に犬が落ち着かなくなるのはなぜですか?
犬は雷の音が聞こえる前から、遠くの低周波音や気圧の変化、静電気を感じ取ることがあります。そのため雷が来る前から不安な行動を示すことがあります。
Q7 雷のとき犬が隠れるのは普通ですか?
はい、よくある行動です。犬は本能的に暗くて狭い場所を安全な避難場所として選ぶため、テーブルの下やクレートに隠れることがあります。
Q8 犬が雷のときに脱走しようとします。危険ですか?
非常に危険です。雷恐怖症の犬はパニック状態で逃げようとすることがあり、迷子や交通事故につながることがあります。雷の日は戸締まりを徹底しましょう。
Q9 雷恐怖症の犬に薬は必要ですか?
症状が軽い場合は環境対策だけで改善することもあります。しかし、強いパニックや自傷行動がある場合は、動物病院で抗不安薬などの治療を検討することがあります。
Q10 雷恐怖症は年齢とともに悪化しますか?
犬によって異なりますが、経験を重ねることで恐怖が強くなるケースもあります。早い段階で対策を行うことが重要です。

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