コラム:「最新研究で明らかになった「キリンは4種類」説」

キリンの4種

—動物病院から見た野生動物の保全の重要性—

こんにちは!アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。

キリンといえば、長い首と優雅な姿で世界中の人に愛される動物です。これまで「キリンは1種類の動物」と考えられてきましたが、最近の国際的な研究によって、実は4つの異なる種に分けられることが明らかになりました。

研究の背景

アフリカ大陸に広く分布するキリンは、地域によって模様や体格が少しずつ異なることが知られていました。研究者たちは、頭骨の形や大きさの比較、そしてDNA解析を行ない、遺伝的に明確に区別できる4つのグループが存在すると結論づけました。

認定された4つのキリンの種

  1. ミナミキリン
     ナミビア、ボツワナ南部、南アフリカなど、南部アフリカのサバンナに暮らしています。川や熱帯雨林に隔てられて、他のキリンと長い間交わらず、独自に進化してきたと考えられます。
  2. アミメキリン
     ケニアやソマリア、エチオピアの草原に生息し、網目状の美しい模様が特徴です。タナ川や山岳地帯によって他のキリンと分断された結果、独立した種になったとされています。
  3. キタキリン
     エチオピア西部やウガンダ、南スーダン東部などに分布。ナイル川やヴィクトリア湖といった自然の障壁が、他の地域のキリンと交わることを防いできました。
  4. マサイキリン
     ケニアとタンザニアに生息し、葉っぱの形の模様が特徴的です。模様は個体差が大きく、年齢によっても変化しますが、遺伝的な解析により別種であることが確認されました。

なぜ分類の見直しが重要なのか

国際自然保護連合(IUCN)は、正確な分類は保全活動の計画に不可欠だと強調しています。IUCNのサイトで写真が見られます。これまで「1種」としてまとめられていたため、地域ごとの絶滅リスクが見えにくい状態でした。今回の分類見直しにより、それぞれの種に応じた保護対策を立てやすくなります。

たとえば、ある地域では個体数が増えていても、別の地域では急激に減少している場合があります。今後、IUCNは4つの種それぞれについて絶滅危険度を再評価し、保護策を強化する予定です。

動物病院からのひとこと

身近なペットではないキリンですが、このような研究は「種を守るためには正確な情報が必要」という点で、犬や猫、エキゾチックアニマルの保護とも共通しています。分類や遺伝子解析の進歩は、動物医療や保全活動をより科学的にしてくれる大切な一歩ですね。


日本の動物園にいるキリンも含めた最新分類と旧亜種対応表

新しい分類(4種)学名旧亜種主な分布地域(野生)日本の動物園での例
ミナミキリンGiraffa giraffaアンゴラキリン(Angolan giraffe)、南アフリカキリン(South African giraffe)南アフリカ、ナミビア、ボツワナ南部、ジンバブエ南部、モザンビーク南西部なし(日本ではほとんど見られない)
アミメキリンGiraffa reticulataアミメキリン(Reticulated giraffe)ケニア北部、ソマリア、エチオピア名古屋市東山動植物園のキリンはアミメキリンに相当
キタキリンGiraffa camelopardalisロスチャイルドキリン(Rothschild’s giraffe)、ヌビアキリン(Nubian giraffe)、コルドファンキリン(Kordofan giraffe)、西アフリカキリン(West African giraffe)ウガンダ、ケニア西部、南スーダン東部、チャド、ニジェール、エチオピア西部豊橋市ののんほいパークのキリンはキタキリンに相当
マサイキリンGiraffa tippelskirchiマサイキリン(Masai giraffe)、ルアングワキリン(Luangwa giraffe)ケニア南部、タンザニア、ザンビア東部なし(日本では少数)

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