こんにちは!アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。
今回は再びヒョウモントカゲモドキの概略をお伝えしようと思います。
1. ヒョウモントカゲモドキとは?
ヒョウモントカゲモドキ(Eublepharis macularius)は、アジア西部(パキスタン、アフガニスタン、インド北西部)に分布する夜行性ヤモリです。野生では乾燥地の岩陰や土中に潜り、昼間の高温を避けながら生活しています。
- 寿命:平均10〜15年、適切な飼育下で20年生きる個体も報告されています。
- 体重:成体で45〜90g(雌はやや小さめ)。
- 性格:温和で人に慣れやすいため、初心者にも人気ですが、温度や栄養管理を誤ると短命に終わることがあります。

2. 飼育環境の基本
温度管理
- 日中(ホットスポット):30〜32℃
- 夜間:24〜26℃
- 温度をモニターするため、温・湿度計は必須。
臨床的意義:
体温が低いと摂食不良・消化不良・免疫低下を招き、寄生虫感染や代謝性骨疾患(MBD)のリスクが高まります。
照明・紫外線
- 夜行性のため強いUVBは不要とされてきましたが、近年の研究(Martínez‐Silvestre 2020, J Exot Pet Med)では低レベルのUVBがD3合成や骨代謝に寄与する可能性が報告されています。
- 飼育下でも弱めのUVB照射を推奨する専門医が増えています。
シェルター
- ウェットシェルター(保湿用):脱皮不全予防
- ドライシェルター(休息用):安心できる隠れ家
複数設置が理想です。

3. 食餌管理
主な餌
- コオロギ(ヨーロッパイエコオロギ、フタホシコオロギ)
- ミールワーム、デュビアローチ
- 人工餌
ポイント:
- カルシウム剤のダスティング:毎回必須
- ビタミンD3を含む総合ビタミン・ミネラル剤:3週おき、過剰投与は中毒
- 多様性:単一餌のみだと栄養バランス不良を招くおそれ。
臨床でよくある栄養失調
- MBD(代謝性骨疾患)
- 脂肪肝(肥満個体に多い)
- 腎障害(ビタミン過不足)

4. 健康管理とよくある病気
脱皮不全(Dysecdysis)
- とくに指先・尾先に残りやすい。放置すると壊死 → 自切の原因に。
- 湿度不足・ビタミンA欠乏が関与。
寄生虫症
- コクシジウム、蟯虫など。
- 下痢・体重減少で発覚。飼育開始したら必ず糞便検査。
栄養性疾患
- MBD(カルシウム不足・ビタミンD3欠乏)
- 肥満(尾の肥厚、脂肪肝)
感染症
- 細菌性皮膚炎(黄色ブドウ球菌など)
- 口内炎(Stomatitis)
5. 獣医師の立場からの注意点
- 「食欲がない」=病気のサイン:ヤモリは飢餓に強いため、症状が出た時には重症化しているケースが多いです。
- 誤診が多いポイント:「痩せてきた=老化」と思われがちですが、実際には寄生虫感染や腎疾患が隠れていることが多いです。
- 健康診断(糞便検査、X線検査)は年1回以上を推奨します。
6. 飼い主さまへのアドバイス
- 爬虫類は犬猫のように体調不良を訴えません。
- 飼育環境のわずかなズレが命に関わるため、早めに動物病院で相談してください。
- 特に「脱皮がうまくいかない」「糞がゆるい・出ない」「食欲が2日以上ない」は受診の目安です。
まとめ:小さな“芽”を見逃さないために
ヒョウモントカゲモドキは初心者でも飼いやすいとされますが、実際には「適切な環境と栄養管理が整ってこそ長寿が叶う動物」です。
当院ではエキゾチックアニマル診療経験豊富な獣医師が診療を行なっており、飼い主さまの不安や疑問に丁寧に対応します。
レオパの病気は、小さな変化=“雑草の芽”から始まります。芽のうちに気づいて対処すれば、重症化を防げるのです。
「ちょっとおかしいな」と思ったとき、それは雑草の芽を見つけた瞬間かもしれません。早めに相談いただくことで、治療はぐっと簡単になり、レオパの寿命も延ばすことができます。
当院 アロハオハナ動物病院 では、犬猫だけでなく、エキゾチックペットの健診・診療も幅広く行なっています。ヒョウモントカゲモドキの飼育歴や写真をお持ちいただければ、より的確なアドバイスが可能です。
小さな“雑草の芽”を一緒に摘み取り、大切な家族の健康を守っていきましょう。
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