温度・湿度・ストレス・栄養バランスを整えて、リクガメの「食べない」を防ぐ
リクガメの食欲不振は、温度や湿度などの環境の乱れ、ストレス、栄養バランスの偏り、あるいは病気が原因となることがあります。理想的な温度(昼27〜32℃・夜20〜24℃)と湿度(40〜60%)を維持し、静かで安心できる環境を整えることが重要です。また、食事内容の見直しやUVBライト・カルシウム補給による健康維持も欠かせません。環境エンリッチメントで活動性を高め、早めの健康チェックで異常を見逃さないことが、食欲回復への近道です。
こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。
リクガメが突然食べなくなった――そんな相談は非常に多く、特に秋冬の季節に増加します。
実は、リクガメの食欲不振の多くは「環境要因」と「心理的ストレス」が深く関係しています。
ここでは、原因・チェックポイント・改善策を順に詳しく解説します。

🩺リクガメの食欲不振の原因とは
環境要因が影響する
リクガメの食欲不振は、環境の乱れに大きく左右されます。
まず最も重要なのは温度管理です。リクガメは変温動物のため、体温が下がると代謝も落ち、自然と食欲が低下します。
- 日中の温度:27〜32℃
- 夜間の温度:20〜24℃
この温度差を意識し、保温ランプやサーモスタットで調整しましょう。
湿度も重要です。乾燥しすぎると脱水や呼吸器系の問題を引き起こすことがあります。湿度40〜60%を保つのが理想的です。
また、環境の急変や他のペットとの接触、騒音などもストレス要因となり、食欲が落ちることがあります。
リクガメが安心して過ごせる静かなスペースを確保しましょう。

🔍健康状態のチェックポイント
食欲不振の背景には、健康上の問題が潜んでいることもあります。以下の3点を確認してください。
- 体重の変化:急激な増減は要注意。週1回は測定をして、記録を残しましょう。
- 便の状態:便が出ない、形が極端に変わる、色が異常な場合は消化器疾患の可能性があります。
※検便は基本中の基本です! - 口や目の異常:口内炎や目の腫れは痛みを伴い、食べられなくなる原因に。
これらに異常が見られた場合は、自己判断せず、早めに爬虫類に詳しい獣医師に相談してください。
🌡リクガメの食欲不振を解消するための対策
温度と湿度の適正管理
リクガメが最も活動的で食欲が旺盛になる温度帯を維持することが基本です。
昼はホットスポットを32℃前後、夜は20℃前後に。
また湿度は40〜60%を維持し、乾燥が気になる場合は霧吹きや加湿器を活用しましょう。
ポイント
- 温度計・湿度計を常備
- 昼夜で環境を切り替える
- 水入れを大きめにして湿度補助
食事内容の見直し
リクガメの食欲不振は、食事の質や鮮度にも関係します。
野菜・果物・カルシウム源をバランスよく与え、古い餌やカビた食材は避けましょう。
おすすめのポイント
- 栄養バランスを考えた野菜中心の食事
- 毎日新鮮な食材を準備
- 好みの食材(例:タンポポの葉、チンゲン菜など)を観察して把握
また、カルシウムとビタミンD3の補給は甲羅形成や食欲維持に不可欠です。屋内飼育ではUVBライトの使用を忘れずに。

😌リクガメが食べない理由とその対処法
ストレスの軽減方法
リクガメは周囲の変化に敏感です。
新しいケージ、掃除の頻度、他のペットとの接触、騒音などがストレス源になることも。
対策
- 静かな場所にケージを置く
- シェルター(隠れ家)を用意
- 1日数分の観察で行動変化をチェック
ストレスが減ることで、数日〜1週間で食欲が戻るケースも多く報告されています。
季節ごとの食欲変化
リクガメは季節・温度によって代謝が変わるため、冬季は自然に食欲が落ちることがあります。
半冬眠状態に入る個体もおり、無理に食べさせるのではなく、環境を整えて見守ることも大切です。
春や夏は活発期です。新鮮な野草(オオバコ、クローバーなど)を取り入れ、季節感を出すと食欲が戻りやすくなります。

🧠リクガメの健康管理と食欲の関係
定期的な健康チェックの重要性
体重、食事量、便の状態を記録し、少しでも異常を感じたら獣医師に相談を。
爪や甲羅の変形、目の濁りなども健康のサインです。
定期的な健康診断(年1〜2回)を受けることで、早期発見・早期治療が可能になります。
病気の兆候を見逃さないために
- 食欲減退や活動量低下
- 下痢・便秘の持続
- 呼吸音の異常や口の泡
- 甲羅のやわらかさや変色
これらが見られる場合、寄生虫感染・呼吸器疾患・甲羅軟化症などの可能性が考えられます。
一見元気でも、微妙な変化を見逃さないようにしましょう。
🌿リクガメの食欲不振を防ぐための日常ケア
適切な飼育環境の整備
- 温度:日中30℃前後、夜間20℃程度
- 湿度:50〜70%
- 隠れ家:安心できるシェルターを設置
ケージ内の温度勾配を作ることで、リクガメ自身が心地よい場所を選べます。
環境が安定すると、食欲も自然に戻っていきます。
栄養バランスの取れた食事の提供
- 多様な食材で変化をつける
- カルシウム+ビタミンD3を補給
- 新鮮な野菜を中心に
日々のメニューに工夫を加えることで、食欲の刺激にもつながります。
特に室内飼育ではUVB照射とカルシウム粉末の併用が必須です。

🧩心理的ストレスと環境エンリッチメントが食欲不振に与える影響
多くの情報サイトでは温度や湿度など身体的要因に注目しますが、心理的ストレスもリクガメの食欲不振に影響します。
刺激の少ない単調な環境では、活動性が低下し、結果として摂食行動も減少します。
環境エンリッチメントの工夫
- ケージ内に岩・流木・草を配置して探索欲を刺激
- シェルターや日陰を複数設ける
- 水浴びや日光浴の時間を作る
これらの工夫はリクガメの「安心感」と「行動の自由」を高め、食欲改善に大きく貢献します。
ストレスフリーな環境が、最良の治療となる場合も少なくありません。
❓FAQ:リクガメの食欲不振でよくある質問
Q1. どれくらい食べないと危険ですか?
→ 2〜3日食べない程度であれば様子見可能ですが、1週間以上続く場合は受診をおすすめします。
Q2. 食べないときに果物を与えてもいいですか?
→ 一時的な食欲刺激には有効ですが、糖分過多になるため常用は避けましょう。
Q3. 紫外線ライトはどのくらい必要?
→ 毎日8〜10時間点灯が理想です。UVB強度の低下を防ぐため、半年ごとの交換を。
Q4. 冬眠中の食欲低下は問題ですか?
→ 環境温度が15℃以下で活動が落ちている場合は自然な反応です。ただし呼吸異常や体重減少がある場合は要注意。
Q5. 食べない原因が病気の可能性は?
→ 呼吸器感染、消化管内寄生虫、口内炎などが原因になることがあります。早めに検査を受けましょう。

🐢まとめ
リクガメの食欲不振は、温度・湿度・食事・ストレス・健康状態の複合的な影響によって起こります。
飼育環境を見直し、心理的にも安定した空間を整えることが、最大の予防策です。
もし数日たっても食欲が戻らない場合は、必ず爬虫類に詳しい獣医師にご相談ください。
出典参考(英語文献)
- Divers, S. J., & Mader, D. R. (2019). Reptile Medicine and Surgery, 3rd Edition. Saunders Elsevier.
- Boyer, T. H. (2006). “Clinical Reptile Medicine and Surgery.” Journal of Exotic Pet Medicine, 15(3), 178–192.
- Stahl, S. J., et al. (2020). “Chelonian nutrition and husbandry.” Exotic Animal Practice, 23(4), 815–832.
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アロハオハナ動物病院 かもがわ公園小動物クリニック
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