シニア猫がジャンプしなくなったら要注意|猫の関節炎と“薬に頼らない”生活改善🐱

猫の関節炎(OA)は「年のせい」だけではありません

シニア猫の関節炎(変形性関節症)について解説しました。猫ちゃんがジャンプを控えるのはただの老化ではなく痛みのサインである可能性が高く、その予防には体重管理が最も重要です。また、食事場所の調整や段差の解消といった生活環境の改善が、猫ちゃんの生活の質を高めるために不可欠です。薬物療法については、副作用のリスクを考慮し、安易な漫然とした使用を避けて正確な診断に基づいた適切なケアを行うよう推奨しています。全体として、飼い主さまが愛猫の小さな変化に気づき、早期の相談と対策を行うことの大切さをお伝えしています。

こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。

猫の関節炎(変形性関節症:Osteoarthritis, OA)は、「高齢だから仕方ない」「猫は痛みを我慢する動物だから分かりにくい」と見過ごされがちな病気です。
しかしアメリカの獣医学では、猫のOAは極めて一般的で、かつ生活の質(QOL)を大きく下げる疾患として強く認識されています。

猫がジャンプしなくなったとき、
それは性格が変わったのでも、年齢の問題でもないかもしれません。

関節に痛みがある猫は、
「できない」のではなく「やらなくなる」のです。
そしてそれは、飼い主さんにとって最も気づきにくいサインでもあります。

重要なのは、
「どんな病気が原因か」よりも、「どうすれば発症を防げるか」「発症後、どう暮らしを設計するか」です。


猫のOAは、さまざまな病態の“最終結果”

猫の関節炎は、単独で突然起こるものではありません。
以下のような疾患・状態の結果としてOAに至るケースが多く見られます。

  • 変形性関節症(一次性・二次性)
  • 外傷性骨折・脱臼
  • 股関節形成不全
  • 膝蓋骨脱臼
  • 前十字靭帯断裂
  • 骨軟骨異形成症
  • 免疫介在性関節炎
  • 変形性脊椎症
  • 変性性腰仙部狭窄症
  • 椎間板ヘルニア

しかし、これらの診断名そのものより重要なのが「生活環境」です。
同じ病気を抱えていても、生活設計次第で痛みの出方は大きく変わります。


OAを発症させないために、最も重要なのは「体重管理」

アメリカの猫OA研究で、最も一貫して示されているリスク因子は
「過体重・肥満」です。

体重が増えると、

  • 関節軟骨への物理的負荷が増す
  • 炎症性サイトカインが増え、関節炎を助長する
  • 動かなくなり、筋力が低下し、さらに関節が不安定になる

という悪循環が起こります。

OA予防でできる最大の治療は、「太らせないこと」です。

シニア期に入ってからの減量はなかなか難しく、若い頃からの体重コントロールが、将来の関節を守ります。


OAを発症した猫のための「生活の工夫」

OAと診断された、あるいは疑われる猫に対して、手術や薬よりも先に見直すべきなのが生活環境です。

① 食器の高さを見直す

床に置いた食器は、首・肩・前肢関節(肘関節の発症が多い)に負担をかけます。
胸の高さ程度に持ち上げるだけで、食事時の痛みが軽減する猫ちゃんは多くいるようです。

② トイレのバリアフリー化

「縁の高いトイレ」は、OA猫にとって「トイレを我慢する原因」になります。
低い入口、広いスペース、滑らない床材が重要です。

③ 目線より高い場所を「無理に使わせない」

猫は本来、高い場所が好きです。
しかしOA猫にとって、

  • 高所へのジャンプ:腰の痛み
  • 高所からの着地:前足の痛み

は関節への強い衝撃になります。

ステップを細かく設置する、もしくは無理に登らなくても安心できる居場所を作ることが大切です。


痛み止めは「必要な治療」だが、「診断なしの継続使用」は危険

正直にお伝えします。
OAの猫で、痛み止めを使わずに済むケースは多くありません。

しかし同時に、非常に重要な注意点があります。

診断をせず、漫然と痛み止めだけを使い続けることは危険です。

理由は明確です。

  • OAだと思っていたら、腫瘍・感染・神経疾患だった
  • 原因疾患が進行し、取り返しがつかなくなる
  • 腎臓・消化管への副作用を見逃す

特に猫ちゃんでは、鎮痛薬の安全域は犬よりもはるかに狭い。
「効いているから続ける」ではなく、
「診断に基づいて、必要最小限を、定期評価しながら使う」ことが不可欠です。

※お薬をあげることが難しいという飼い主さまがいらっしゃいますが、関節炎に関しては、注射で長期間維持できるお薬もございますので、ぜひご相談ください。


猫ちゃんのOAは「生活の病気」

猫の関節炎は、

  • 年齢の問題ではなく
  • 運命でもなく
  • 痛み止めだけで済ませる病気でもありません

日常の体重管理、住環境の工夫、正確な診断。
この3つがそろって、初めて猫ちゃんのQOLは守られます。

「最近ジャンプしなくなった」
「動きがゆっくりになった」
それは年齢ではなく、痛みのサインかもしれません。

気になる変化があれば、
“痛み止めをもらうため”ではなく、“原因を知るため”に受診してください。


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