こんにちは、アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニックの院長です。
デグーは、その愛らしい姿と活発な性格で人気のペットですが、彼らの健康管理には特有の注意が必要です。当クリニックで頻繁に見られるデグーの健康問題には、飼育環境や食事に起因するものが多くあります。この記事では、デグーに一般的に見られる問題とその対策について詳しく説明します。
食道閉塞
問題の概要
デグーは自然界では乾燥した草や木の皮を食べる動物です。飼育下では、飼い主さまが与えるドライフルーツが原因で食道閉塞を引き起こすことがあります。ドライフルーツはデグーにとって甘くて美味しいおやつですが、糖分が多いことも問題の1つです。
原因
ドライフルーツは非常に乾燥しており、デグーの小さな食道を詰まらせることがあります。ふやけにくく、一度詰まってしまうと、食道に長くとどまり、不快感からヨダレが出てきます。
対処法
- 予防: ドライフルーツの代わりに適度な量の新鮮な野菜や果物を与えることをお勧めします。デグーの主食は牧草や高繊維のペレットであるべきです。
- 治療: 食道閉塞が疑われる場合、すぐに受診してください。放置すると命に関わるため、早急な対応が必要です。全身麻酔をかけて、詰まったものを胃に押し込みます。
不正咬合
問題の概要
デグーの歯は一生伸び続けるため、適切にすり減らさないと不正咬合(歯の噛み合わせ不良)が起こります。この問題は、よだれを垂らす、食欲不振、体重減少などの症状を引き起こします。
原因
不正咬合の主な原因は、適切なものをかじる機会が少ないことです。飼育環境に木の枝や特別なかじり木を用意しないと、歯が過剰に伸びてしまいます。金網などの金属などを齧ることで、前歯が曲がったり、折れてしまったりすることもあります。
対処法
- 予防: デグーが自然に歯をすり減らすための物を提供することが重要です。専用のかじり木や安全な木の枝をケージに入れておくと良いでしょう。
- 治療: 不正咬合が進行した場合、全身麻酔をかけて歯の処置を実施しています。定期的な歯のチェックと適切な管理が不可欠です。
脱毛
問題の概要
脱毛はデグーの健康問題の一つであり、ストレス、栄養不足、寄生虫などの感染等さまざまな原因があります。部分的な脱毛や全身的な脱毛が見られることがあります。不正咬合などが原因でヨダレが出て、それで口の周りが濡れて脱毛したり、前足で口周りを触れることで前足が脱毛することもあります。気にしすぎて、咬みちぎってしまう、自咬症に発展することもあります。
原因
- ストレス: 飼育環境の変化、過密な飼育、他のデグーとの争いなどがストレスを引き起こし、脱毛の原因になります。
- 栄養不足: 繊維分が少なく糖分の多いような不適切な食餌は、皮膚と毛の健康に悪影響を及ぼします。
- 寄生虫: 外部寄生虫(ノミ、ダニなど)が皮膚のトラブルを引き起こすことがあります。
対処法
- 予防: ストレスを軽減するために、広いケージと隠れ場所を提供し、バランスの取れた食餌を与えることが重要です。毎日1時間以上の運動を複数回できるような放飼場があるといいと言われています。明暗のサイクルを12時間交代にすることも大切です。床材を使って潜れるような行動ができるとよいでしょう。
- 治療: 脱毛の原因が寄生虫の場合、適切な駆虫治療が必要です。栄養不足の場合は、食餌の見直しを行ないましょう。
陰茎脱(ペニス脱)
問題の概要
陰茎脱はデグーの雄に見られる問題で、陰茎が通常の位置から脱出し、戻らない状態です。陰茎に被毛が絡みついて、うっ血していることがあります。この状態は非常に痛みを伴い、迅速な治療が必要です。
原因
主な原因は交尾や自慰行為の際の外傷、あるいは尿路結石などの泌尿器の問題です。また、ケージ内の不適切な構造物や鋭利な物が原因となることもあります。
対処法
- 予防: ケージ内の安全性を確保し、デグーが傷つかないようにすることが重要です。また、定期的な健康チェックを行ない、とくに普段は見えないおなか側に異常がないか確認することが大切です。
- 治療: 陰茎脱が発生した場合、すぐに獣医師の診察を受けることが必要です。迅速な治療が行なわれないと、陰茎の感染や壊死のリスクが高まります。
糖尿病
問題の概要
デグーは糖尿病になりやすい動物です。これは、彼らの代謝が特定の糖類に対して敏感であり、不適切な食餌が原因で糖尿病を引き起こすことがあります。糖尿病は、体重減少、過剰な飲水と排尿、食欲不振などの症状を伴います。
原因
- 高糖質食: デグーの自然な食事には糖分がほとんど含まれていないため、飼育下での高糖質食(果物や市販の砂糖入りのおやつなど)は非常に危険です。
- 遺伝的要因: 一部のデグーは遺伝的に糖尿病にかかりやすい傾向があります。
対処法
- 予防: デグーの食餌は低糖質で高繊維のものを中心にすることが重要です。果物や甘いおやつは避け、牧草やペレットを主食とすることをお勧めします。
- 治療: 糖尿病が診断された場合、獣医師の指導のもとでインスリン注射や特別な食事管理が必要です。定期的な血糖値のモニタリングも行なわれることがあります。しかし、なかなか困難です。
肥満
問題の概要
肥満はデグーの健康に深刻な影響を及ぼします。肥満になると、関節に負担がかかり、心臓や肝臓の機能にも悪影響を及ぼします。運動不足や高カロリーの食餌が主な原因です。
原因
- 高カロリー食: 種子やナッツなど高カロリーの食べ物を多く与えると、デグーは肥満になりやすいです。
- 運動不足: 狭いケージや運動の機会が少ないと、デグーの活動量が減り、肥満のリスクが高まります。ただし、金網の回し車だと足先を怪我することがあるので、注意してください。
対処法
- 予防: デグーのケージには運動用のホイールや遊び道具を設置し、十分な運動を促すことが重要です。また、バランスの取れた食餌を与え、カロリーをコントロールすることも大切です。
- 治療: 肥満になってしまった場合、徐々に食事のカロリーを減らし、運動量を増やすプログラムを獣医師と相談しながら実施します。
結論
デグーの健康を保つためには、適切な飼育環境とバランスの取れた食事が不可欠です。日常のケアと早期発見・早期治療が重要です。飼い主さまとしての責任を持ち、デグーの健康管理に努めましょう。
あなたのデグーが健康で長生きするために、この情報を役立ててください。デグーの健康管理に関する知識を深め、日常のケアに活かすことで、愛するペットとの楽しい生活を送りましょう。
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