最終更新日:2026年4月24日
モルモットの足裏が腫れているとき
モルモットの足裏の赤みは放置せず、早期の床環境改善と受診が重要です。
この記事は、モルモットに多く見られる足底皮膚炎(ソアホック)の症状や原因、そして適切な治療法について獣医師が詳しく解説したものです。初期段階である足裏の赤みや腫れを放置すると、重度の感染症や骨髄炎に進行する危険性があるため、早期の受診と対策が強く推奨されています。発症の主な要因として、不衛生な飼育環境、硬すぎる床材、肥満による足裏への過度な負荷、運動不足などが挙げられています。治療には投薬や洗浄だけでなく、ケージの清掃や床材の見直しといった生活環境の改善が不可欠です。飼い主さまが日常的に健康チェックを行い、異常を素早く見つけることが、モルモットの健康を守る鍵となります。
こんにちは、アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニックの院長です。
モルモットの足裏に腫れや赤みが生じることを足底皮膚炎、それがただれた状態を足底潰瘍といいます。英語では、ソアホックsore hockといいます。飼い主さまが注意を払っていかなければならない重要な健康問題の一つです。これはモルモットが長時間不適切な床材や環境で過ごすことが原因で発生しやすくなります。以下に、モルモットの足底潰瘍についての詳細な解説をお伝えします。

モルモットの足裏が赤いだけでも病院に行くべき?
「まだ少し赤いだけだから様子を見よう」と考える飼い主さまは非常に多いです。
しかしモルモットの足底皮膚炎は、初期の赤みの段階で対処できるかどうかで予後が大きく変わります。
足底潰瘍の初期症状には次のようなものがあります。
- 足裏が赤い
- 少し腫れている
- 毛が薄くなっている
- 足を気にして舐める
- 歩き方が少しぎこちない
この段階なら、床材変更・体重管理・早期治療で改善しやすいです。

モルモットの足裏に「かさぶた」「出血」がある場合
一方で放置すると、
- 出血
- 黒いかさぶた形成
- 化膿して黄色い汁が付く
- 足を浮かせる
- 強い痛みで動かなくなる
- 食欲低下
まで進行することがあります。この段階ではすでに中等度〜重度へ進行している可能性があります。上記が見られる場合は早めの受診を推奨します。
モルモットは痛みを隠す動物なので、見た目以上に悪化していることがあります。重度症例では皮膚深部感染や足の骨髄炎まで発展することがあり、治療が長期化することもあります。

受診を急ぐべき症状
以下は早急な受診を推奨します。
- 出血している
- 膿が出ている
- 歩けない
- 食欲低下
- 急激な体重減少
- 足が変形している

治療期間はどれくらい?
軽度
2〜4週間程度
中等度
1〜3カ月程度
重度
数カ月以上
骨感染がある場合はさらに長期化します。
足底皮膚炎になりやすいモルモットの特徴
以下の子は要注意です。
- 肥満気味
- 高齢
- 爪が長い
- 運動不足
- 長時間同じ姿勢
- 不衛生なケージ環境
- ワイヤー床
- 関節疾患持ち
複数因子が重なると発症率が上がります。
モルモットの足底潰瘍の原因について
モルモットの足底潰瘍は、主に以下の原因によって引き起こされます。
1.不適切な床材
モルモットが硬くて粗い床材や冷たい床で過ごすことがあると、足裏の皮膚が擦れて損傷しやすくなります。
2. 汚れた床やケージ
汚れた環境は菌や微生物の繁殖を促進し、感染症を引き起こす可能性があります。これが足裏潰瘍のリスクを高めます。モルモットは排泄量が多い動物ですので、こまめに掃除をしてあげましょう。
3. 運動不足
モルモットが適切な運動を得られないと、筋肉の発達が不十分になり、足裏の皮膚が十分な強さを持たなくなります。
4. 体重過剰
モルモットが体重オーバーになると、足底にも負重がかかりすぎ、血行が悪くなってしまいます。主におやつの与え過ぎやペレット給餌量が多すぎることが原因だと思います。
こちらの海外のサイトもご覧になってください。翻訳機能を使っていただければ読みやすいと思います。

モルモットの足底皮膚炎で行う検査
当院では状態に応じて以下を検討します。
視診
赤み、腫れ、潰瘍の程度確認
細胞診
細菌感染の有無確認
細菌培養検査
難治症例で実施
レントゲン検査
骨感染(骨髄炎)の確認
体重測定
肥満評価
特に肥満は再発リスクを高めます。

動物病院で行うモルモットの足底皮膚炎の治療
モルモットの足裏の赤みや腫れに対しては、症状の重症度に応じて治療内容が変わります。
① 足裏の洗浄・消毒
軽度の赤みや浅い傷の場合は、まず患部を清潔に保つことが重要です。
- 汚れの除去
- 皮膚表面の洗浄
- 必要に応じた消毒処置
刺激の強い消毒薬は悪化の原因になることがあるため、獣医師の判断が必要です。
② 内服薬・外用薬による治療
細菌感染や炎症がある場合には薬物治療を行います。
- 抗生物質
- 消炎鎮痛薬
- 外用薬
感染の程度によって使用期間が変わります。
③ 包帯処置
足裏への負担を減らすため、クッション性を持たせた包帯を行うことがあります。
- 傷の保護
- 圧力軽減
- 汚染防止
ただし、包帯管理が難しい場合もあり、エリザベスカラーなどの制御が必要になることがあります。

④ レントゲン検査
重症例では骨まで感染が広がることがあります。モニタリングとして何回も検査を実施することがあります。
- 骨髄炎確認
- 深部感染確認
- 予後評価
歩行異常が強い場合は重要です。
⑤ 膿瘍や壊死組織の処置
重度症例では、
- 膿の排出
- 壊死組織の除去
が必要になる場合があります。とても痛みを伴うので、全身麻酔が必要です。
⑥ 飼育環境の改善指導
治療と同じくらい重要です。
- 床材変更
- ケージ清掃
- 体重管理
- 爪管理
環境が改善されないと再発しやすくなります。
⑦ 定期的な再診
モルモットの足底皮膚炎は再発しやすいため、
- 傷の治癒確認
- 再発チェック
- 包帯交換
を定期的に行います。
ご自宅でやってはいけない対処法
- 人用消毒液を塗る
- 無理にかさぶたを剥がす
- 強い圧迫包帯
- 硬いすのこ床を継続
- 放置する
これらは悪化要因になります。
特にイソジン®の原液など刺激性の強い消毒は組織障害を起こす場合があります。

モルモットの足底皮膚炎の再発を防ぐための飼育環境改善
治療だけでは再発します。重要なのは環境改善です。
- 柔らかい床材
- 毎日の掃除
- 適正体重維持
- 爪切り
- 運動時間確保
- 濡れた床の放置を避ける
特に尿で湿った環境は悪化要因です。
1. 適切な床材の使用
柔らかくて温かい床材を提供することで、足裏への刺激を軽減できます。木のチップやペレットが適しているといわれていますが、これなら大丈夫という、ベストな素材はないようです。

2. 定期的なこまめな清掃
ケージや床材を清潔に保ち、細菌などの微生物の繁殖を防ぐことが重要です。
3.適切な運動
十分なスペースで運動できるようにし、モルモットの健康を維持するために定期的な運動を促進します。ケージから出して、一定時間サークルで過ごしてもらうといいと思います。

4. 適切な栄養
バランスの取れた栄養を提供し、モルモットの皮膚や筋肉の健康をサポートします。とくにコラーゲンと関連が深いビタミンCは、モルモットは体内で合成することができません。しっかり、食餌として補給していきましょう。
カロリーの高いおやつは、食餌として与えるのではなく、飼い主さまとコミュニケーションをとるツールとして考えていただくといいと思います。
日常の注意点
1. 定期的な健康チェック
モルモットの足裏を定期的に確認し、異常があれば早期に獣医師に相談することが大切です。

2. 快適な環境の提供
モルモットが快適な環境でストレスなく過ごせるように心掛けましょう。
モルモットの足底潰瘍は早期発見と適切なケアが重要です。予防策を実施し、定期的な健康チェックを行なうことで、モルモットが健康で快適な生活を送ることができます。
よくある質問(FAQ)
Q1 モルモットの足裏が赤いだけでも病院に行くべき?
はい。初期治療ほど改善しやすいです。
Q2 モルモットの足裏のかさぶたは取った方がいい?
いいえ。ただ剥がすだけだと悪化します。
Q3 モルモットの足裏から出血しています。緊急ですか?
早めの受診をおすすめします。
Q4 モルモットのソアホックは自然治癒しますか?
軽度でも自然治癒は期待しにくいです。
Q5 モルモットにおすすめの床材は?
柔らかく清潔を保ちやすい素材が望ましいです。
Q6 モルモットの足裏がハゲています。病気ですか?
初期の足底皮膚炎の可能性があります。
Q7 肥満は関係ありますか?
はい、非常に大きなリスクです。
Q8 足底皮膚炎はうつりますか?
通常は感染症ではありません。
Q9 手術が必要になることはありますか?
重度感染では必要になる場合があります。
Q10 再発しやすい病気ですか?
環境改善しない場合は再発しやすいです。

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