【獣医師監修】犬の健康管理完全ガイド|必要な検査項目・予防・生涯費用を徹底解説🐶

診察台のミックス犬

最終更新日:2026年5月21日

犬における健康診断の重要性

アロハオハナ動物病院によるこの資料は、愛犬の生涯を通じた健康管理について包括的に解説しています。定期的な健康診断や、年に一度の混合ワクチンおよび狂犬病予防接種の重要性が強調されており、病気の早期発見が鍵となります。フィラリアやノミ・マダニといった寄生虫対策に加え、心臓病やがんの検査、肥満防止などのライフステージに応じたケアも紹介されています。さらに、ワンちゃんを飼育する際にかかる生涯費用の見積もりや、日々の体調変化を確認できるチェックリストも掲載されています。飼い主さまが責任を持って適切な医療措置を選択し、愛犬と長く健やかに暮らすための実践的なガイドブックとなっています。

こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。

ワンちゃんが健康的に生活できるように、定期的に身体検査・血液検査などの健康診断を受けてください。


①健康診断 ~混合ワクチン、狂犬病ワクチン、フィラリア検査などについて~

健康診断(健診)は年に4回が理想的です。健診は獣医師があなたのワンちゃんの健康状態を把握し、問題がないかどうかを検討する最良の機会です。1歳児検診、シニア検診など、ライフステージに合わせた検査項目を選択するとよいでしょう。

基本は身体検査です。

血液検査は、春と秋の2回の実施をお勧めしています。
こちらの検査センターに依頼しているので、検査概要についてもご覧ください。→富士フイルムVETシステムズ(株)

採血についてはこちら

「血液検査などで早期発見していれば、もっと長く健康でいられたのに・・・」という悔しい思いから、1年間に4歳年を取ると言われている、小型犬には、春だけではなく、秋も加えた年2回の定期検診をお勧めすることにしました。

この検診は、血液を検査センターに送り、フィラリア検査を含めた複数項目がたいへんお得な料金でできるサービスなのです。

院内検査では同様の項目をスピーディーにできますが、料金は倍くらいかかります。

この他、ちょい足しセット、シニアセット、ワクチン抗体価など状態に応じた項目を加えることでさらに割安にご利用いただけます。

【検診項目】

 ・フィラリア感染 《血中ミクロフィラリア鏡検、フィラリア成虫抗原》

 ・肝臓胆道疾患 《AST、ALT、ALP、総ビリルビン、γ-GTP》

 ・腎疾患 《BUN、クレアチニン》

 ・蛋白代謝異常 《総蛋白、アルブミン、A/G比》

 ・ホルモン異常など 《血糖値、リパーゼ、総コレステロール、中性脂肪、カルシウム、リン》

_______________

②混合ワクチン接種 ~年1回~

混合ワクチン接種は、ジステンパー、パルボウイルス感染症などの複数の致死性伝染病から、あなたの大切なペットを守ります。年に1度の混合ワクチン接種で、複数の伝染病から、あなたの大切なワンちゃんを守ってくれます。混合ワクチン接種は健康管理の基本中の基本と言ってもよいでしょう。

「人では混合ワクチンは子どもの頃にだけ接種して、その後はしないもの。ペットも同じでしょ!?」というお話をよく耳にします。しかし動物の場合は、毎年の追加接種が推奨されています。感染すれば死亡してしまうような恐ろしい伝染病もあるからです。これがワクチン接種で予防できるのですから。

当院では、毎年接種よりも、毎年抗体価を測定、つまり、ワクチンが効いている状態か否かを調べて、効果がなくなっているようなら接種を実施しています。詳しくはこちらのサイト,そしてもう1つのサイトもご覧ください。

住友ファーマアニマルヘルス社のペットフルライフのサイトでわかりやすく解説してくれています。

ワンちゃんの多くは年齢を問わず、伝染病にかかる可能性をもっています。

とくにレプトスピラ症は人獣共通感染症(ズーノーシス)として公衆衛生上も重要です。

「動物の保護及び管理に関する法律」でも、混合ワクチン接種は飼い主さまの責任の範疇となっています。

また、当院では、残念ながら隔離施設が完備されていないので、混合ワクチンが有効でない場合は、入院加療ができません。

ワクチン未接種ですと、ペットトリミングやペットホテルなどのその他のサービスも受けられなくなると思います。

_______________

③狂犬病ワクチン接種 ~年1回(4-6月)~

狂犬病予防法という法律で、91日齢以上の犬には接種が義務付けられています。はっきりと予防接種が義務化されている唯一のものです。行政上4月1日から6月30日までに接種することが法律で義務付けられています。お隣の中国にも、獣医学先進国のアメリカにも狂犬病は常在化しています。感染発病すれば100%死にいたる恐ろしい病気です。当院では、いつでも接種することができますので、ぜひお声掛けください。狂犬病についてこちらの動画もご覧ください。

当院では接種料金2,300円です。(2026.4月現在)

済票交付に役所に550円納付します。

初めての接種のときに、「畜犬登録」がお済みでなければ、一緒に手続きをしてください。登録手数料として3,000円を役所に納付することになります。

日本国内では50年近く発生していません。これは、空港海港などでの検疫と、過去に野良犬を捕殺してきた辛い経験の賜物です。この先人たちの努力と亡くなったワンちゃんたちの命を無駄にしないように、飼い主さまとして責任を果たしましょう。

_______________

④フィラリア検査&予防 ~年1回検査、5月-12月に毎月予防@愛知県~

蚊が媒介する病気で、心臓にソーメンのような虫が寄生し、そのまま放っておくと重症化し死に至ります。しかし、この怖いフィラリア感染症ですが実は、定期的な予防薬の投与で防ぐことができます。

ここ愛知県では5月GW明け頃から始め、12月中旬で終わるのが理想的でしょう。

お散歩でうつる消化管内寄生虫やノミ・マダニも一緒に駆除できるタイプのお薬では、年間通して投与を続けることも、とてもいいことだと思います。

投薬の前には、血液の中にフィラリア症にかかっている証拠が出て来ていないか、定期的な血液検査をして調べます。院内では15分で結果が出るキットがありますが、検診として検査センターで実施すれば、もっとお得に調べることができます。

寄生していないと判断されたら、蚊の発生する時期あるいは周年に毎月予防薬を投与します。内服薬やスポットオンタイプの製品を用いることで、簡単に予防することができます。

周年予防されていても、飼い主さまの投与したつもりや、投与し忘れなどの理由で、フィラリア症にかかっている例があるようです。ですから年に1度は、必ず、しっかり血液検査でチェックしましょう。

「フィラリア感染症の話をしよう!」

犬のフィラリア症

春の気温の上昇とともに、蚊が活動し始め、それに伴って、フィラリア感染の危険が生じてきます。

住友ファーマアニマルヘルスのサイト「ペットフルライフ」

ゾエティスのサイト「フィラリア.com」

ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン株式会社のサイト「ノミダニフィラリア.com」

上記のサイトなどで、詳しく解説されていますので、毎春には 復習を兼ねてぜひご覧になってください。

_______________

⑤ノミ・マダニ駆除&予防 ~毎月1回など~

ノミ・マダニはそれだけでも、ワンちゃんに不快感を与えますし、また、病気を媒介したり、皮膚病の原因になったりもします。月1度の滴下剤や錠剤の投与をお勧めしています。

ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン株式会社のサイト「ノミダニフィラリア.com」、「マダニ」および「大切なペットを寄生虫から守ろう(エランコ社)」こちらで詳しく紹介されていますので、ぜひご覧ください。さらに、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の防疫・消毒についてもご覧ください。

_______________

⑥検便 

~年4回~

ペットの健康を脅かす消化管内寄生虫をおもに顕微鏡で調べます。定期的に検便することで、症状が現れる前に対処することができます。人に寄生する種類もありますので、とくに1歳齢以下のワンちゃん、そして幼児、高齢者のいるご家庭では重要です。

_______________

⑦尿検査 ~年1回~

尿中の蛋白や糖を調べたり、結晶がないかを検査します。主に膀胱や腎臓の病気を見つけます。ご自宅で尿を採取してきてもらうだけですので、負担が少なくて済みます。

_______________

⑧血液検査 ~年1-2回(春と秋の検診のご利用をお勧めしています)~

中年齢を過ぎると、体のどこかに異常が出ることがあります。貧血の有無や、肝臓・腎臓などの状態をチェックします。

早期発見と適切な治療、食餌療法などで、ワンちゃんの健康を保ち、寿命を延ばすことができます。

_______________

⑨心臓病検査 ~8歳以上では年1回~

とくに小型犬では、加齢にともない心臓の働きが悪くなることがあります。

小型犬に多い慢性僧帽弁閉鎖不全について、住友ファーマアニマルヘルス社のペットフルライフのサイトでわかりやすく解説されています。

食欲不振や疲れやすい、息がつらそうなどの症状が出る前に、定期的にX線検査や超音波(エコー)検査を行ない、早期治療を開始することで、寿命を延ばせることが分かっています。

_________________

⑩肥満防止&改善 ~1歳までの成長期には毎月、避妊去勢手術後は要注意~

肥満はさまざまな病気を引き起こします。食餌療法、生活改善により万病の元を解消しましょう。

⑪犬のがん検査

がんは犬の死因第1位です。がんの基礎知識をはじめ、症状、検査・治療方法、ご自宅での観察ポイントなどが詳しく解説されているサイトがございますので、ぜひご覧ください。また、血液検査「Nu.Q® Vet Cancer Test」についても紹介されており、愛犬のがんの早期発見と健康維持をサポートする内容となっています。→富士フイルムが提供する、犬の「がん」に関する総合情報サイトです。

⑫成長ステージ別教室・ご相談会

子犬期

  • はじめての子犬教室
  • 予防デビューなんでもご相談会
  • 食事・栄養なんでもご相談会
  • 避妊去勢にまつわるご相談会 など

成犬期

  • デンタルケア教室
  • スキンケア教室(目、耳、爪)
  • 問題行動なんでもご相談会
  • ダイエットなんでもご相談会(肥満クリニック) など

シルバー期

  • 認知症ご相談会
  • 食事ケアご相談会
  • ロコモケアご相談会
  • 介護ご相談会 など

ここで、飼育費用についても触れておきます。

日本でワンちゃんを飼う場合、その生涯にかかる費用についても概算でお伝えします。2024年の調べによると、ペットの飼育世帯数は8%と言われ、年収は800万円以上のご家庭で飼育されているようです。ワンちゃんの平均寿命は約12年とされていますので、それを基に計算します。

初期費用

  1. 購入費用:犬種や出所によりますが、ペットショップで購入する場合は20万円〜50万円、保護犬を引き取る場合は無料〜1万円程度。
  2. 初期準備費用
    • ドッグフード:1,000〜3,000円
    • キャリーバッグ:5,000〜15,000円
    • トイレとペットシーツ:2,000〜5,000円
    • ベッドやケージ:5,000〜15,000円
    • おもちゃ:1,000〜3,000円
    • 食器:1,000〜2,000円
    • リードと首輪:2,000〜5,000円
    • 合計:17,000〜48,000円

毎年の費用

  1. 食費:ドッグフードやおやつなど
    • 月額:5,000〜15,000円
    • 年額:60,000〜180,000円
  2. トイレ用品:ペットシーツなど
    • 月額:1,000〜3,000円
    • 年額:12,000〜36,000円
  3. 健康管理費用
    • 定期検診:年1回 5,000〜10,000円
    • ワクチン接種:年1回 8,000〜10,000円
    • フィラリア予防、ノミ・ダニ対策:15,000円〜25,000円
    • 合計:28,000円〜45,000円
  4. その他の費用
    • おもちゃ、ベッド、リード、首輪の買い替え:年額3,000〜10,000円
    • トリミング:月1回 5,000〜10,000円(必要な場合)
      • 年額:60,000〜120,000円

生涯費用の合計

上記の費用を元に、生涯(12年間)の総費用を計算します。

  1. 初期費用:17,000円〜48,000円
  2. 年間の費用:160,000円〜400,000円
  3. 生涯の費用:初期費用 + (年間の費用 × 12年)

計算すると:

  • 最小費用
    • 初期費用:17,000円
    • 年間費用:160,000円
    • 生涯費用:17,000円 + (160,000円 × 12年) = 1,937,000円
  • 最大費用
    • 初期費用:48,000円
    • 年間費用:400,000円
    • 生涯費用:48,000円 + (400,000円 × 12年) = 4,848,000円

一般社団法人ペットフード協会によると、2024年における生涯費用は270万円と言われています。

まとめ

ワンちゃんを飼う際の生涯費用は、おおよそ190万〜485万円程度となりました。これには予期せぬ病気や怪我の治療費などは含まれていないため、実際にはさらに高額になる可能性もあります。また、犬種によってはさらに高額になることもありますので、具体的な犬種や生活スタイルに応じて見積もる必要があります。

🐶 ワンちゃん用チェックリスト

下記に日頃の健康管理に使えるチェックリストを用意しましたので、ぜひご活用いただき、早期発見・早期受診にお役立てください。

1. 食欲・飲水

□ 食欲の有無、ムラ
□ 水を飲む量の増減
□ 好物・おやつへの反応の変化
□ 食べるスピードの変化
□ 食後の吐き戻し
□ 口元の汚れ・よだれ

2. 排泄

□ 排尿回数や量の変化
□ 排便の回数や性状(軟便・硬便)
□ トイレの失敗
□ 血尿・血便の有無
□ 排便・排尿時のいきみ
□ 尿や便の色の変化
□ ニオイの強さ

3. 活動性・行動

□ 散歩や遊びへの意欲
□ 動きがぎこちない・歩き方の変化
□ 寝ている時間の増加
□ 興奮しやすさ・落ち着きのなさ
□ 鳴き方や声の変化
□ 飼い主との関わり方の変化
□ 攻撃性や不安の出現

4. 外見・被毛

□ 被毛のツヤや量
□ 抜け毛の増減
□ 皮膚の赤み・かゆみ・できもの
□ 耳の汚れ・臭い
□ 目やに・涙の量
□ 爪の伸びすぎ・割れ
□ 体重変化(痩せ・肥満)

5. 体調のサイン

□ 咳やくしゃみ
□ 呼吸の速さ・音
□ 嘔吐の有無
□ 下痢の有無
□ 発作様の動き
□ 震え・ふらつき
□ 体を触ったときの痛がり

「ワンちゃんを安心して丁寧に診てもらえる病院」を探すあなたへ

総合診療科のある当院では、小型犬のワクチン、フィラリア予防などのウェルネスサポート科、避妊去勢などの外科、アトピー性皮膚炎などの皮膚科、歯科、行動診療科などの専門診療を多数行なっています。LINE初診予約、ご相談や健康チェックもお気軽にどうぞ。

→【LINE予約はこちら


 アロハオハナ動物病院 かもがわ公園小動物クリニック

愛知のヘソ豊田市周辺の岡崎市、日進市、安城・刈谷市・名古屋市にお住いの小型犬の飼い主さまへ

当院の獣医師はエキゾチックペット、猫、小型犬などの広範な動物種に対する専門的な知識と豊富な経験を有しております。どんなペットにも信頼できるケアを提供いたします。
つまり、あらゆるペットに対応する総合的な診療を行なうことができます。
どんなお悩みもお気軽にご相談ください。多岐にわたるペットの医療に精通した獣医師が、どのペットにも最適な治療を提供いたします。注文は多いけど日本一頼りになる動物病院を目指しています。

当院へのご連絡はこちらからが便利です

かもがわ公園小動物クリニックは愛知県豊田市役所高橋出張所前のかもがわ公園の近くにございます。

#動物病院 #豊田市 #犬

アロハオハナ動物病院 かもがわ公園小動物クリニック

愛知県豊田市東山町2-3-12
TEL:0565-79-2998(夜間救急のみ稼働)
※完全予約制で、電話はつながらないのですべてLINEからご連絡ください
診療時間:8:00〜21:00(外来休診時間あり、水曜休診)

小型犬、猫だけでなく、トカゲ・カエル・フクロモモンガ・ハリネズミ・チンチラ・モルモット・デグー・ウサギなど、エキゾチックアニマル診療にも対応しています。

対応地域

豊田市 / 岡崎市 / みよし市 / 刈谷市 / 安城市 / 知立市 / 日進市 / 長久手市 / 名古屋市 ほか三重、岐阜、静岡からの受診にも対応しています。

初診案内:
初診・お問い合わせフォーム

LINE予約:
LINE予約受付

Googleマップ:
Googleマップ・アクセス情報

関連記事

  1. マダニ刺咬症について

    マダニ対策とノミ予防ガイド|SFTSから家族とペットを守るた…

  2. ウサギの診療をする優しい男性獣医師

    ウサギに多い病気とその対処法:動物病院で見られるウサギの健康…

  3. 子宮蓄膿症の子宮破裂による腹膜炎に起因するショック症状

    犬の子宮蓄膿症|症状・原因・手術費用・死亡リスクを獣医師が解…

  4. FIPのベンガルネコについて

    【獣医師監修】猫コロナウイルス陽性=FIPではない?最新治療…

  5. 動物病院を受診した産卵障害のセキセイインコ

    小鳥の慢性発情・産卵について:飼い主さまに知っておいてほしい…

  6. フクロモモンガの健康診断とは

    🐾【保存版】フクロモモンガの健康診断|3歳を過ぎたら年1回の…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。