犬猫の健康寿命を延ばす秘訣🐶🐱

診察台の上の猫

最終更新日:2025年11月15日

当院ではシニアクリニックを開設しています

人の高齢化とともに、動物たちにも高齢化が進んでいます。高齢期とは、その動物の寿命の75%を経過した状態と定義されているようです。犬では7歳以上、猫では8歳以上からといわれていますが、明確なものは存在しません。

こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。

ペットフード協会の統計では、日本での平均寿命は、犬で13.94歳、猫で14.45歳と報告されています。

「アニコム家庭どうぶつ白書2024」によると、日本での犬の平均寿命は14.2歳、猫で14.5歳となっています。また、人気犬種トップのトイプードルが15.3歳となり、2位のチワワの13.8歳と1歳以上も差を開けて、最も長い寿命を示しました。

これはアメリカの11歳、イギリスの11.3歳と比べてみても長く、日本は犬たちにとっても長寿国といえそうです。


大切な家族の「シニア期」に寄り添うために

「シニア期」には、すでに体の中では少しずつ老化が進行しています。心臓の働きが弱まり、肺の弾力が落ち、腎臓の濃縮力が低下するなど、外から見えない部分で多くの変化が起こっているのです。こうした変化は、早い段階で気づけばコントロールできるものも多く、まさに“未病ケア”が大切になります。

また、高齢期の犬で手術前検査を実施すると、約3割で異常がみつかり、そのうちの半数近くで予定していた手術が行なわれなかったという報告があります。

人の1年は犬や猫にとっては約3〜4年分にあたります。つまり、3カ月ごとのチェックは人の「年1回の健康診断」と同じ感覚です。当院では、年2回(春と秋)の血液検査を含む健康診断を推奨し、見えない体の変化を早期に発見し、コントロールできる病気には何らかの手立てを打って、少しでも健康寿命を長くできるよう努めています。

特に、シニア犬で多い「僧帽弁閉鎖不全症(心臓病)」や、シニア猫に多い「慢性腎臓病」は、症状が出る頃には進行していることが多く、定期的な検査こそが健康寿命を延ばす鍵となります。さらに、関節疾患や認知機能不全なども、早期のケアによって快適な老後を送ることが可能です。

また、病院での診察だけでなく、ご家庭での観察も欠かせません。
「動きが鈍くなった」「おしっこの量が増えた」「息が荒い」「便がゆるい」など、わずかな変化が病気のサインであることもあります。気になる変化を感じたら、早めにご相談ください。

当院のシニアクリニックでは、これらの変化を総合的にチェックし、一頭一頭に合わせたケアプランをご提案します。薬の調整だけでなく、免疫力を高めるサプリメントや抗酸化ケアの導入など、負担の少ないサポートも重視しています。

ペットたちが元気に長生きできる時代だからこそ、「老い」を恐れるのではなく、上手につきあいながら、その子らしい時間を過ごすことが大切です。
あなたの大切な家族の「これから」を守るために、ぜひ当院のシニアクリニックをご活用ください。


シニア期における体内の変化

実際には高齢期になると、体の中では次のような変化が起きています。

循環器系

心拍出量の減少、循環血液量の減少、末梢血管抵抗の増加

呼吸器系

肺の弾力性の低下、細い気管支の閉塞が起きやすい、喉頭反射(飲み込む力)の鈍化

消化器系

消化能力の低下、肝機能の低下

泌尿器系

尿濃縮力の低下(うすい尿を大量に排泄する)

脳神経系

視覚聴覚などの低下、環境変化への対応能力の低下(ストレスの増強)、認知機能の低下

筋骨格系

筋肉量の減少、体脂肪率の増加(基礎代謝量の低下)

その他

体内の水分量の減少、免疫力の低下

シニア期における観察ポイントとは

ご家庭においては日頃からの観察もたいへん重要なウエイトを占めています。上記のような高齢期に入ると見られる兆候を踏まえると、次のようなところに注目して観察をしていただけるとよいでしょう。

動き

排尿量

呼吸数

便での消化状態

予防できる病気と、コントロールする病気

病気には、予防できるものと、そうでないものとがあります。また、うまく治療できるものと、そうはいかないものとがあります。当院では、次にあげるような病気のうち、予防できるものは予防し、うまく治せないものに関しては、「未病」の状態を含めてうまくケアしていけるようにと考えています。

予防できるもの

 ・各種ワクチンでの伝染病の予防

 ・フィラリア症の予防

 ・ノミ・マダニ媒介性疾患の予防

うまく治せないもの(コントロールするもの)

小型犬の僧帽弁閉鎖不全症(心臓病)

猫の慢性腎臓病

関節疾患

認知機能不全症

さまざまな病気に対し、さまざまな薬を使うことができます。それらをうまく組み合わせてコントロールしていきましょう。

また、未病へのケアとしては、免疫増強や抗酸化などのサプリメントを、積極的に摂取していただくことをお勧めしています。

ペットたちの「老い」は避けられませんが、その時間を穏やかで幸せなものにすることはできます。私たちは、飼い主さまと二人三脚で、年齢を重ねた動物たちの心と体の変化に寄り添いながら、「健やかに老いる」サポートをいたします。小さな不調も見逃さず、今を大切に、これからも笑顔で過ごせるように――それが当院シニアクリニックの願いです。

健康寿命を延ばすにはどのようにしたらいいのかに関するQ&A

Q1. うちの子は何歳からシニア検診を受けたほうがいいですか?
A1. 犬では7歳頃、猫では8歳頃からが目安です。小型犬や猫でも個体差があるため、早めの検診開始がおすすめです。


Q2. 健康診断はどのくらいの頻度で受ければいいですか?
A2. 年2回、春と秋に血液検査を含めた健康診断を推奨しています。3か月ごとのチェックが理想的です。


Q3. シニア期に特に多い病気は何ですか?
A3. 犬では僧帽弁閉鎖不全症、猫では慢性腎臓病が多く見られます。関節疾患や認知機能の低下にも注意が必要です。


Q4. 家で気をつけるポイントはありますか?
A4. 動き・排尿量・呼吸・便の状態を観察し、変化があれば早めに相談してください。小さな変化が病気のサインになります。


Q5. 薬以外でできるケアはありますか?
A5. 免疫力を高めるサプリメントや抗酸化ケアが効果的です。栄養・環境・運動のバランスを整えることが大切です。

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