シニアクリニック

猫診療

人の高齢化とともに、動物たちにも高齢化が進んでいます。高齢期とは、その動物の寿命の75%を経過した状態と定義されているようです。

犬では7歳以上、猫では8歳以上からといわれていますが、明確なものは存在しません。

ペットフード協会の統計では、日本での平均寿命は、犬で13.94歳、猫で14.45歳と報告されています。

「アニコム家庭どうぶつ白書2016」によると、日本での犬の平均寿命は13.7歳となっています。

また、体重5~10kgの小型群が14.2歳と最も長い寿命を示し、5kg以下の超小型群の13.8歳を上回ることが分かりました。

これはアメリカの11歳、イギリスの11.3歳と比べてみても長く、日本は犬たちにとっても長寿国といえそうです。

高齢期の犬で手術前検査を実施すると、約3割で異常がみつかり、そのうちの半数近くで予定していた手術が行なわれなかったという報告があります。

実際には高齢期になると、体の中では次のような変化が起きています。

循環器系

心拍出量の減少、循環血液量の減少、末梢血管抵抗の増加

呼吸器系

肺の弾力性の低下、細い気管支の閉塞が起きやすい、喉頭反射(飲み込む力)の鈍化

消化器系

消化能力の低下、肝機能の低下

泌尿器系

尿濃縮力の低下(うすい尿を大量に排泄する)

脳神経系

視覚聴覚などの低下、環境変化への対応能力の低下(ストレスの増強)、認知機能の低下

筋骨格系

筋肉量の減少、体脂肪率の増加(基礎代謝量の低下)

その他

体内の水分量の減少、免疫力の低下

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人では健康診断を年に1回くらい実施しているかもしれません。犬猫の寿命から推定すると、我々の3カ月が彼らの1年に相当すると考えられます。高齢期に入ったら、3カ月ごとの健康診断のご来院をお勧めしています。

当院ではさらに春と秋の年2回、血液検査を含めた健康診断を受診されることをお勧めしています。

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ご家庭においては日頃からの観察もたいへん重要なウエイトを占めています。上記のような高齢期に入ると見られる兆候を踏まえると、次のようなところに注目して観察をしていただけるとよいでしょう。

動き

排尿量

呼吸数

便での消化状態

病気には、予防できるものと、そうでないものとがあります。また、うまく治療できるものと、そうはいかないものとがあります。当院では、次にあげるような病気のうち、予防できるものは予防し、うまく治せないものに関しては、「未病」の状態を含めてうまくケアしていけるようにと考えています。

予防できるもの

 ・各種ワクチンでの伝染病の予防

 ・フィラリア症の予防

 ・ノミ・マダニ媒介性疾患の予防

うまく治せないもの(コントロールするもの)

小型犬の僧帽弁閉鎖不全症(心臓病)

猫の慢性腎臓病

関節疾患

認知機能不全症

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さまざまな病気に対し、さまざまな薬を使うことができます。それらをうまく組み合わせてコントロールしていきましょう。

また、未病へのケアとしては、免疫増強や抗酸化などのサプリメントを、積極的に摂取していただくことをお勧めしています。

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当院の獣医師はエキゾチックペット、猫、小型犬などの広範な動物種に対する専門的な知識と豊富な経験を有しております。どんなペットにも信頼できるケアを提供いたします。
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