最終更新日:2026年1月22日
パン中毒について|おうちでパンを焼く時にはご注意!
未加熱のパン生地を犬が摂取することの恐れと、その際に生じる健康被害について詳しく解説しています。生地に含まれるイースト菌が胃内で発酵することで、胃の膨張やアルコール中毒、さらには食塩中毒という複数の深刻なリスクを同時に引き起こす可能性があります。焼成済みのパンであっても、塩分や副原料によっては愛犬にとって有害となり得るため、安易に与えないよう注意を促しています。万が一食べてしまった場合は、自己判断で処置をせず速やかに動物病院へ連絡することが推奨されています。

こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。
ご自宅でパンを焼かれるご家庭は、年々増えているかもしれません。焼き立てのパンの香りは人にとっては幸せな時間ですが、ワンちゃんにとっては命に関わる危険が潜んでいることをご存じでしょうか。
実は、生のパン生地を犬が食べてしまうと、
- 胃の中で異常に膨らむことによる消化管トラブル
- 発酵によって生じるアルコールによる中毒
- 食塩摂取による中毒
といった、複数の中毒・救急疾患を同時に引き起こす可能性があります。

犬がパン生地を食べると起こる「3つの危険」
① 胃の中で膨らむ「パン生地膨張事故」
生のパン生地にはイースト菌が含まれています。このイースト菌は、犬の胃の中でも発酵を続けるという特徴があります。
犬がパン生地を飲み込むと、
- 胃内の温度(約38〜39℃)
- 水分
という発酵にほどよい環境が整い、パン生地が膨張することがあります。
その結果、
- 胃が過度に拡張する
- 胃の運動が止まる(胃アトニー)
- 激しい腹痛・嘔吐・呼吸困難
といった症状が現れ、最悪の場合、胃捻転やショック状態に陥ることもあります。
特に、
- 小型犬
- 早食いの犬
- 胃腸が弱い犬
では、少量でも重篤化しやすいため注意が必要です。

② 発酵で生じる「アルコール中毒」
パン生地が発酵する過程で、エタノール(アルコール)が産生されます。
人ではほとんど感じられない量でも、犬にとっては
- 体重が軽い
- アルコール代謝能力が低い
という理由から、急性アルコール中毒を起こすことがあります。
犬のアルコール中毒で見られる症状
- ふらつき、立てない
- ぼーっとする、反応が鈍い
- 嘔吐
- 体温低下
- 呼吸抑制
- 重度では昏睡、けいれん
「少し元気がないだけ」に見えても、数時間後に急激に悪化するケースも少なくありません。

③ 見落とされがちな「食塩中毒」
パン生地には、味を整えるために食塩(塩分)が含まれています。
人にとっては気にならない量でも、犬にとっては
- 体重あたりの摂取量が多くなる
- 水分摂取が追いつかない
といった条件が重なると、高ナトリウム血症(食塩中毒)を引き起こす可能性があります。
食塩中毒の主な症状
- 激しい喉の渇き
- 多飲多尿
- 嘔吐・下痢
- ふるえ、けいれん
- 意識障害
特に、子犬や高齢犬では症状が急激に進行することがあります。
「焼いたパン」なら安全?よくある誤解
「生地が危ないなら、焼いたパンは大丈夫では?」
このように考える飼い主さまもいらっしゃるかと思いますが、決して安心とは言えません。
焼いたパンでも、
- 塩分濃度が高い
- バターや砂糖が多い
- レーズンやナッツが入っている
場合、別の中毒(特にレーズン中毒)や消化器トラブルを起こす可能性があります。
犬にとって「人のパン」は基本的に不要な食べ物と考えてください。

パン生地を食べてしまったら|飼い主が取るべき行動
もしワンちゃんが
- 生のパン生地を食べた
- どれくらい食べたか分からない
という場合は、症状がなくても早めに動物病院へ連絡してください。
❌ 無理に吐かせる
❌ 様子を見るだけ
これらは、かえって危険になることがあります。
特に、
- お腹が張っている
- 元気がない
- ふらついている
といった症状がある場合は、緊急対応が必要です。
まとめ|パン生地は「犬にとって危険な食品」
パン生地は、
- 胃内膨張
- アルコール中毒
- 食塩中毒
という複数のリスクを同時に持つ、非常に危険な食品です。
「少しだけだから」「前は大丈夫だったから」
この油断が、取り返しのつかない事態につながることもあります。
ご家庭でパン作りをされる際は、
- 生地を犬の届かない場所で管理する
- 落とした生地をすぐに片付ける
といった対策を、ぜひ徹底してください。
愛犬の命を守るために、今からできる予防を心がけましょう。

Q. 犬がパン生地を食べてしまいました。大丈夫ですか?
A. 大丈夫とは言えません。生のパン生地は胃の中で発酵・膨張し、消化管拡張やアルコール中毒を引き起こす可能性があります。
Q. どんな症状が出ますか?
A. 腹部膨満、嘔吐、元気消失、ふらつき、呼吸が荒くなる、意識低下などが見られることがあります。
Q. 少量でも危険ですか?
A. はい。犬の体重や胃腸の状態によっては、少量でも重症化することがあります。
Q. 家で様子を見てもいいですか?
A. 推奨されません。症状が遅れて出ることがあり、早期対応が重要です。
Q. 食べた直後に吐かせた方がいいですか?
A. 自宅で無理に吐かせる行為は危険です。必ず動物病院に相談してください。
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