初心者でも安心!リチャードソンジリスの正しい飼育環境づくりと健康管理を、動物病院が詳しく解説
リチャードソンジリスの正しい飼い方を獣医師が解説。性格や寿命、食事、温度管理、よくある病気まで詳しく紹介。初めての飼育でも安心して健康に育てられるポイントを解説します。
こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。
日本では2003年(平成15年)3月プレーリードッグの輸入が規制され、その姿をペット市場で見かける機会はほとんどなくなりました。この規制は、過去に海外で報告された動物由来感染症の事例を受け、人と動物の安全を守るために設けられたものです。こうした背景がある一方で、小型でよく懐くことから「ミニプレーリー」と紹介されるリチャードソンジリスが、新しい選択肢として注目されるようになってきました。
リチャードソンジリスは、外見や性格に魅力があるだけでなく、昼行性で飼育しやすい面も持っています。しかし、どんな動物にも固有の生態や習性があり、それを理解したうえで環境を整えることが健康管理の基本になります。
本記事では、すでにリチャードソンジリスを飼育している方、これから迎えようとしている方に向けて、日々の飼育管理で大切な点や、動物病院でよく相談を受ける病気について、わかりやすく整理してお伝えします。正しい知識があれば、必要以上に不安を抱くことなく、安心して健やかな暮らしをサポートできるはずです。

リチャードソンジリスとは?
リチャードソンジリス(学名:Urocitellus richardsonii)は、北アメリカ原産の小型の齧歯類で、モルモットやデグーと同じようにペットとして人気があります。体長は約18〜25cm、尾は約6〜10cmで、体重はおおよそ120〜200gです。毛色は黄褐色〜赤褐色で、腹部はやや淡い色をしています。特徴的な丸い耳と大きな黒い目は、好奇心旺盛で活発な性格を示しています。
野生では北アメリカの草原地帯に生息しており、地下に巣穴を掘って生活します。社会性が高く、群れで活動することが多いのも特徴です。
飼育下(家庭)では、一般的には 3〜5年 が平均的な寿命とされています。ただし、適切な環境が整っている個体では 6年以上生きる例 も報告されています。一方、野生下では、天敵や気候条件の影響から 2〜4年程度 と短めです。

リチャードソンジリスの行動と性格
リチャードソンジリスは非常に活発で遊び好きな性格を持っています。日中に活動する昼行性で、探索や穴掘り、物をかじる行動が日常的に見られます。
社交性も高く、同種との交流を好むため、複数飼育が可能です。ただし、性格や相性によっては小競り合いが起こることもあります。
活発な性格のため、遊び道具を用意することはストレス解消や健康維持に重要です。トンネルやボール、かじり木などを用意し、飼い主さまとのコミュニケーションを楽しむことも推奨されます。

飼育に必要な道具と環境
基本的な飼育道具
- 広めのケージ(最低幅60cm以上、通気性の良いもの)
- 無害な床材(チップ、ペット用マット)
- 給水器・給餌器
- 遊び道具(トンネル、かじり木、ボールなど)
- 隠れ家(小型の巣箱やトンネル)
- ケージを齧ってしまう場合には、防御対策必須
- 高いところによじ登って落ちることが多いので、要注意
環境の条件
- 日中に明るく、夜間は静かに
- 温度20〜25℃、湿度40〜60%を目安
- 清潔を保つため、床材やケージの定期的な清掃
注意点
- 高温多湿や直射日光は避ける
- 強い匂いや騒音を避け、ストレスを軽減
- 単独飼育よりもペアやグループでの飼育を推奨

健康管理
健康診断の重要性
リチャードソンジリスの健康維持には、定期的な健康診断が欠かせません。体重の変化や歯の健康、内臓の状態を確認することで、早期に病気を発見できます。
病気予防とワクチン接種
犬猫では適切なワクチン接種により、感染症を予防できます。しかし、日本で、リチャードソンジリスに定期接種をお勧めできるワクチンはありません。年齢や健康状態に応じて獣医師と相談し、計画的に病気予防をしましょう。また、日常的な衛生管理やストレスの少ない環境作りも重要です。
食餌と栄養管理
リチャードソンジリスには、牧草を中心に、ペレットや新鮮な野菜・果物をバランスよく与えることが大切です。過剰な食事や不適切な食材は健康を損なう原因となりますので、体重管理と食事内容に注意しましょう。
野生のリチャードソンジリスは、草原のイネ科植物を中心に、季節ごとに野草・新芽・種子を食べ、必要に応じて昆虫も摂取する“草本主体の雑食性”を示します。これらは北米の生態学研究で一貫して確認されている特徴です。
冬眠のリスク
リチャードソンジリスは本来、野生では冬眠する種類ですが、家庭内で冬眠に入ってしまうと、体温・代謝の低下により命に関わるトラブルが起こりやすくなります。特に体調不良が隠れている場合は危険性が高まります。室温を安定させ、冬眠に入らない環境づくり(おおむね20~25℃の維持)が重要です。
寄生虫対策
寄生虫感染も健康リスクです。定期的な糞便検査や衛生管理で予防し、異常があれば早期に治療を行います。犬猫が同居している場合には、外出して、寄生虫を室内に持ち込み、リチャードソンジリスに移したりしないように、専用の駆除剤を定期的に投与しましょう。
老化ケア
年齢を重ねると活動量の低下や歯の摩耗などが見られます。シニア期には栄養管理の見直しや環境調整、定期的な健康診断が特に重要です。

医院の紹介と診療内容
診療科目と対象動物
当院ではリチャードソンジリスを含むエキゾチックアニマルの健康管理、口腔ケア、一般診療、手術などを提供しています。モルモット、デグー、ハリネズミ、フクロモモンガ、爬虫類、両生類など幅広い動物を対象としています。
診療方針とコミュニケーション
- 動物の健康を最優先に考えた診療
- 飼い主さまとの丁寧な情報共有
- ストレス軽減のための環境配慮
医院の風景と設備
- 清潔で明るい待合室と診察室
- 最適な診療機器を完備
- 快適な環境作りで動物が安心できる空間を提供
■ 肥満
家庭内では運動量が不足しやすく、食事内容が高カロリーに偏ると、脂肪肝や糖代謝異常などの問題が起こることがあります。穴掘り・探索といった本能行動が不足しても太りやすくなるため、環境 エンリッチメントと適切な食事管理が予防の基本となります。※下記の写真は本物の肥満個体です。尾はこのような感じで、シマリスのように立派ではありません。

■ 歯科疾患
齧歯類であるため、歯の不正咬合が起こりやすい動物です。咀嚼行動が不足する環境や、咬みごたえの少ない食餌が続くとリスクが高まります。食べる速度が遅くなる、好物だけ選ぶ、よだれが増えるなどは早期のサインで、定期的な口腔チェックが欠かせません。
■ 皮膚疾患
乾燥、ストレス、ダニや細菌の二次感染など、多くの原因で皮膚トラブルが発生します。体を掻く、毛が薄くなる、赤みが出るなどの症状が見られたら注意が必要です。特に狭いケージでの過密飼育や刺激の少ない環境では、行動欲求の不満から自傷的なグルーミングが起こるケースもあります。
■ 腫瘍(特に皮膚腫瘍)
リチャードソンジリスは高齢になると皮膚腫瘍の発生が比較的多く見られます。良性のものから悪性腫瘍まで幅があり、初期の小さなしこりでも経過によって大きく変化することがあります。皮膚のしこり、潰瘍、形や色の変化があれば早期の診察が望まれます。

初めての飼い主さまへのガイド
初診時に必要な持ち物
- 現在の食事内容や体重の記録
- 健康に関する既往歴や行動の記録
日常的なケアの重要性
- 食事管理と栄養バランスの維持
- ケージの清掃と環境の整備
- 定期的な体重測定と健康観察
獣医師との信頼関係
定期的な診察やコミュニケーションにより、安心してペットを任せられる関係を築きましょう。
アクセス情報と予約
- 当院は完全予約制です。LINEでの予約をお願いしております
- 公式サイトで交通アクセスや駐車場情報を事前に確認し、スムーズに来院できるよう配慮
繁殖と生殖管理のポイント
健康な繁殖には、適切なペア選び、交尾のタイミング、健康チェックが重要です。繁殖希望の方は、動物病院での事前検査と相談を推奨します。
リチャードソンジリス飼育のまとめ
- 活発で社交性が高く、遊びとコミュニケーションが重要
- 適切なケージと環境整備、栄養管理が健康の基本
- 定期的な健康診断とワクチン接種で病気予防
- 老化や寄生虫対策にも注意し、シニア期の生活を整える
- 獣医師との信頼関係と定期的な相談で安心の飼育が可能

FAQ:リチャードソンジリス飼育でよくある質問
Q1. リチャードソンジリスは単独でも飼えますか?
A. 単独飼育は可能ですが、社会性が高いため、できればペアやグループで飼う方がストレスが少なく健康的です。
Q2. 適切なケージのサイズはどのくらいですか?
A. 幅60cm以上、高さ30cm以上の広めのケージが望ましく、遊びや探索ができるスペースを確保してください。
Q3. 食事で与えてはいけないものはありますか?
A. 高脂肪や高糖分の食品、加工食品、ネギ類やアボカドなどは避けましょう。
Q4. 健康診断はどのくらいの頻度で行うべきですか?
A. 年に1〜2回の定期健診を推奨します。年齢や健康状態に応じて獣医師と相談してください。
Q5. どのくらい遊びの時間を与えるべきですか?
A. 1日30〜60分程度を目安に、ケージ内外で自由に遊べる安全な環境を整えると良いでしょう。
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かもがわ公園小動物クリニックは愛知県豊田市役所高橋出張所前のかもがわ公園の近くにございます。
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出典:
- Michener, G.R. (1983). Seasonal changes in the diet of Richardson’s ground squirrels. Canadian Field-Naturalist, 97: 311–316.
→ リチャードソンジリスが野生で摂取する植物の約半分以上をイネ科草本が占めると報告。 - Michener, G.R. & Koeppl, J.W. (1985). Ground-dwelling squirrels. In: Biology of New World Microtus.
→ 北米プレーリーにおける主要食物源としてブルーグラマ、バッファローグラスなどの grass species を記述。 - Michener, G.R. (1979). Foraging behavior and plant selection of Richardson’s ground squirrels. Ecology, 60(4): 757–765.
→ クローバー、タンポポ、アルファルファなどの forbs を、季節ごとに選択的に採食することを詳細に記述。 - Stevens, S.D. & Michener, G.R. (2009). Journal of Mammalogy, 90(3): 644–654.
→ 成長期の新芽・花の選択性を報告。 - Michener, G.R. (1983). 前掲論文
→ 晩夏~初秋に種子摂餌量が増加し、脂肪蓄積と関連することを示す。 - Rayor, L.S. (1985). Animal Behaviour, 33: 499–507.
→ 初秋の採食内容に種子が増える点を報告。 - Banfield, A.W.F. (1974). The Mammals of Canada. University of Toronto Press.
→ Richardson’s GS を「primarily herbivorous but opportunistically omnivorous」と記述。 - Michener, G.R. (1978). Canadian Journal of Zoology, 56: 135–142.
→ 成長期の若齢個体が昆虫を相対的に多く摂取する傾向を示す。 - Michener, G.R. (2000). Cynomys and Spermophilus species feeding ecology(総説)
→ 穴掘り行動中に根を噛む行動、地下茎の摂食について記述。 - Holmes, W.G. (1984). Journal of Mammalogy, 65(3): 477–482.
→ 地中行動と微量ミネラル(塩分など)の摂取可能性に言及。 - Feldhamer, G.A., Thompson, B.C., & Chapman, J.A. (2003). Wild Mammals of North America: Biology, Management, and Conservation. Johns Hopkins Univ. Press.
- Murray, M. et al. (Exotic Animal Medicine textbooks) — ジリスの食性として grasses / forbs / seeds / occasional insects を総説形式で記載。














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