最終更新日:2025年11月15日
犬猫の心臓病は直接、生命に危険を及ぼす病気です
~緊急時・災害時にも「命を守る準備」を ~
犬や猫の心臓病(僧帽弁閉鎖不全症、心筋症など)は、直接命に関わる重大な病気です。犬の心臓病は、年齢とともに増えてくる代表的な慢性疾患のひとつです。そして、猫の心臓病は若くても見られる突然死を起こす代表的な病気です。
こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。
咳をする、疲れやすい、食欲が落ちるなどのサインが見られたとき、それは心臓の機能が相当低下している「SOS」の可能性があります。
この心臓病は、突然の呼吸困難や失神、命に関わる急変を引き起こすことがあり、決して軽視できません。

そのため、「かかりつけ医」との信頼関係、そして日常の情報共有と記録が、愛犬・猫の命を守る大きな鍵になります。
見た目は元気そうでも、少しのストレスや環境の変化で容体が急変することがあります。
だからこそ、日常の診療記録や服薬内容の共有、そして飼い主さまとホームドクターの連携が、命を守る鍵になります。
🏥 ① 当院をかかりつけにされている場合:緊急時でも的確な対応が可能です
アロハオハナ動物病院では、日常の診察記録や血液検査結果、心エコー所見、服薬の内容をすべて一元管理しています。
そのため、夜間や休日の緊急対応時にも、過去の経過を正確に把握した上で、迅速で適切な判断が可能です。
💊 たとえば、以下のような情報をすぐに参照できます:
- 現在服用している心臓薬の種類・用量(ピモベンダン、ACE阻害薬、利尿薬など)
- 心エコー検査での弁の逆流や心拡大の程度
- 過去の血液検査や腎機能の推移
- 呼吸数や咳の頻度の変化
- 利尿剤投与後の体重変化や呼吸数の変動
- 血圧や腎機能の推移
これらの情報が揃っていれば、たとえ夜間に容態が急変しても、「今の状態が悪化なのか、一時的な変動なのか」を判断しやすく、緊急時でも「その子にとって最も安全で効果的な治療」を選択できます。無駄な負担を避けながら、最適な処置を行えるということです。
さらに、当院ではLINEや電子カルテを通じて、緊急時にすぐ連絡・相談できる体制も整えています。
飼い主さまも、心臓病を持つ子と生活するうえでの不安や疑問を、いつでもご相談ください。
また、緊急時に限らず、定期的な心臓モニタリング(エコー・X線・血圧・BNPなどの血液検査など)を行なうことで、悪化の兆候を早期に察知し、治療方針を即時に見直すことができます。
当院では、心臓病を抱える子の飼い主さまには「自宅での観察ポイント」をお伝えしています。
たとえば、
- 呼吸数を毎日カウント(安静時で1分間に30回以上なら注意)
- 食欲や体重の変化をメモ
- ふらつきや失神などがあれば即連絡
- 酸素室などのレンタル
このように、飼い主様と病院が二人三脚で病気を管理する体制を有事以外でも大切にしています。

🏥 ② 他院がかかりつけの場合:夜間専門救急救命センターの受診がおすすめ
他の動物病院で治療を受けておられる場合、処方薬の成分や分量、過去の検査結果、経過の記録が不明ですと、正確な判断が難しいため、当院ではより積極的な治療に踏み込みにくいケースがあります。
特に夜間などの緊急時では、「どんな薬をどのくらい使っているか」「最近の心臓の状態はどうか」といった情報が不明なままだと、安全な投薬調整が難しく、状態を安定させる時間がかかってしまうのです。
特に心臓病では、
- 使用している薬の種類(例:ピモベンダン、フロセミド、エナラプリルなど)
- 投薬量
- 投薬後の反応や副作用
これらが把握できないと、薬の重複や相互作用による危険が生じる恐れがあります。
そのため、夜間や休日の急変時には、当院ではなく、まずは夜間専門病院の受診をおすすめします。
そして、主治医の動物病院が夜間救急受診体制を採用していない場合には、日頃から、別の動物病院へ現況を引き継げるように
- 現在使用している薬の名前と分量(例:ピモベンダン 1.25mg錠 1日2回)
- 最新の検査結果(特に心エコー・X線検査、血液検査)
- 心臓病の診断名(僧帽弁閉鎖不全症、拡張型心筋症など)
- 現在までの症状の記録
- 過去の副作用やアレルギーの有無
これらを飼い主さま自身が保管・把握しておくようにしましょう。
最近では、「お薬手帳アプリ」「診療記録アプリ」などを使えば、スマートフォンで簡単に管理できます。
紙のお薬手帳を使う場合も、薬袋を貼り付けておくことで、いざという時にとても役立ちます。地震・台風などの災害時には、動物病院の電子的データが確認できなくなることもあります。
そんなときこそ、飼い主様自身が情報を持っているかどうかが、生死を分ける場合があります。

💬 災害時・緊急避難時の備えも大切です
地震や台風などの災害時には、動物病院にすぐ行けないこともあります。
その際、服薬内容と用量を飼い主さまが把握しているかどうかが、命を分けることもあります。
心臓病のある犬猫の場合は、
- 服用中の薬を3日〜1週間分は常備
- 成分名・容量・投与回数のメモを用意
- 主治医の連絡先を紙でもスマホでも保存
しておくことをおすすめします。 - 服薬中の薬の写真をスマホで撮影
- 薬袋や診療明細書をPDF化して保存
- クラウド(Googleドライブなど)にアップしておく
また、薬だけでなく飲水量・呼吸数・体重などのデータも記録しておくと、避難先や他院での診療がスムーズになります。こうした小さな工夫が、愛犬猫の命綱になるのです。
💡 飼い主さまにできることまとめ
| シーン | 飼い主さまが準備しておくべきこと |
|---|---|
| 通院時 | 服薬内容・検査結果を常に最新の状態で共有 |
| 夜間の急変 | 主治医または夜間病院への連絡手順を明確に |
| 災害時 | お薬リスト・服用量・連絡先をメモやスマホに保存 |
| 日常管理 | 呼吸数・咳の有無・元気食欲の変化を記録 |

🏥 最後に:心臓病は「チーム医療」で守る病気です
心臓病を持っていても、適切な管理と定期的なフォローアップによって、穏やかに長く生活できる子はたくさんいます。
ただし、心臓病の症状は「昨日まで元気だったのに、今日急に呼吸が苦しそう」という形で急変することもあります。
そんなときに慌てないよう、日頃から「かかりつけ医と飼い主さまの情報共有」と「夜間休日診療対応病院リスト」が欠かせません。
アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニックでは、その両方を兼ね備えております。
「安心して治療を継続できる環境」
「緊急時にも慌てない仕組み」
で飼い主さまと大切なペットを守っていきたいと考えています。
心臓病は、症状が一旦治まれば終わりというものではありません。むしろ、「いかに長く安定させるか」が治療の本質です。
そのためには、
- 定期的な診察・検査
- 適切な投薬管理
- 日常生活での観察・記録
- 緊急時の迅速な判断
「記録・共有・準備」の3つを整えておくことで、緊急時にも助かる可能性が高まります。これらが揃って初めて、愛犬・猫の穏やかな日々を支える医療体制が完成します。
🩺 まとめ
心臓病は命に関わる重大な病気ですが、
- 当院をかかりつけにしている場合:LINEで迅速かつ的確な対応が可能
- 他院がかかりつけの場合:服薬情報と経過をご自身でも把握
- 災害時にも備えて、薬や情報をいつでも取り出せる状態に
大切な家族の命を守るために、今日から少しずつ準備を始めていきましょう。
心臓病の犬猫の飼い主さまによくあるQ&A
Q1. 心臓病はどんな症状が出たら注意すべきですか?
A1. 咳、呼吸が速い、疲れやすい、食欲がないなどは要注意です。特に安静時でも息が荒いときはすぐ受診をおすすめします。
Q2. 緊急時はどうすればいいですか?
A2. 当院をかかりつけにされている場合は、LINEや電話でご連絡ください。夜間は救急専門病院への受診が安全です。
Q3. 他院で治療中ですが、急変したらこちらに行っても大丈夫ですか?
A3. 可能ですが、服薬内容や検査結果の情報をお持ちください。情報がないと安全な治療判断が難しいことがあります。
Q4. 災害時に備えて何を準備しておけばよいですか?
A4. 薬を3〜7日分常備し、薬名・投与量・主治医の連絡先を紙とスマホの両方で保存しておくのが理想です。
Q5. 自宅でできる心臓病の観察ポイントはありますか?
A5. 毎日の呼吸数(30回/分以下が目安)、体重、食欲を記録し、変化があれば早めに相談してください。
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