今回は「ウサギの食欲不振」について詳しく解説します。
うさぎの食欲が落ちたとき、それは単なる“気まぐれ”ではなく、体の中で何かが起きているサインかもしれません。
こんにちは。アロハオハナ動物病院 かもがわ公園小動物クリニック院長です。

食欲不振の定義と重要性
食欲不振とは、ウサギが普段の食事量を摂取できない状態を指します。
この状態は軽視できず、放置すると栄養不足や脱水にとどまらず、胃腸の動きの低下(うっ滞)など、命に関わる問題を引き起こすことがあります。
うさぎは絶えず牧草を食べて胃腸を動かす「草食動物」であり、食欲の低下=消化機能の低下を意味します。
飼い主さまは日々の食事量や排便の状態を観察し、「いつもと違う」と感じた時点で早めにご相談ください。ウサギに「様子を見る」は厳禁だと覚えておいてくださいね。
ウサギにおける食欲不振の影響
ウサギの食欲不振は、身体的にも精神的にも大きな負担となります。
まず、食餌を摂らないことで栄養バランスが崩れ、体重減少・免疫力の低下が起こります。
また、長期間続くと脂肪肝や腸閉塞などの重篤な疾患に発展することもあります。
さらに、食べられない状態が続くと強いストレスや不安感を抱き、活動性が低下。結果として悪循環に陥ることも少なくありません。
「少し食べないだけ」と思わず、早めの対処が大切です。

食欲不振の主な原因
消化器系の問題
ウサギの消化器疾患は、最も多い食欲不振の原因です。
特に胃腸のガス、便秘、毛球症などはよく見られます。
- 便が小さい・出ない
- お腹が張っている
- 食べたがらない
といった症状があれば、すぐに動物病院を受診してください。
繊維質の多い牧草を主食にし、ペレットやおやつの量を見直すことも大切です。
口腔内の異常
ウサギの歯は一生伸び続けます。
不正咬合(歯の噛み合わせ異常)や口内炎・異物の刺激があると、痛みで食べられなくなります。
よだれ、口をもぐもぐさせる仕草、食べ物を落とすなどのサインが見られたら、口腔内のチェックが必要です。
定期的に獣医師による歯科検診を受けましょう。
ストレスや環境要因
ウサギは環境の変化にとても敏感です。
大きな音、他の動物の存在、温度・湿度の変化などがストレスによる食欲低下を引き起こします。
- 静かで落ち着けるスペースを確保
- ケージの配置や照明を見直す
- スタッフや家族との接し方も安定させる
安心できる環境づくりが、健康の第一歩です。
感染症や全身疾患
呼吸器疾患、腎臓・肝臓のトラブル、子宮疾患などの全身性の病気が原因で食欲不振が起こることもあります。
「なんとなく元気がない」「運動量が減った」などの小さな変化も要注意です。
早期に受診し、必要な血液検査・レントゲン検査などを行なうことで、重症化を防ぐことができます。

食欲不振の危険なサイン
食べない時間が長引くとき
とくにウサギが24時間以上何も食べない場合は非常に危険です。
胃腸の動きが止まり、命に関わる「胃腸うっ滞」を起こす可能性があります。
いつも好んでいた食べ物を拒むようなら、すぐにご相談ください。
夜間なら救急電話(当院は留守録対応)でも構いません。早めの行動が救命につながります。
水分摂取の減少
ウサギが水を飲まないと、脱水や腎臓への負担が生じます。
新鮮な水を常に用意し、飲む量をチェックしてください。
水分摂取が少ないと便が小さく硬くなり、消化管の動きが悪くなりガスが溜まりやすくなります。
便の状態の変化
便が小さい、形が崩れている、下痢気味などの変化は、体調不良のサインです。
ウサギの便は健康の鏡。毎日観察する習慣をつけましょう。
元気がない様子
普段活発なウサギが遊ばない、動かない、隅にうずくまるような場合は注意が必要です。
食欲不振+活動性の低下=体調悪化のサインです。
「なんとなく様子がおかしい」と感じたら、迷わず診察を受けてください。

動物病院での診断と治療
診断の流れ
問診・触診・便検査・レントゲン検査・血液検査などを行ない、原因を特定します。
特に胃腸の動きやガスの有無、歯の状態は詳細に確認します。
治療方法の種類
点滴による水分補給、腸の動きを助ける薬、痛み止め、強制給餌などを行ないます。
原因が歯や感染症の場合は、外科的処置や抗菌治療が必要となることもあります。
回復への道のり
治療後もすぐに完治するわけではありません。
自宅での食事管理・環境調整を継続し、再発防止を図ります。

ご自宅でできるサポートと予防策
食事環境の整備
- 新鮮な牧草を常に用意
- 水分補給をしっかり行なう
- 好みの食材を見つけてあげる
牧草はウサギの胃腸を動かす“命の草”です。
ペレットよりも牧草中心の食生活が大切です。
ストレス軽減の工夫
ウサギは小さな変化にも敏感です。
静かな環境を整え、遊び道具を用意することで気分転換を促します。
他のペットと同時に過ごす場合は、ストレスがかからない距離を保ちましょう。
定期的な健康チェック
日々の観察が、最大の予防です。
体重や排便の変化、食事量をメモしておくと、異常を早期に発見できます。
また、獣医師による定期検診・血液検査も健康維持に欠かせません。
うさぎの食欲不振に関するFAQ
- 「うさぎがご飯を食べないのは大丈夫?」
→ 長時間(24時間以上)食べない場合は「胃腸うっ滞(=胃腸の機能停止)」など重大なリスクがあるため、早めの受診が推奨されます。 - 「食べないけど、牧草は食べてるから大丈夫?」
→ 牧草を多少食べていても食欲全体が落ちていれば、胃腸機能の低下や歯の異常が隠れている可能性があります。 - 「食欲低下→便が出ない/便が小さい場合、どうすれば?」
→ 便が小さくなる、出ない、形状が変わるのは消化器の問題のサインです。早期に獣医師による診察を受けることが重要です。 - 「原因が見つからない食欲低下、何が考えられる?」
→ 歯の異常、ストレス、環境変化、消化器系のトラブルなど、原因は多岐にわたります。原因不明と判断されても放置せずに専門家に相談を。 - 「自宅で食欲を戻すためにまずできることは?」
→ 新鮮な牧草の継続、環境の見直し(静かな場所、温度管理)、水分補給の確認などが有効です。ただし、食べない状態が続く場合は受診が必要です。

まとめと今後の注意点
あなたのウサギの健康を守るために
ウサギの健康を守る鍵は、観察・早期発見・継続ケアです。
定期的な健康チェックを行ない、食事内容を見直し、ストレスの少ない環境を整えましょう。
私たちアロハオハナ動物病院では、ウサギ・モルモットなどエキゾチックアニマルの専門診療を行なっています。
「ちょっと元気がないかも?」と思った時点で、どうぞ気軽にご相談ください。
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