梅雨〜夏に急増する『犬のカビ皮膚炎(マラセチア性皮膚炎)』とは
〜ベタベタ・かゆみ・ニオイ…それ、ただの皮膚炎じゃないかもしれません〜
こんにちは。アロハオハナ動物病院 かもがわ公園小動物クリニック院長です。
梅雨から夏にかけて、ワンちゃんの皮膚トラブルがぐんと増える時期です。
そのなかでも、意外と見落とされがちなのが 「マラセチア性皮膚炎」──いわゆる「犬のカビ皮膚炎」です。
この記事では、動物病院の皮膚科診療でよく出会うケースをベースに、
「なぜ薬用シャンプーだけでは治らないのか?」
「マラセチア性皮膚炎の特徴・診断・治療」
を、飼い主さまにも分かりやすく解説していきます。

☔️ そのベタつき・赤み・ニオイ、梅雨〜夏に悪化していませんか?
飼い主さまがよく口にされるのは、こんな症状です:
- 「耳の内側や足先が赤く、しきりに舐めている」
- 「毎週シャンプーしてるのに、背中が脂っぽい」
- 「独特のニオイがして、洗っても取れない」
これらは一見、「脂漏性皮膚炎」や「アレルギー性皮膚炎」と誤解されがちですが、
その正体は皮膚に常在する「マラセチア酵母菌」の異常増殖による皮膚炎かもしれません。
🦠 マラセチアってなに? ─ 常在菌が病原化するメカニズム
マラセチア(Malassezia pachydermatis)は、健康な犬の皮膚や外耳道に自然に存在している脂質依存性の酵母様真菌(カビの一種)です。
通常は無害ですが、以下のような条件がそろうと異常に増殖し、炎症を引き起こします。
主な誘因:
- ✅ 湿度の高い環境(梅雨・夏場の高温多湿)
- ✅ アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどの基礎疾患
- ✅ 脂漏体質(特に柴犬・シーズー・コッカーなどに多い)
- ✅ 免疫力の低下(高齢犬、基礎疾患持ち)
- ✅ 外耳炎や皮膚バリア障害の併発
これらが重なると、皮脂を栄養源とするマラセチアが異常繁殖し、皮膚の赤み・かゆみ・脂漏・悪臭といった症状が現れます。

🧴 なぜ「薬用シャンプーだけ」では治らないのか?
マラセチア性皮膚炎において、市販の薬用シャンプーや頻繁な洗浄だけで対応しようとするケースは少なくありません。
ですが、ここに2つの大きな落とし穴があります:
❶ 市販シャンプーでは「抗真菌作用」が不十分
→ 多くの薬用シャンプーは抗菌や洗浄を目的としていますが、
マラセチアのような酵母菌に対して効果のある「抗真菌成分」を含んでいないものもあります。
❷ 過剰な洗浄は「皮膚のバリア機能」を壊す
→ 乾燥や角質の剥離を招き、逆にマラセチアの増殖環境を悪化させてしまうことも。
したがって、皮膚の状態や体質に応じた診断・治療設計が重要なのです。
🔬 どうやって診断するの?──マラセチア性皮膚炎の検査と見分け方
当院では、以下のような流れで診断を行ないます:
✅ 1. 顕微鏡検査(皮膚スクラッチやテープ法)
皮膚表面の角質を採取し、染色後に顕微鏡でマラセチアの存在を直接確認します。
ピーナッツ型または卵型の酵母様真菌が多数確認できれば、診断の一助となります。
✅ 2. 臨床症状の分布と特徴
- 耳・口周り・脇・内股・指趾間など、皮脂腺が豊富で湿度の高い部位に好発。
- 脂漏性、悪臭、慢性化する紅斑・色素沈着が見られる。
✅ 3. 既往歴と体質の確認
- 外耳炎の反復歴
- アトピーや食物不耐症の既往
- 過去の治療反応など
これらを総合的に評価し、他の細菌性皮膚炎や膿皮症、アレルギー性皮膚炎との鑑別を行ないます。

💊 治療はどうするの? ─ 抗真菌薬だけで終わらせない包括ケア
🌿 主な治療アプローチ:
- 抗真菌薬(イトラコナゾール、ケトコナゾールなど):内服が必要な場合も
- 抗真菌薬配合シャンプー(クロルヘキシジン+ミコナゾールなど)
- 基礎疾患(アトピー・食物アレルギーなど)の管理
- 耳の治療と皮膚の治療をセットで行なう
- 再発予防のためのスキンケア指導
重要なのは、「一時的に良くなった」で終わらせず、再発しにくい皮膚環境を整えることです。
🏥 当院が重視する“皮膚と耳”の一体診療
マラセチア性皮膚炎の子の約50%以上が外耳炎も併発しています。
そのため、耳の処置をせずに皮膚だけ治療しても、再発の温床になりかねません。
当院では、
- 外耳検査(耳鏡+顕微鏡)
- 皮膚スクラッチ検査
- 体質に合わせた食事・保湿ケアの提案
を組み合わせ、耳と皮膚をセットで診るアプローチを徹底しています。
🐾 こんな症状があれば、早めにご相談を!
以下のようなサインが見られる場合は、マラセチア性皮膚炎を疑ってみてください。
- ✅ 耳が赤く、臭いがする/耳をかゆがる
- ✅ 足先や口元をよく舐める
- ✅ 皮膚が脂っぽく、ベタベタしている
- ✅ 背中やお腹に赤み、色素沈着、脱毛がある
- ✅ 「薬用シャンプー」で改善しない皮膚炎がある

✨まとめ:早めの対応が“慢性化”を防ぐカギに
- マラセチア性皮膚炎は、見落とされやすく再発しやすい皮膚疾患です。
- 単なる脂漏症やアトピーと見分けにくいため、的確な診断と抗真菌治療が重要です。
- 耳・皮膚・全身の体質管理をセットで行なうことが、根本的な改善につながります。
ワンちゃんの「皮膚の赤み」「ベタベタ」「におい」が気になったら、
ぜひ当院の皮膚科診療をご活用ください。早期治療と適切なケアで、快適な夏を迎えましょう!
愛知のヘソ豊田市周辺の岡崎市、日進市、安城・刈谷市にお住いの飼い主さまへ、
当院の獣医師はエキゾチックペット、猫、小型犬などの広範な動物種に対する専門的な知識と豊富な経験を有しております。どんなペットにも信頼できるケアを提供いたします。
つまり、あらゆるペットに対応する総合的な診療を行なうことができます。
どんなお悩みもお気軽にご相談ください。多岐にわたるペットの医療に精通した獣医師が、どのペットにも最適な治療を提供いたします。注文は多いけど日本一面倒をよく見てくれる動物病院を目指しています。
かもがわ公園小動物クリニックは愛知県豊田市役所高橋出張所前のかもがわ公園の近くにございます。
ペットの皮膚病のことなら、愛知県豊田市東山町の動物病院、アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック
#豊田市
#動物病院
#皮膚病
犬の皮膚病と言えば、アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック
愛知県豊田市東山町の動物病院














この記事へのコメントはありません。