デグーの病気と健康管理の完全ガイド🐹

デグーと飼い主

最終更新日:2025年11月16日

デグーを健康で長生きさせるための実践的ケアと予防のポイント

デグーは環境や食事バランスに敏感で、糖尿病や不正咬合など特有の病気を起こしやすいです。そのため、食事管理・ストレスケア・定期的な健康チェックが健康維持の鍵となります。適切な環境づくりと観察を通じて、長寿で穏やかな生活をサポートしてあげましょう。

こんにちは、アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニックの院長です。

デグーは南米チリの乾燥地帯に生息する小型のげっ歯類で、その愛らしい見た目と人懐っこい性格、好奇心旺盛な行動が魅力的な動物です。近年では日本でも「飼いやすいエキゾチックアニマル」として人気が高まり、ペットショップでお迎えする初心者の方も増えています。

しかし、デグーは犬や猫と違い、野生では乾燥した草や木の皮を主食として暮らしてきた動物であるため、飼育環境や食事内容のわずかな違いが健康に大きな影響を及ぼすことがあります。特に、糖尿病やストレス行動、アレルギーのような皮膚炎、血尿などの病気を発症しやすいことが知られています。

この記事では、デグーをこれから飼おうとしている方、またすでに一緒に暮らしている方に向けて、デグーの代表的な病気と行動上の問題、そしてそれを防ぐための具体的な飼育ポイントを詳しく解説します。


食道閉塞(しょくどうへいそく)

デグーは自然界では乾燥した草や木の皮を主に食べる草食動物です。しかし、飼育下では飼い主が甘いおやつやドライフルーツを与えすぎることで、食道が詰まり呼吸困難に陥る「食道閉塞」を起こすことがあります。

一見おやつとして与えた少量のドライフルーツでも、デグーの小さな体にとっては危険なことがあります。糖分の多い餌は肥満や糖尿病のリスクも高めるため、非常に注意が必要です。

原因

ドライフルーツは乾燥していて水分をほとんど含まないため、口の中で十分にふやけず、飲み込んだ際に喉や食道に詰まってしまうことがあります。さらに、噛み合わせに問題(不正咬合)がある個体では、うまく咀嚼できずに詰まらせやすい傾向があります。

対処法

  • 予防:
     主食にはチモシーやオーチャードグラスなど高繊維の牧草を選び、常に新鮮な水を用意してください。
     ドライフルーツや甘いおやつは与えないか、どうしても与える場合はごく少量を極小にしてあげるようにしましょう。
  • 治療:
     食道閉塞が疑われる場合、早急に動物病院を受診してください。無理に取り除こうとすると、食道や胃を傷つける恐れがあります。全身麻酔をかけて詰まった食べ物を胃内に押し込み、消化を促す処置を行ないます。

不正咬合(ふせいこうごう)

デグーの歯は一生伸び続ける「常生歯」です。自然環境では硬い植物をかじることで自然にすり減りますが、飼育環境でそれが不十分だと歯が伸びすぎ、不正咬合(歯の噛み合わせ異常)が起こります。

この状態になると、食事ができなくなり、体重減少やよだれ、食欲不振、顔の歪みといった症状が見られます。

原因

ケージ内に木の枝や専用のかじり木がない、あるいはプラスチック製品や金属の格子をかじる癖があると、歯がうまくすり減りません。前歯が折れたり、奥歯(臼歯)が異常に伸びて舌や頬を傷つけることもあります。

対処法

  • 予防:
     かじることで自然に歯をすり減らせるよう、天然木製のかじり木を常備しましょう。
  • 治療:
     不正咬合が疑われる場合は、全身麻酔下で歯のトリミングを行ないます。放置すると食べられずに衰弱してしまうため、定期的な歯科チェックが必要です。

脱毛・アレルギー・ストレス行動

デグーの「毛が抜ける」症状は、アレルギー様皮膚炎・ストレス・寄生虫感染・栄養不足など多様な原因で起こります。とくにストレス行動として自分の毛をかみ切る「自咬症」や、他個体との争いによる社会性の乱れが関係することも多いです。

原因

  • ストレス: 狭いケージ、単独飼育、騒音、温度変化、飼い主とのコミュニケーション不足・過剰。
  • アレルギー様皮膚炎: チモシーや床材の粉塵、掃除用品の香料、湿度の高さなど。
  • 栄養不足: 繊維不足や過剰な糖分摂取、あるいは微量ミネラル不足による皮膚トラブル。

対処法

  • 予防:
     ストレスを減らすために、広めのケージ(高さ・奥行きともに十分なスペース)を確保し、砂浴び場の機会を与える。
     1日1回以上はデグーと触れ合い、人との信頼関係を築くようにしましょう。
  • 治療:
     アレルギー様皮膚炎の疑いがある場合は、動物病院で皮膚検査を行ない、原因を探ります。寄生虫が確認された場合は、駆虫薬による治療を行ないます。

陰茎脱(ペニス脱)・血尿

雄デグーに多いトラブルの一つが、陰茎脱(ペニス脱)です。陰茎が外に出て戻らない状態で、痛みや腫れを伴います。放置すると感染や壊死を起こし、排尿ができない状態になれば命に関わることもあります。

血尿が見られる場合は、尿路結石・膀胱炎・糖尿病性腎症などの可能性も考えられます。

原因

  • 交尾や自慰行為の際の外傷。
  • ケージ内の金属製パーツや鋭利な床材による損傷。
  • 糖尿病・肥満による代謝異常。

対処法

  • 予防:
     ケージの安全性を見直し、プラスチックや金属の突起がないか確認します。
     体重管理と清潔なトイレ環境も大切です。
  • 治療:
     ペニス脱や血尿を確認した場合は、直ちに動物病院を受診してください。適切な抗生剤・消炎鎮痛剤・鎮静剤投与や外科的処置を行ない、感染や壊死、自咬症を防ぎます。

糖尿病と肥満

デグーは遺伝的に糖代謝に弱い体質を持っています。そのため、果物やナッツなど糖質や脂質を多く含む餌を摂取すると、糖尿病や肥満を発症しやすくなります。

糖尿病を発症すると、体重減少・多飲多尿・毛づやの低下・活動性の低下が見られ、進行すると失明や腎障害に至ることもあります。

原因

  • 高糖質食(果物、ドライフルーツ、砂糖入りおやつ)。
  • 運動不足による代謝低下。
  • 遺伝的要因。

対処法

  • 予防:
     チモシーを主食にし、ペレットも糖分の少ない製品を選びましょう。おやつはごく少量に制限し、毎日1時間以上の運動時間を設けてください。
  • 治療:
     糖尿病が疑われる場合は、血糖値や尿検査を行ないます。犬猫で行なうインスリン療法は、定期的な血糖値のモニタリングが困難なので、食餌療法がメインになります。

日常管理と暮らしのコツ

デグーを飼う上で最も大切なのは、「観察」と「環境づくり」です。以下のポイントを意識することで、病気を未然に防ぎ、長寿につなげられます。

  • ケージは高さ・広さ・通気性を備えた構造を選ぶ。
  • 毎日トイレや水の交換を行ない、清潔を保つ。
  • 鳴き声や行動の変化(鳴き方が違う、動きが鈍いなど)を日々観察する。
  • 温度は20〜25℃、湿度は40〜60%を目安に。
  • 砂浴び用サンドを常に清潔にし、皮膚トラブルを予防。
  • 定期的に体重測定を行ない、大きな変化がないか確認する。

まとめ

デグーは高い社会性を持ち、慣れれば人とのコミュニケーションを好む賢い生き物です。彼らは小さな体でありながら、非常に繊細で、ストレスや環境の変化に敏感に反応します。

健康で長生きするデグーを育てるためには、

  • 「正しい食餌の知識」
  • 「適切な温湿度管理」
  • 「運動とストレスケア」
  • 「定期的な動物病院での健康チェック」
    が欠かせません。

また、飼い主さま自身も「なぜこの行動をとるのか?」とデグーの習性を理解する姿勢が大切です。彼らの目や仕草、鳴き声には、さまざまな感情表現が隠されています。

初心者の方でも、丁寧に観察し、正しい飼育環境を整えれば、8年以上の寿命を全うすることも十分に可能な、齧歯類の中では比較的長寿な種です。

デグーとの暮らしは、「知ること」から始まり、「信頼関係」を築くことで深まります。
あなたのデグーが健康で穏やかに過ごせるよう、今日からのケアにぜひ活かしてください。


🐭デグーに関するよくある質問(FAQ)

Q1. デグーの寿命はどのくらいですか?
A. 一般的に5〜8年ほど生きますが、食事管理やストレスの少ない環境で10年以上生きることもあります。


Q2. デグーは一匹でも飼えますか?
A. 群れで生活する動物なので、基本的には複数飼いが望ましいです。ただし、ケンカを防ぐために相性や性別の組み合わせに注意が必要です。


Q3. デグーはどんなものを食べるのですか?
A. 主食はチモシーなどの牧草と専用ペレットです。糖分に弱いため、果物やおやつはごく少量に控えましょう。


Q4. デグーはなつきますか?
A. 毎日少しずつ声をかけたり手からおやつをあげたりすることで、人に慣れて懐く個体が多いです。急な動きや大きな音は嫌がります。


Q5. デグーが毛を抜いたり鳴いたりしているのはなぜ?
A. ストレスやケンカ、ホルモンバランスの変化などが原因の場合があります。長く続く場合は病気の可能性もあるため、早めに動物病院で相談しましょう。

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 アロハオハナ動物病院 かもがわ公園小動物クリニック

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#動物病院 #豊田市 #デグー

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