最終更新日:2026年2月20日
犬の後ろ足が覚束ない・引きずる原因は?椎間板ヘルニアのサインと最新の再生医療を解説
犬の椎間板ヘルニアの危険性と早期治療の重要性について解説したものです。後ろ足のふらつきや麻痺などの症状が見られた場合、脊髄への損傷を最小限に抑えるために迅速な外科手術や専門的な検査が不可欠であると説いています。治療の選択肢として、従来の手術や内科的療法に加え、神経回復を促す再生医療についても紹介されています。飼い主さまが日常生活で注意すべき初期サインを具体的に示し、手遅れになる前に獣医師へ相談することを強く推奨しています。当院は完全予約制やLINE相談を活用し、シニア犬や多種多様な動物に対して質の高い診療を提供することを目指しています。
こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。
とくに後ろ足が覚束なくなったら、立てなくなってしまっていたら、できるだけ早くお知らせください。

もし椎間板ヘルニアだとしたら、下半身麻痺になってしまう恐れがあります。できるだけ早く手術を受けていただいた方が、歩けるようになる確率が増えます。
椎間板ヘルニアが疑われる場合、最も懸念されるのは「どこまで神経障害が進行しているのか」という点です。脊髄が強く圧迫されると、単なる痛みだけでなく、後肢のふらつき、立ち上がり困難、やがては下半身麻痺へと進行する可能性があります。特に急性発症例では、数時間から数日の経過が予後を大きく左右します。

そもそも椎間板ヘルニアとは何か
背骨(脊椎)は、椎骨と椎骨の間にある「椎間板」によってクッションの役割が保たれています。この椎間板が変性し、内容物が飛び出して脊髄を圧迫する状態が椎間板ヘルニアです。犬では特に胴長短足の犬種に多くみられますが、どの犬種でも発症する可能性があります。猫では比較的まれですが、ゼロではありません。
椎間板の変性には大きく2つのタイプがあります。急激に飛び出すタイプと、徐々に突出して慢性的に圧迫するタイプです。前者は突然の強い痛みや麻痺を伴い、後者は徐々に歩きづらくなるなどの症状が見られます。

症状の進行と危険性
初期には、
・背中を触るとひどく嫌がる
・抱き上げると鳴く
・階段を嫌がる
・動きがぎこちない
といった軽度のサインが見られることがあります。
しかし脊髄圧迫が強くなると、
・後肢のふらつき
・立てない
・自力排尿ができない
・完全な下半身麻痺になり、後ろ足をダラッとひきずる
へと進行することがあります。
ここで重要なのは、「痛覚が残っているかどうか」です。深部痛覚が消失してしまうと、回復率は大きく低下します。つまり、時間との勝負になることが少なくありません。

早期手術の重要性
外科的減圧手術は、脊髄を圧迫している椎間板物質を除去し、神経への負担を軽減する治療です。神経は圧迫時間が長くなるほど不可逆的な損傷を受けやすくなります。
そのため、
「様子を見る」期間が長引く
→ 圧迫が持続
→ 神経損傷が進行
→ 回復率が低下
という悪循環に陥る可能性があります。
歩行能力の回復率は、手術までの時間、神経学的グレード、深部痛覚の有無などによって大きく変わります。特に重度麻痺例では、発症から24~48時間以内の対応が鍵となることが多いとされています。最近は、あまり事後の時間経過は関係ないかもしれないという報告もあります。
もちろん、すべての症例が即手術になるわけではありません。軽度症例では内科的管理(安静、消炎鎮痛、厳格ケージレスト)で改善するケースもあります。しかし、歩行困難や麻痺が認められる場合は、早急な専門的評価が不可欠です。

近年注目される再生医療
近年、椎間板ヘルニア後の神経回復を目的とした再生医療の研究と臨床応用が進んでいます。幹細胞療法をはじめとするアプローチでは、損傷した神経組織の修復促進や炎症抑制が期待されています。
再生医療は、従来の外科治療を置き換えるものではなく、
・手術後の回復促進
・慢性麻痺症例への追加治療
・手術適応外症例への選択肢
として検討されるケースが増えています。
ただし、症例選択やタイミング、エビデンスレベルには差があるため、実施の可否については慎重な判断が必要です。導入している製薬会社や医療機関の情報も参考にしながら、最新の治療選択肢を検討することが重要です。
ご家族が気づいてほしいサイン
以下の症状が見られた場合は、できるだけ早く受診をご検討ください。
・急にキャンと鳴いた後に動きたがらない
・後ろ足がもつれる
・排尿姿勢をとるのに出ない
・後肢を引きずる
・立てなくなった
「昨日までは普通だった」という急変が起こるのが椎間板ヘルニアの怖さです。

当院での対応方針
当院では、神経学的検査により重症度を評価し、画像診断(レントゲン)を踏まえて治療方針をご提案します。飼い主さまとご相談して、MRI検査、手術という流れになることが多いです。
・内科管理で経過観察可能か
・専門病院でのMRI検査、外科手術が必要か
・再生医療を併用すべきか
それぞれのメリット・デメリットを丁寧にご説明し、最適な選択を一緒に考えていきます。
まとめ
椎間板ヘルニアは、「早期発見・早期対応」が最も重要な疾患の一つです。重症化すると下半身麻痺に至る可能性がありますが、迅速な診断と適切な治療によって、歩行を取り戻せる可能性は確実に高まります。
「様子を見ていいのか不安」
「歩き方がいつもと違う気がする」
そう感じた時点で、すでに受診のタイミングです。
大切な家族が再び自分の足で歩ける未来のために、迷わずご相談ください。
最近は、再生医療という選択肢も増えました。こちらの製薬会社サイトもご覧ください。

Q1. 犬の椎間板ヘルニアの初期症状は何ですか?
A. 初期には「痛み」のサインが多く見られます。
具体的には、
・抱き上げるとキャンと鳴く
・背中を触ると嫌がる
・段差や階段を避ける
・元気がなくなる
といった変化です。
「なんとなく様子がおかしい」という違和感が、実は最初のサインであることが少なくありません。
Q2. 犬の後ろ足がふらつくのは椎間板ヘルニアですか?
A. 可能性のひとつです。
椎間板ヘルニアでは、脊髄が圧迫されることで後肢の神経伝達がうまくいかなくなり、
・足がもつれる
・爪が擦れる
・滑るような歩き方になる
といった症状が出ます。
ただし、前庭疾患、整形外科疾患、腫瘍など他の原因もあるため、神経学的検査を含めた総合的な検査が重要です。
Q3. 犬が急に立てなくなりました。椎間板ヘルニアの可能性は?
A. 十分に考えられます。
特に胴長短足の犬種では、急性発症が典型的です。
「昨日まで普通だったのに、今朝立てない」
というケースも珍しくありません。
この場合、深部痛覚(強い痛みを感じるか?)が残っているかどうかが予後を左右します。
時間が経つほど回復率が低下する可能性があるため、早急な受診が必要です。
Q4. 椎間板ヘルニアの痛みはどんな様子ですか?
A. 強い神経痛のような痛みが特徴です。
・震える
・背中を丸める
・じっと動かない
・触られると攻撃的になる
といった変化がみられます。
痛みだけで済んでいる段階は、まだ神経障害が重度ではない可能性もあります。早期対応が重要です。

Q5. 犬が排尿できないのは椎間板ヘルニアと関係ありますか?
A. はい、重度になると関係します。
脊髄の圧迫が強くなると、膀胱を支配する神経が障害され、
・自力排尿できない
・尿が垂れ流しになる
・お腹が張ってくる
といった症状が出ることがあります。
これは緊急対応が必要な状態です。膀胱破裂や腎機能障害につながる可能性もあるため、速やかに診察を受けてください。
Q6. 犬の椎間板ヘルニアは手術はいつ必要ですか?
A. 次のような場合は、手術が強く検討されます。
・歩けない(非歩行性麻痺)
・痛みが強く内科治療で改善しない
・症状が急速に悪化している
・深部痛覚が低下または消失している
特に「立てない」「後ろ足が全く動かない」といった状態では、時間が経つほど回復率が下がる可能性があります。
一般的に、重度麻痺例では発症から24〜48時間以内の手術による外科的減圧が予後を左右すると考えられています。
軽度(歩行可能)であれば、まずは厳格な内科管理と安静で経過を見ることもあります。

Q7. 椎間板ヘルニアのグレード別回復率はどのくらいですか?
A. 神経学的グレードによって大きく異なります。一般的な目安は以下の通りです。
グレード1(痛みのみ)
→ 内科治療で高率に改善
グレード2(歩行可能だがふらつき)
→ 内科・外科ともに良好な回復率
グレード3(歩行不能だが足は動く)
→ 手術で高い回復率
グレード4(痛覚ありの完全麻痺)
→ 手術で多くが歩行回復可能
グレード5(深部痛覚消失)
→ 回復率は大きく低下(時間経過でさらに悪化)
特に重要なのは「深部痛覚の有無」です。
ここが予後を左右する最大のポイントになります。
Q8. 椎間板ヘルニアの安静期間はどれくらい必要ですか?
A. 内科治療の場合、最低4〜6週間の厳格なケージレストが推奨されます。
・抱っこ移動のみ
・自力歩行は最小限
・段差やジャンプは禁止
・短時間排泄のみ許可
「少し良くなったから自由にさせる」は再発の大きな原因になります。
手術後も同様に4週間前後は運動制限が必要で、その後リハビリを段階的に開始します。
Q9. 手術をしないとどうなりますか?
A. 軽度であれば安静のみで改善するケースもあります。
しかし重度の場合、
・慢性麻痺
・膀胱麻痺
・褥瘡
・生活の質の低下
につながる可能性があります。
特に深部痛覚が失われた状態で放置すると、回復の可能性は大きく下がります。
Q10. 手術後は普通に歩けるようになりますか?
A. 多くの症例で歩行回復は期待できますが、
・発症からの時間
・グレード
・年齢
・全身状態
によって異なります。
深部痛覚が保たれている症例では、術後数週間〜数ヶ月で歩行を再獲得するケースが多く見られます。
一方で、完全消失例では回復が難しいこともあります。
そのため、「早期診断・早期決断」が極めて重要です。

「ワンちゃんを安心して丁寧に診てもらえる病院」を探すあなたへ
小動物専門・エキゾチック対応のシニアクリニック、救急診療科、エキゾチックアニマル診療科のある当院では、皆さまのご協力のおかげで完全予約制を維持できております。本来最も時間のかかる問診票を、お時間のあるご自宅でゆったり確実に記入していただいています。そのため、本質的なお話の時間を取ることができています。それでもお話・ご質問があるという場合にも、LINEで完全にフォローさせていただいております。大切なご家族(”Ohana”)のことですから、一人の信頼できる獣医師に診てもらいたいですよね。LINE初診予約、ご相談や健康チェックもお気軽にどうぞ。
→【LINE予約はこちら】
アロハオハナ動物病院 かもがわ公園小動物クリニックは水曜休みですが土日祝日はやっています!
愛知のヘソ豊田市周辺の岡崎市、日進市、安城・刈谷・名古屋市にお住いのシニア犬の飼い主さまへ
当院の獣医師はエキゾチックペット、猫、小型犬などの広範な動物種に対する専門的な知識と豊富な経験を有しております。どんなペットにも信頼できるケアを提供いたします。
つまり、あらゆるペットに対応する総合的な診療を行なうことができます。
どんなお悩みもお気軽にご相談ください。多岐にわたるペットの医療に精通した獣医師が、どのペットにも最適な治療を提供いたします。注文は多いけど日本一頼りになる動物病院を目指しています。
かもがわ公園小動物クリニックは愛知県豊田市役所高橋出張所前のかもがわ公園の近くにございます。
#動物病院 #豊田市 #シニア犬















この記事へのコメントはありません。