ウサギやチンチラ、モルモットの赤い尿は血尿ではないこともある

モルモット

赤色尿の原因と注意すべきポイント

尿は薄い黄色という印象があると思いますので、ウサギ、チンチラ、モルモットを飼育していて、赤い色の尿が現れた場合、飼い主の方々が不安に感じるのは当然のことです。しかし、赤色尿が必ずしも病気を示すわけではありません。実際、ウサギやモルモット、チンチラなどでは、赤色尿が見られることがありますが、その原因は様々です。

上のような濁った赤茶色の尿が出ると驚かれるかもしれません

まずは、赤色尿が病気のサインである可能性から見ていきましょう。その場合には、その赤い色は血液成分の可能性です。腎臓で作られた尿は尿管、膀胱、尿道を通って外部に排泄されます。その経路を尿路といいます。この尿路からの出血に由来する可能性があります。これ以外にも、特に避妊手術していない雌個体では、子宮からの出血を疑います。むしろ、こちらを疑う場面が多いです。

あるいは、血液中の赤血球が何らかの原因で破壊され(溶血といいます)、これが尿中に排泄されている可能性もあります。

また、もう1つ知っておきたいことが、これらの動物では、過剰なカルシウムがに尿中に排泄されることが特徴ということです。カルシウム尿症として知られるこの状態は、泌尿器系の問題や代謝異常に関連している場合があります。これには、尿路結石や尿路感染症などが含まれます。カルシウム尿症は、尿の色だけでなく、他の症状も引き起こす可能性があります。たとえば、頻尿や排尿時の痛み、尿失禁などがあります。

1枚目の尿を遠心分離すると、白い砂のようなものが沈殿していますが、これがカルシウムです

赤色尿の非病的原因

次に、赤色尿が病気ではない場合も考えていきましょう。植物性の色素が尿中に含まれていることがあり、これが尿を赤色に染めることがあります。例えば、ビーツやその他の赤い野菜を食べた場合、その色素が尿に反映され、赤色尿を引き起こすことがあります。この赤色色素は、植物の種類、産地、収穫時期、または、個体の体調によって、様々に変化すると言われています。同様に、染料や他の外部物質が消化器系を通過した後、尿中に排出されることもあるようです。そのような場合、赤色尿は一時的なものであり、健康状態に影響を与えることはありません。

赤色尿の管理と健康維持の重要性

しかし、赤色尿が続く場合や他の異常が見られる場合は、病院で獣医師に診察してもらうことが重要です。

赤色尿の原因を特定するためには、飼い主の方々が注意深く観察することが不可欠です。尿の色や量、排尿頻度などはきちんと記録し、食欲や排便などの状況と併せて、獣医師に提供することで、適切な診断と治療が行われる可能性が高まります。

獣医師は、身体検査に加えて、尿性状の検査、さらにX線検査、超音波検査などを組み合わせて、診断結果を総合的に判断します。

上記の尿に血液が入っていた場合には、「潜血」のベージュ色が緑色に変化します

最後に、ウサギやモルモット、チンチラなどの小動物の場合、健康管理の重要性も強調しておきたいと思います。定期的な健康チェックやバランスの取れた食餌、適切な運動などは、これらの動物の健康状態を維持する上で不可欠です。健康問題が発生した場合は、早めに専門の獣医師に相談し、適切なケアを受けることが大切です。

まとめると、赤色尿が現れた場合は、まずは動物病院を受診して獣医師の指示に従い、適切な対処を行うことが重要です。赤色尿が一時的なものであれば安心ですが、病気のサインである可能性もあるため、早めの対応が重要なのです。

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