犬の認知機能不全(いわゆる「ボケ」)について🐶

犬の麻痺の治療をしてくれる動物病院はどこにある?

最終更新日:2025年11月19日

ワンちゃんがボケてしまった?
今は言わなくなりましたが、いわゆるボケ、痴呆のことです。なかでも飼い主さまのイチバンの悩みの症状は夜鳴きでしょう。対症療法しか知られていませんが、脳の酸化防止、栄養補給が治療の骨子です。場合により、うつ病治療薬が効果を現すこともあります。早めに開始し、とにかく続けていくことが大切です。


こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。

「最近、夜になると吠えるようになった」「部屋の中をうろうろして落ち着かない」「ごはんの時間やトイレの場所を忘れてしまう」──
こうした行動の変化は、加齢に伴う犬の認知機能不全(Canine Cognitive Dysfunction:CCD)のサインかもしれません。
人でいう“認知症”に近い状態で、近年は寿命の延びとともに増加傾向にあります。


🧠 原因:脳の老化と酸化ストレス

認知機能不全の背景には、脳内での酸化ストレス神経細胞の変性が関与しています。
特に以下のような変化が知られています:

  • 脳のβアミロイド沈着(ヒトのアルツハイマー病と類似)
  • 神経細胞のエネルギー代謝の低下
  • 酸化による細胞損傷
  • ドーパミン・セロトニンなど神経伝達物質の減少

これらが進行すると、脳の情報処理が鈍くなり、記憶力・学習能力・感情制御が低下します。


⚠️ 主な症状(「DISHAA」で覚えましょう)

~シニア犬の夜鳴き・徘徊・不安への理解とケア~

アメリカの獣医行動学では、以下の6つのカテゴリーで評価します。

分類内容1内容2
D:Disorientation(方向感覚の喪失)家の中で迷う、同じ場所を回る廊下の端で立ち止まり、どう進めばいいかわからず固まる。
I:Interaction changes(人や動物との関係変化)飼い主を無視する、反応が鈍い以前は仲良しだった犬や猫に対して、突然無関心になったり避けたりする。
S:Sleep-wake cycle disturbance(睡眠の乱れ)夜鳴き、昼夜逆転就寝時間が分からなくなり、飼い主が寝る時間に活動しはじめる。
H:House soiling(排泄の失敗)トイレの場所を忘れるトイレのすぐ隣で排泄してしまう。
A:Activity changes(活動性の変化)落ち着きがない、あるいは無気力食事の時間でも食べ物を見ても気づかないようなそぶりを見せる。
A:Anxiety(不安・混乱)急に怖がる、徘徊する外の音や物音に対して、これまで以上に過敏に反応する。

このような変化が徐々に出てくる場合、早めに動物病院で相談しましょう。


🧪 検査:除外診断が大切

「ボケ」に見える症状の中には、実際には他の病気が隠れていることもあります。
そのため、まずは全身検査で原因を絞り込みます。犬の認知機能不全(ボケのような状態)とよく似た症状は、実はほかの病気でも起こることがあります。つまり、「本当に脳の老化が原因なのか?」を確かめるために、他の病気を一つずつ“除外”していくのが「除外診断」です。似た症状でも、原因が違えば治療法も全く変わるからです。

  • 身体検査・神経学的検査
  • 血液検査・甲状腺機能検査(甲状腺低下症による無気力との鑑別)
  • 尿検査・血圧測定(夜鳴きの原因が腎疾患や高血圧の場合も)
  • 画像診断(MRIなど)(脳腫瘍や脳梗塞との鑑別)

これらを行い、ほかの病気の可能性が低いと分かったうえで、この行動変化が慢性的である場合に「認知機能不全」と診断するのが一般的な流れです。


🏠 ご家庭でのケア(生活環境の工夫)

1. 生活リズムを整える

  • 朝夕の散歩・食事時間を毎日同じに。
  • 昼は日光を浴び、夜は静かで暗い環境を。

2. 安心できる環境を

  • 家具の配置を変えない。
  • 滑らないマットを敷く。
  • 夜間のトイレまで小さなライトを点ける。

3. 脳を刺激する

  • 簡単なおもちゃや知育トリーツを活用。
  • 飼い主とのスキンシップ(声かけ・ブラッシングなど)を増やす。

4. 夜鳴き対策

  • 夜間の不安を軽減するため、軽く体に触れて安心感を与える。
  • 就寝前に軽い運動をさせ、眠気を誘う。
  • どうしてもつらい場合は、獣医師の判断で抗不安薬や抗うつ薬を短期間使用することもあります。

💊 治療と栄養管理

現時点で「完治」は難しいものの、進行を遅らせ、生活の質(QOL)を保つことは可能です。

1. 抗酸化栄養サポート

脳内の酸化ストレスを軽減するために、次のような成分を含むサプリメントが有用とされています:

  • ビタミンE、ビタミンC
  • α-リポ酸、L-カルニチン
  • DHA、EPA(オメガ3脂肪酸)
  • サンゴ由来カルシウム、リン脂質
  • ポリフェノール(ブルーベリーや緑茶抽出物など)

これらは脳の代謝をサポートし、神経細胞を保護する働きがあります。

2. 特別食の利用

近年では、認知機能維持を目的に設計された療法食もあります。酸化防止栄養素・中鎖脂肪酸・抗酸化物質を組み合わせた食事で、症状の進行を抑えることが示されています。

3. 薬物療法

  • セレギリン(モノアミン酸化酵素B阻害薬)は、ドーパミン分解を抑えて認知機能を改善させる薬として知られています。
  • うつ病治療薬(SSRIなど)が不安や夜鳴きを軽減するケースもあります。

ただし、必ず獣医師の指導のもとで使用しましょう。


🌸 予防法:早期からの「脳トレ」と「抗酸化ケア」

  • 若い頃からの定期健診と血圧・内臓チェック
  • 運動・散歩・社会的刺激を継続
  • バランスの良い食事と抗酸化栄養素の摂取
  • ストレスの少ない生活と、安心できる家庭環境

早めの取り組みが、発症を遅らせる最大のポイントです。


🐾 まとめ

犬の認知機能不全は、「年だから仕方ない」と諦めるものではありません。
脳を守り、生活を整え、栄養を補うことで穏やかなシニア期を支えることができます

夜鳴きや徘徊などの行動が見られたら、ぜひ早めにご相談ください。
私たちの「シニアクリニック」では、犬の加齢による変化を総合的にサポートしています。


こちらのサイトでセルフチェックをしてみましょう。

このようなことをお話しするために、シニアクラスを開催できればと思っているのですが、なかなか実現できません。


❓ Q1:夜鳴きが急に始まりました。これって認知症ですか?

A: 夜鳴きは認知機能不全の代表的な症状ですが、腎疾患・高血圧・痛み・不安などでも起こります。まずは血液検査や血圧測定で他の病気を除外してから判断するのが大切です。


❓ Q2:認知症は治りますか?

A: 現在の医学では「完治」は難しいとされています。ただし、抗酸化サプリメント・療法食・環境調整・薬物治療によって進行を遅らせ、夜鳴きや不安を軽減することは可能です。


❓ Q3:夜鳴きの対処法はありますか?

A: 就寝前の軽い運動、部屋を暗くしすぎない、小さな常夜灯、安心できる匂い(飼い主の衣類)などが有効です。どうしてもつらい場合は、獣医師判断で抗不安薬・抗うつ薬を併用することもあります。


❓ Q4:サプリメントはどれを選べばいいですか?

A: 欧米の専門家が推奨するのは、抗酸化系を中心に複数成分を組み合わせたタイプです。ビタミンE・C、α-リポ酸、L-カルニチン、DHA/EPA、ポリフェノールなどが認知機能をサポートします。単一成分より複合型のほうが効果が期待されます。


❓ Q5:いつから対策を始めるべきですか?

A: 7〜8歳頃からの「予防的ケア」が最も効果的です。定期健診、適度な運動、脳を刺激する遊び、抗酸化を意識した食事を早めに取り入れることで、発症を遅らせる可能性が高まります。


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