「痛みを抑える治療」から「再発を防ぐ治療」へ ― 犬のヘルニア治療は次の段階に入っています
ワンちゃんの椎間板ヘルニアは、実は多くがグレード1・2の軽症である一方、内科治療のみでは高率に再発するという課題を抱えています。ある調査では、軽症が約97%を占めるにもかかわらず、1年以内に約7割が再発している現実が明らかになりました。
近年注目されている再生医療は、痛みを一時的に抑える従来治療とは異なり、ヘルニアを起こした椎間板そのものの吸収と再発予防を目指す治療です。幹細胞によって免疫細胞や血管新生が促され、生体が飛び出した椎間板物質を処理しやすい環境が整うと考えられています。
実際の臨床研究では、軽症例にこの再生医療を併用した犬たちが約3年間一度も再発しなかったという結果も報告され、安全性も比較的高いとされています。
椎間板ヘルニア治療の目的は、今の症状を抑えることだけでなく、将来も元気に歩き続けられる体を守ることです。いつ再発するか不安を抱えた飼い主さまにとって、再生医療は現実的な新しい選択肢となりつつあります。
こんにちは。アロハオハナ動物病院かもがわ公園小動物クリニック院長です。
ワンちゃんの椎間板ヘルニアは、飼い主さまにとって非常に心配な病気の一つです。特にミニチュアダックスフンドやトイプードル、チワワなどの人気犬種に多く見られますが、最近の研究で、これまでの治療法に加えて「再生医療」という新たな選択肢が大きな注目を集めています。
今回のブログでは、ある調査データに基づいた、ワンちゃんの椎間板ヘルニアの実態と新しい治療法について分かりやすく解説します。

1. 実は「軽症」のヘルニアが圧倒的に多い?
ある動物病院での長期間にわたる症例の調査によると、背中の痛みやふらつきといった「グレード1・2」と呼ばれる軽症のケースが、全体の90%以上を占めていることが分かりました。
多くのワンちゃんは、まずお薬(消炎鎮痛剤)や安静による「内科的治療」を受けますが、ここで大きな課題となるのが「再発」です。調査では、内科治療で一度良くなったように見えても、1年以内に約7割が再発しているという厳しい現実が浮き彫りになりました。
2. 再生医療という新しい選択肢
そこで期待されているのが、ワンちゃんの幹細胞製剤を用いた再生医療です。
これまでの飲み薬による治療は、主に「痛みや炎症を抑える」ものであり、ヘルニアそのものをなくすわけではありませんでした。一方、こちらの再生医療は「病態そのものを修復し、再発を防ぐ」ことを目的としています。

3. 驚きの臨床研究結果
軽症(グレード1・2)のワンちゃんを対象に、標準的な治療に再生医療を併用して長期追跡調査を行ったところ、非常に明るい結果が得られました。
- 再発・再燃率:0%(調査期間中)
- 平均フォロー期間:約2年11ヶ月
通常の治療では再発のリスクが高いのに対し、この研究では約3年近くもの間、一頭も再発していないという高い可能性が示唆されたのです。
4. なぜ効くの?ヘルニアを「食べて」くれる仕組み
人の場合、ヘルニアは自然に消えていくことが多いようですが、ワンちゃん(特に軟骨異栄養性犬種)はヘルニアが消えにくい体質を持っています。
再生医療を併用すると、体内の免疫細胞(マクロファージ)が活性化され、血管が新しく作られるのを助けます。これにより、飛び出してしまったヘルニアの塊を体が「食べて」吸収してくれるのを促進すると考えられています。
5. 安全性について
新しい治療と聞くと副作用が心配ですが、これまでの報告では、投与後に一時的な下痢、食欲不振、元気消失、嘔吐などが見られることがありますが、適切な処置で対応可能な範囲とされています。当院でもワンちゃんの体調をしっかり見極めながら相談させていただきます。

まとめ:症状を隠すのではなく「健康を持続させる」ために
椎間板ヘルニアの治療で大切なのは、単に今の痛みを取るだけではなく、「その後もずっと元気に歩き続けられる機能を保つこと」です。
「何度もヘルニアを繰り返してかわいそう」「鎮痛剤や手術以外の方法はないの?」とお悩みの飼い主さまは、ぜひ一度当院へご相談ください。ワンちゃんの未来のために、最適な治療プランを一緒に考えていきましょう。
「お掃除ロボットが部屋のゴミを片付けてくれるように、再生医療が体の中のヘルニアをきれいに掃除して、再発しにくい環境を整えてくれる。」 そんなイメージで、ワンちゃんの健康をサポートします。
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